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「先日、ラジオを聞いていると、女性DJか言ってたんだ。
『わたし、無表情だと、回りから、怒っているように見られて、困るんです』と。
今日、会社で俺の気になるアノ娘を見かけたら、無表情だった。
本当に無表情だった」
……そんなことだろうと思っていた僕は、彼に言った。
「それで?」
「それだけだ。こんなこと、お前にしか話せない」
田島は、そう言ってトイレに行った。
トイレから、帰ってきた田島は、
「今日は、モチ、俺がおごるよ」
と言って僕達は、席を立ってファミレスを出た。
僕は、別れ際、田島に言った。
「僕は、毎朝、自分が生まれ変わると思っている。
明日に、過剰な期待するわけではなく、今を大事にしていないわけでもない。
田島には、この意味がわかる?」
「分かるよ。本当に分かる。今日は、ありがとな」
そう言って去って行く彼が、僕は少しだけ羨ましかった。
(おわり)




