ー新兵器たちの初陣ー2ハ一作戦
「な…」
中島は思う。やはり、上官のあの情報を信用するんじゃなかったと。
更に電文が入ってくる。
『敵戦闘機ハ総数約230機ノ模様。』
あちらが230に対し、こちらの直掩機はたった50機。
中島は、一瞬唖然とするがすぐに通信兵に無線機を貸してもらい、司令部に直接確認を取ろうとした。その瞬間…
上部機銃手の悲鳴が聞こえた。急いで前を見ると…
悪魔が4機も、雲の上から降下してきていた
「まずい!このままじゃあ部が悪い!味方の戦闘機はどうした!新型機なん…だ…」
今さっきまで悠々と飛んでいた味方の爆撃機や、戦闘機が次々と落とされていく姿をが目に入ってきた。
ある爆撃機は5機に襲われなすすべもなく落ちていき、ある戦闘機は敵から集中的に狙われ蜂の巣にされ落とされていく。
「なんなんだよぉ…新型機じゃぁ…ないのかよ!!!」
後ろには4機の敵戦闘機に追尾され、味方の戦闘機は頼れない、唯一の頼み、後部機銃や上部旋回機銃は…
「おい!後ろはどうした!まさか…」
死んだか。と一瞬思ったが、すぐにそれは否定される。
後部機銃や上部旋回機銃が必死に火を吐く音が聞こえたからだ。
まだ…希望はある!
この近くには、同盟国である米国の飛行場がある。そこに逃げ込めば生き残れるだろう。着陸してもお咎めを喰らう心配はない。
司令部からは、途中、故障等で爆撃や護衛が困難になった場合、不時着するか、近くにはある米国の基地に着陸すること。といわれているからである。
そうと決まれば善は急げである。
早速行動に移す。燃料はまだたっぷり残っている。
機体を急旋回させる。体に掛かるGが凄まじい。一機の敵機が落とされた。
後部機銃や上部旋回機銃は急旋回中でも絶えず火を吐いた成果である。が、まだ敵機は3機も残っている。
そうしたら、次に通信兵に頼んで、司令部充で電文を送ってもらう、
『我、敵機数百ニオソワレ、味方モホボスベテオトサレ、爆撃ハ困難デアルト判断ス。コレヨリ、米軍飛行場ニ緊急着陸ヲオコナウ。』
すぐに返信が返ってきた。
『了解。連絡ヲイレテオク。』
珍しくあの司令部があっさりと離脱を許してくれた。
一瞬気を緩めたその時…
バババババ
敵の反撃が始まった。幸い、異常に硬い呑龍の装甲のお陰で殆ど弾いたが、数発貫通する。しかもそれが厄介な所に当たった。それは…
燃料槽である。
幸い、発火はしなかったが、燃料漏れが起きてしまった。
「ち!この漏れ方じゃあ燃料が持たん!ゆっくり高度を上げて高空飛行に移るか…」
航空機は燃料が切れそうな時は基本高空にいる方がいい。なぜかというと、燃料消費が抑えられるのと、万がいち燃料が切れたとしても滑空距離が伸びるからである。だが、急激な上昇は燃料を著しく消費させる、だから、ゆっくり行くことにしたのである。
「隊長殿!味方戦闘機一機が近づいて来ます!相当ボロボロですが…」
「そんなこと報告する暇があったら弾幕を貼る手を緩めるな!撃ちまくれ!敵をこれ以上近づかせるなよ!!」
「は、はい!あ!ニ機落ちた!」
機銃弾数発が敵戦闘機のパイロットに当たったのだろう。敵戦闘機の風防は粉々に砕け散っている。そして、頭や胸から血を流すパイロットが一瞬見えた。即死だろう。
最後の一機は急上昇して、雲の中に隠れて行った。逃げたのだろう。
「これでひとまず安心だな。」
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