表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

綺麗なお姉さんはだいすきです

 ブックマークありがとうございます。嬉しいです。作品作りの大きな糧です。

 サブタイトルつけるの難しいです。

 この作品は遊び心いっぱいのつもりなので思いつきでつけちゃっていますが。

 楽しんでもらえるでしょうか。

 今日の異世界。

 お姉さん達に囲まれてもてもて、なう。




 卯月と葉月のお勉強部屋に「突撃おやつ一緒に食べようかい」をしようとしてたら、どうも道に迷ってしまいました。てへっ。

 こんなことなら警備の兵隊さんに案内をお願いすれば良かったかな。だが、ことわる!

 時には自分に厳しく生きなくちゃね。

 

 うろうろ歩いて疲れたから、見かけたベンチで一休みしてたら、いつの間にかチャイナドレスの綺麗なお姉さんに囲まれていた不思議。すごいぞ、異世界。


 「ああら、どこぞのウサギが紛れ込んでいるみたいアル。」(猟犬けしかけて追い払いたいわ)

 「しっぽ丸めて帰るよろし。」(さっさと元の世界に帰ればいいのに)

 「まあ、ハッキリ言ったら泣いちゃうアルよ。」(泣いたらいい気味)

 「「「おほほほほ。」」」

  

 綺麗なお姉さんは卯月父と同じ中国人仲間らしい。

 見上げるほどでかいな。顔は羽根つき扇子でよく見えないけど。

 いいな、でかちち。思わず自分ののっぺりした胸ををおさえる。ふん、くやしくなんてないんだからね。


 それにしても、初めて会うあたしと仲良くしてくれるなんてなんていい人たち。ここは、友好的に日本人らしく謙遜してみよう。


 「そんな、あたしなんてかわいくないですよー。」

 「はあ?」

 「そりゃあ、ちいさくてちょこちょこしてるからハムちゃんみたいってよく言われてたけど。あんなふわふわでちょーかわいいウサギみたいなんて、ほめすぎですー。しっぽつけたほうがいいかなあ。泣いちゃう程ですかあ。いやあ、こまっちゃうなあ。てれちゃうなあ。あっ、お姉さん達は大きいですよね。ちち。だいなまいとですね。あれ?死語だった?」


 「なんで、嬉しそうなのアル?」

 「父をダイナマイトで死後・・・。」

 「なっ、なんて恐ろしいことを・・・。」


 「うらやましいなんてちょこっとしか思いませんけどね。でも、どうしてもっていうならちょっとさわってもいいですよ。むしろさわらせて欲しいかも。」


 「障るアルか。」

 「呪術!!?」


 わきわきと指を動かしちゃったら、お姉さん達がなぜかズザッーと後ろに下がった?


 「「「も、申しわけありませんでした!お許しくださいませアルーーー。」」」


 「えっ?なに言って。ちょっと、まださわらせてもらってな、ちょ、まてやー!!!!」


 なんで走り去るの?あ、転んだ。

 泣きながら逃げて行くみたいな。あたしが泣かせたみたいじゃない。


 もしかして、嫌われちゃったのかな。


 みっちゃんなら喜んでさわらせてくれたんだけど、大きくしたいからむしろもっとさわってほしいってさ。異世界では違うのかな?


 「ぶはっ!!」


 いつのまにかそばにいた葉月と卯月。

 お腹抱えて笑ってる葉月は真っ赤な顔して、卯月は無表情だけどちょっと汗かいてる?


 「卯月、どうしたの?」

 「弥生。」


 痛いほどぎゅうっとされて、心配されてたんだと気がつく。


 「ごめんね、卯月。お姉ちゃん、ちょっと道に迷っちゃったんだ。もしかして、探しにきてくれたの?」


 胸に顔が埋まって首も痛いけど、そのまま背中をぽんぽんたたく。卯月は身体は大きいけど繊細だからちょっとしたことも不安になってあたしにさわりたがるんだ。

 生き物にさわると心が和らぐんだって。あたしペットかい!せるふつっこみ。


 「あー。うー。こほん。弥生そろそろ離れた方がいいぞ。男の事情がごほん、いや、そのなんだ、えー」


 抱きしめるのを渋々離した卯月は葉月をにらみながらあたしと手をつないだ。


 「葉月、なにがそんなにおかしかったの?きれいなお姉さんが転んだのもしかして見ちゃった?だめだよ、他人の失敗を笑ったら。」

 「ちげーよ、弥生。あまえとあいつらの会話が、ぶっ、思い出したらまた、くくく」

 「弥生、行こう。」

 「あ、俺をおいて行くなよ!」


 追いついた葉月と卯月と並んで歩くと、ここが異世界だなんて嘘みたい。

 小さい頃からいつも3人で一緒にいたね。


 「卯月も葉月も大好き!」


 2人の腕にぶら下がるみたいにぎゅっとつかまると、

 「ば、ばか!恥ずかしいこといってんじゃねーよ。ばーか!」


 赤い顔してそっぽ向く葉月。

 でも、手を振りほどいたりはしないんだ。


 「俺も。」


 卯月は喜んでくれてる。

 いつも変わらない無表情顔だけど、目がすこし優しくなって口元がちょっとあがるんだ。

 そしてあたしをじいっと見るから、あたしはいつも笑い返す。


 綺麗なお姉さんは逃げてしまったけれど、卯月と葉月はぜったいあたしをおいて行ったりしない。

 それは、ぜったい。

 だからあたしは、いつもげんきいっぱい笑っていられるんだよ。


 


 

 読んでくださり、ありがとうございました。

 あっ、石を投げないで!

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ