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ウサギさん

ウサギさん 反省し学んで進歩 する?

作者: みず

私はなんて世間知らずなのだろう。


ある時を境に、イイトコの子女らしい教育を受けてきた。

だから、この宮殿に姉と共に放り込まれたとき、なぜか劣等感を味わうことはなかった。

ただ、どうして、世間一般の社交情報を教えてくれなかったのだろう。


じゃなきゃ、殿下の罠にまんまとはまることなどなかったはずなのに。



実家ではほとんど一人で過ごしていた。

それに社交界にだされたこともなく、人と付き合うことに馴れていなくて、使用人すらついてこれず一人になりやすいこの庭にいることが、癒しだった。

どうして人に会わなくてすむのか、考えるべきだったと、今は思うけれど。


そこに唯一現れる自分以外の人間が、あのひとだった。


にいさま以外のオトコノヒトとの会話はしたことない。に、等しい。

実父とすらほとんど話した経験がない。


最初はヒトとして失礼のない程度の挨拶しかできず、一歩引き続けていた。

なんでそれを破ってしまったのか今は後悔しかできない。


真の姿を隠した殿下に頼るしかなかった。

ここから出るために。


あの日、なぜだか、宮殿に集められた殿下の女の人たちは物凄く殺気立っていた。

殿下を巡って何かがあった。

姉はその様子を女王のように君臨し 見物し続けていた。

実家でも見たことのないその姿に殺されるかと思った。


その空気に堪えられなかった。

これがずっと続くなんて。

殿下がどんなひとかもわからないのに。ここにいるひとたちと取り合わなきゃいけない状況が想像できなかった。

とても滑稽に思えた。

一刻も早くなんとしてでも出たくなった。


そうなると、頼るしかなかったのだ。

唯一の味方になってもらえそうな真の姿を隠した殿下に。






はぁ。どうして、こんなことに。





「オマエは考えていることが駄々漏れすぎる!」


え?!


ええ?!


「思ってることを声に出して言うな!」


…いつからいたんですかね!

こそこそ入ってきて息を潜ませてずっと聞いてるのもどうかとおもうのデスヨ

「クリスティ、前から言い続けていているけれど、オマエは大きな誤解をしている。おいで」

ふわっと抱き上げられる

…。私、重いデスヨ?!


いや、そうじゃない!喰われる。

「殿下!お腹空きません!?なにか用意させますよ?」

「問題ないよ。餓えてるものはこれから満たすから。今日もストレスいっぱい。存分に晴らす。」


ええ!やめて!






「オマエは誤解してるんだよ。オマエが嵌まったと思っている罠をはったのは、オマエの言う オニイサマ だ。俺はその罠の口を綴じて捕獲しただけだ。」


ピロトークには ちょっと、いや とても不似合な話題だと思うのですよ…。殿下。


「そんなイロっぽい目で俺を見るな。俺がその罠を作らせたわけじゃない。

俺をその中に放り込んだのも オニイサマ だ。

その中の獲物が 大変気に入ったので、まんまと入って、自ら罠の口を閉じただけなのさ。」


罠のエサ… 私ですか…

にいさまを見る目が 変わってしまうから これ以上聞きたくない気がする。

それにイロっぽい目でみてはいない。にらんでるのだ。

…にらんでるつもりなのだ。


「俺を追いかけ回すのがこの世の常識。いやぁ、追いかけ回す方に回ることがあるとは思ってなかったよ」


逃げますとも、だれでも。追いかけられたら!

だって、めんどくさい。こんなとこ!

衛兵に追いかけられたら 心当たりなくても逃げるもんでしょ?


「オマエの オニイサマ は、これで自らの獲物もこれから成り上がる道具も同時に手に入れたわけだ。まあ、道具については来るべき時に俺が用意してもよかったんだけどね。

侯爵がエレーナの婿養子にしたいと申請がきた。名実ともにオニイサマになったわけだ。よかったな」


よくない。これが事実ならば、とてつもなく危険な臭いがする。


「クリスティ。オマエはこれから最後の仕上げを受けろ。

オマエの頭は都合よく社交に関してスッポ抜けている。他の教育レベルは問題ないのに関わらず。

それは間違いなく、わざとだ。それに仕組んだのはオニイサマだ。

あいつの仕事は完璧だ。恐らく、エレーナが教えにくるだろう。

まずは 明日 エレーナを茶会に招け。


これからは 政治だ。


社交にだす。婚約者トシテ。

立場的には すでに 婚約者だ。が、すべてにおいて公示されたわけじゃない。

いろいろ順をこれから追う。

挙式は半年後。社交と政治を学べ。

エレーナが合格を出すまで一言もしゃべらず周りを見極め続けろ。

あの侯爵を父に。あのエレーナを姉にもち、あいつを義兄にもってるんだ。それなりに学べば、それなりに、なるはずだ。

びくびく怯えて逃げ回るのは俺の前だけでいい。

オオカミの衣の借り方、学んでこい。」


これが 本題か。

私が何もできず でも 判断でき記憶が残る程度に疲弊させた上で。

どうして ほんとに いつも ずるい…。

そして 私の周りは とんでもないひとばっかりだ…


ポツポツ現れた点と点が 線でつながりだす。

点が ヒトだったり 物事だったり。

打算と妥協と思惑 思慕 いろいろな線でつながりはじめた。


そして、繋がることで、物事の流れが見えてくる。


それをみて、また駒が動き出す。

駒のスペックで動きは違うけど、ルールに忠実な駒もあれば、無視して一挙に進む反則的な駒もあるし、ひっそり操って動かしている駒もあるはずだ。


流されたままになっているけど。。。

いつか、反撃してやりたいとも思う。


とりあえず 継姉に教えてもらえることを全て吸収しよう。

吸収して いつか…

おなか真っ黒のドS策士どもに仕返しをしてやるんだ…


でも 今は眠い… 動けない…

ひどい…。ほんと。




あれ、でも にいさまの獲物って なに????

父の後継ぎになること??

ん????????




感想をいただいて、うれしくなって お気に入りと言っていただいたカプで書いてみました。


下手くそ承知の上であげています。

ほめられると伸びる子です。

酷評勘弁してやってくださいwwwww


そして ウサギに欠落しているものは 政治と社交だけじゃなくて、イロゴトもないとおもうのだよ。

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