うさぎと私。
「ところでさ、うさぎは寂しいと死ぬって迷信って知ってた?」
「そうなの!?」
「本当だと思ってたのね・・・」
やっぱりか、とでも言うようにうさぎは呆れたように首を振った。
「あんたが出かける時私の周りにいっつも大量のぬいぐるみを置いていくのはそのせいか・・・」
「ぬいぐるみがいれば寂しくないかなって・・・」
「だからってライオンとか虎とか狼とかの特大ぬいぐるみを何十体も置いていかないでよ・・・」
「なんでさ?」
せっかくバイト代をためて買ったというのに・・・・。
「正直に言うとさ動き回りにくいしなんか・・・やっぱり少し怖いのよね・・・」
「なんで?どこが怖いの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もういいい」
うさぎはため息をつくと、寝床に向かう。
「どうせあんたにはこの寝床がおかしいってことにも気付いてないんでしょ」
「えっ!?おかしいの!?」
「普通、うさぎの寝床はハンモックじゃないのよ・・・?」
なぜか可哀想なものを見る目でこっちを見られた。
「あ、そうだ!この際だから言わせてもらうわよ!私を湯船に放り込まないで!足付かないんだから溺れるでしょ!」
「ご・・・ごめん」
今までかなり無理させてたのかな・・・。
「それから、写真をあんまり撮らないでよ」
「なんで?」
私は毎日写真を撮ってネットに載せてる。結構評判なのだ。
けどきっと嫌がるからにはそれなりの理由が・・・。
「・・・・・恥ずかしいもん」
理由が可愛すぎる・・・・!
「あとさ・・・あんた騙されたのよ?」
「誰に!?」
「私を売った人に」
「もっもしかして・・・あなたの値段ってもっと高かったとか!?」
「それで得するのあんたじゃない」
「それもそうか・・・」
「私は絶滅したうさぎじゃないわよ?」
「うそぉ!!」
私はうさぎを店員さんに絶滅したうさぎなんで大事にしてあげて下さいねって言われたのに・・・。
「一回絶滅して、復活して・・・残ってるのはこの子だけなんですよって言われてなんで信じるかな・・・」
「でっでも・・・大切にしないと・・・・」
「まぁ・・・大切にしてくれて感謝・・・してるけど・・・」
「うさぎ・・・・・可愛いー!大好き!!」
「ちょっ!やめっ!!あんたのだっこは怖いのよおおおお!!落ちる!振り回すなああああああ!!」
この話はこれで終わりです。
少しでも和んでいただければ幸いです!