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【18】新種発見、DO・GE・ZA☆

手違いで更新されてなかったΣ(´Д`;)

慌てて更新!


分かり易いかと思い、今回の内容をサブタイトルに詰め込んでみました☆(´ω`)ノ何か別物になった気がしないでもない。


読了お願いしまーす!

「皿姫っ!?もう動いても大丈夫なの?」

「はい、キア様のおかげです。」


 メアリーさんが一度退出した後、皿姫とメイドのナージャさんを伴って戻ってきた。女王様は溜まっていた執政を片付ける為にもう少し遅れるとの事。それにキュアンとミーちゃんは不満顔だった。


 ・・・イヤ、寧ろもう謝罪は遠慮したい。

 私のシャイでチキンなグラスハートが、いい加減ブロークンしてしまう。


「キア様、申し遅れました、私はこのムーア国の女王の娘、サラ・ディー・ブームラン・ムーアと言います。先日は女王が失礼をしまして大変ご迷惑をお掛け致しました。」


 ををぉい!皿DEブーメラン姫!

 ブロークンするっつってんでしょーが!


「いえ、そろそろ休む時間でしたし、宿代が浮いたとでも思・・・って、宿大丈夫?」


 そういえば全然戻ってないよ。

 宿に入る前に城にワープってな事になったし。


「お前が倒れた後に伝言を頼んだ。城からギルド経由で連絡が入っている筈だ。」

「そ、そっか。」


 相変わらずサラリと有能でございますね、キュアン様。


「えーと・・・じゃあ僕達はこれで帰ります。女王様の謝罪はもういいので。」


 私はそう告げてベッドから降りようとした。


「お待ちくださいっ!」

「えっ?」


 サラ姫の思わぬ力強い引き留めに驚いて私は降りようとベッドに付いていた手を滑らせた。支えが無くなった身体は当然床に転げ落ちる。


___バタンッ!ゴロゴロゴロ・・・


「シャルッ!?」

「シャル殿っ!」


 これには流石の実力派美形達も反応できなかったようだ。

 驚く二人から離れるように私はシーツを体に巻きつけながら床を転がっていった。


 目が・・・目が回る~~~~


「キア様!」

「大丈夫でございますか!?」


 やっと止まった先には美女達の顔。

 恥ずかしさで顔が瞬間湯沸かし器と化した私の頭。


「だ、ダイジョ・・・」


___ビッタン!ビッタン!


 立ち上がろうとした私だったが、実際には撒きついたシーツによって白ミノムシな身体が、床を活魚のように跳ねただけだった。


 ・・・フフフ、新種発見、シャルノムシっちだよっ☆


 とか自分の心を誤魔化そうとしたが駄目だ。

 はーずーかーてぃーっ!!


「・・・くっ」

「・・・ぷっ」

「・・・ふ、ふ、ふ、ふふふふ」

「ぶふっ!」

「・・・くすっ」


 上からミーちゃん、キュアン、皿姫、ナージャさん、メアリーさんである。誰でもいいの・・・誰か私のフォローしておくれ?

 ホラ、一人で出かけた雨の日に、濡れた排水溝の金属製の蓋に滑って転んだ。けれど、周りに笑ってフォローしてくれる知り合いが全くいない。その心境に似ている。

 すぐさま立ち上がってそそくさとその場を去りたいけど、体に巻き付いたシーツがそれを許してはくれない。自力で外すには再度床を転がり戻って行かなくてはならない。しかも転がり終えた先にはあの美形男子二人が居る。・・・羞恥で死ぬ。


 失笑が響く部屋で、新種発見シャルノムシっちは、頭部は白金色、顔面は赤、体部は白というスリーカラーにて、力なく床に横たわったままだった。


___カチャ


「すまぬ。遅れ・・・、キア殿っ!?一体どうなされた!?メアリー、早く助けて差し上げるのじゃ!」

「は、はいっ!」


 私は遅れてきた女王に命令されたメアリーさんに助けられた。

___女王様、素晴らしい御判断に感謝致します。




***




 女王様は私の前で跪いて言った。


「キア殿、どうか我が城に法術師として仕えてくれまいか。」


 行き成りの展開に、キョトンとなる。一国の女王様を跪かせている目の前の事実にも現実味が今ひとつないので頭が状況を分析して行動へ反映するまでに時間が掛かる。


「今はまだ無理だが、国力が安定すればグライド教やオアティスに負けぬくらいの給金を約束しよう。お主が望むのであれば娘のサラを婚約者にしてもよい。よいな?サラ。」

「キア様は私の恩人です。キア様が望まれるのであれば私は喜んでそうなります。」


 ・・・?

 はああぁぁぁ~~~っ!?

 何言ってんの、この女王様&皿姫。


「お断りします。」


 私の明確な意思表示に女王が信じられないという風に顔を挙げた。


「キア様、冒険者という危険な仕事を続けずとも良いのですよ!?」


 メアリーさんも驚いたように声を掛けてくる。

 だーかーらー、私はせっかくチート転生した世界で安定思考など望んでないっての。 この世界を必死に生きている人には本当に悪いが、私にはやりたい事ある。


 ええ、もちろんBLを堪能する事ですが。

 ん?何か問題でも?


「わ、私ではお気に召しませんか?病で痩せてしまったからでしょうか・・・。」

「・・・皿姫、貴方は今でも十分魅力的ですよ。行く行くはこの国一、美しい女性になるんじゃないかと思える程に。」


 私の賛辞に女王とその従者達は頷き、皿姫は頬を染めた。

 そして私の背中を一人の冷たい視線が抉る。・・・プラスされた戸惑い視線の方はきっとミーちゃんだろーなぁ。私のアホさ加減に幻滅・・・は仕方ないけど、何とか嫌わないで頂きたいよ。


「で、でしたら・・・」

「ですが僕はこの先一生妻を娶る気はありません。」


___婿は欲しいがなっ!


 まぁ私のお眼鏡に叶うのならば、性別男限定で『妻』は娶りたいけどねー。この場合は『伴侶』と言う方がいいのかな?ぐふふのふっ!


「・・・それはなぜなのじゃ。」

「僕には僕の思いや考えがあって行動していると言う事です。皿姫の病を治したのも、単に可哀想だという理由です。国に使える等という大業は僕に向いていませんしね。」

「わらわはそうは思わぬ。メアリーへの言葉然り、サラの病を治癒した実力然り、一国の女王であるわらわの威圧にも怯えず、年に似合わぬ度胸もある。」

「か、買い被り過ぎですよ。」


 年の話は持ち出すでないよ!場の雰囲気にあっさり流されてちょっと気取った言い方してるけど、いつもはあえて若作りな話し方してる意味が無い。


 ホントに何っ!?加齢臭って消せないのっ!?

 誰かふぁぶ○ーズ持って来て!

 全身ファブるからっ!(注※人体に向けて使用してはいけません)


「女王様、ならばまずは立ち上がって話して下さい。今の貴方では到底威厳を感じる事などできません。」

「う、ううむ。」


 立ち上がった女王様に、私は尚も言葉を重ねる。


「そして皿姫に呪詛を施した者への処罰はどうなっているのですか?全員皿姫に求婚できる程ムーア国内部で重要な立ち位置にある人物ばかりのようですが。」

「そ、それは・・・」


 女王様はひどく狼狽え始めた。

 そりゃそーだろーね。

 彼女の簡易説明ステータスはこう示している。




*************************

シュガ・ディー・ブームラン・ムーア(38)人族♀女王


ムーア国五代目女王。ムーア国を牛耳る有力一派に手を

焼いている。しかしそれらが居なくては国が成り立たない

のも事実であり、今回の姫の呪い病の状況が露見しなか

った事に一番安堵している。娘が殺されかけたのにこの

事件を貴族への牽制や政治に生かす事ができず、苦悩も

抱いている。現在突然の現れた状況打破の可能性である

『法術師』を取り込めないか画策中。

*************************




 砂糖DEブーメランなんて甘い甘いっ!

 甘い考えの砂糖な女王様だぜぃっ!

 私なんぞ雇っても国がいい方向に変わるわきゃ無いっての。


「国の現状に不安があるから仕える事を拒否しておるのか?」

「・・・そうだと言ったら?」


 おおぅ、こんな策略家のような言葉吐くとは、シャルロード、おにゅしも中々ワルよのぉ。・・・噛んだ。脳内発言なのに。


 だがしかし。

 言っておくが、この試すような言葉の裏には何もない。

 ただ単に利用されてる皿姫が可哀想だとか、早く帰ってリュイに会いに行きたいなーだとか、BL覇道に関係なさそうなこの現状からさっさと逃げ出したいなぁ、とかそんな事しか考えてない。

 ちょっと格好よく流してみただけだったりするんです。


「・・・キア殿が教えてくれた最後の一人。こ奴にて今回の事を露見し、その流れでこの国に巣食う者共を制裁する。その後ならばどうじゃ?」

「無理だろうな。」


 砂糖女王の言葉に返したのはキュアンだった。


 私にゃ政治の事なんか全くよく分からん。

 けども博識・聡明・有能な彼には何か見えてるみたいだ。


 キャー!キュアン様、カッコイィ~!!


 しかし、うまくいかない現状に苛立っている砂糖女王には火に油だったようだ。


「黙れ!キア殿に仕えるだけの一介の剣士如きがわらわを愚弄する気か?」

「・・・・・・別にそんな気は無い。」


 いやああぁぁぁ!!な・ん・て・事をっ!


「女王っ!いけませんっ!キア様は・・・っ」


 メアリーさん、もう遅いよ・・・。


「そっちこそ大好きなキュアンを愚弄するなっ!」

「キ、ア殿・・・!?」

「人の苦言も聞き入れる事の出来ない王の国なんて、端っからからお断りだっ!」

「・・・っ!!」


 砂糖女王は愕然と目を見開いた後、悲しげに眼を伏せたが、怒り心頭な私の視界には入って来なかった。大人の余裕とか理性とかをポーンと軽くどこかに放ってしまった私は、女王に遠慮のない言葉を吐き捨てる。


「もう怒った!今後一切関わらないからっ!!キュアン!ミーちゃん帰ろっ!」

「シャル・・・。」

「うむ、その方が良いであろうな。」


 私はプンプンしながらキュアンとミーちゃんの傍まで行く。クロロフィルンへ移動先を設定してワープを展開しようとした、その時。


「キア様っ!!」


___ドターン!


「ふぎゅっ!」


 ・・・今日は厄日なんだろーか。

 一日にそう何度も床とハグし合う趣味は持ち合わせていない。


「母が・・・女王が本当に申し訳ありませんでしたっ!!」


 ひゃっほい!

 コレってDO・GE・ZAだよね☆


 あ、ああ・・・遂にやってしまった。

 この世界に転生してまだ4日目だとゆーに、女性に、こんな小さな子に土下座させてもーたよ。いや、転生してから長い期間経ってたらいいってもんでもないけど。男女差別はいけないかもだけど。・・・ホラ、倫理的にね?分かるでしょ?


 病み上がりだというのに私を押し倒した挙句、三つ指と額を床に付いて謝る皿姫を目の前に、私は顔を真っ青にした。

病み上がりなのに姫様強し!

皿姫>シャルロード

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