真夜中に思う事…
真夜中に独り音楽を聴きながら空想に更ける。
それは、自分がミュージシャンになって脚光を浴びている姿。
お笑い芸人となり沢山の人を笑わせている姿。
人は誰も皆小さい頃夢を持っていた。
パイロットになりたい。教師になりたい。スポーツ選手になりたい。
人それぞれだ。
しかし大きくなるにつれて夢からは遠ざかり、結局違う仕事に就いている人が大半、特に芸能界は失敗した時のリスクが大きすぎる。失敗したらどうしよう?今まで積み上げてきた物を失う恐怖で結局夢を諦め、無難な仕事に就く。
そんな人が大半ではないだろうか?
自分も、その一人。
自分は、小さい頃から芸能界と言う所に憧れていた。テレビに映り脚光を浴びる芸能人。
輝いて見えた。
家が貧乏で金をろくに貯めれずに、飛び出すように寮のある会社に就職した。
寮なら金が貯められる。
2、3年金を貯めて夢を実現させるための資金を作っる。そして、そこから自分の人生はスタートする。
そう思っていた。
しかし職場で恋に落ちて、出来ちゃった結婚。今はひとつ下の妻と、そろそろ二歳になる息子と生活している。
妻子持ちで、今から芸能人を目指すのは、正直失敗した時妻と子はどうなる?
と考えるとなかなか切り出す事が出来ない。
そうこうしてるうちに夢の事なんか忘れて、今のまま平凡が一番幸せと思ってしまう。
ただ、夜中独り静かな音楽を聴きながら考え事をすると、あの時恋に落ちてなかったら…。夢を追い求めていたら…。
果たして自分はどんな人生を歩んでいたのだろう。
成功していたのか。
失敗していたのか。
今の自分には、もう関係無い事だが、あの時夢を追っていたなら…
と真夜中によく空想してしまうのである。
あのとき夢を追っていたなら…