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転生した悪役令嬢は死亡エンドを逃れたい(あくのが)  作者: 宵宮.


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3/3

乙女ゲームの幕開け

☆前話のあらすじ☆

目覚めると自分がプレイしていた乙女ゲームの主人公に転生していた__!?

鏡から目線を戻すと、漫画のように自分の頬をつねり痛みを感じたあとで、状況を受け入れた……受け入れるしかなかった私は、できる限りの平静を保ち、目の前で私を心配そうに見つめる人物に声をかけた。


青を基調とした清楚なメイド服に、柔らかそうなピンクブロンドの髪。素朴だが可憐な顔立ち。

彼女はレイリスの専属侍女【ミラ・ポミエ】だったはずだ。



「ミラ、ちょっと聞きたいのだけど……」

ゲーム内で見ていたレイリスの口調を真似て恐る恐る呼びかける。

没入しながらプレイしていた甲斐あって、レイリスの口調は自然と記憶に根付いている。違和感はないはずだ。


「… 今って何年だったかしら?」


「え?お嬢様…!?今はXX年ですが……」

一瞬目を丸くしたあと、不安げな様子で私の問いかけに答えるミラ。



壁に掛けられていたカレンダーを見ると、今日は3月20日のようだ。

だとするとレイリスの誕生日からちょうど一週間経っている。

時計も確認すると、午前10時を指していた。



「お嬢様…体調は大丈夫なのですか……?」



私を心配しているミラをなだめようとすると、扉をノックする音がした。



「はい__

私が返事をするのとほぼ同時に、扉が開き高身長の男性が入ってくる。

ブルーがかった長髪を束ね、動きやすそうなシンプルな貴族服を纏う、ハンサムな顔立ちの男性。

この人は…レイリスの兄【リノス・リード】だ。



「レイリス…!大丈夫か?」


急いでここまで来たのか、少し息を切らしながら聞いてくるリノス。

ゲーム内でもリノスはレイリスのことを大切に思っている優しい兄だったな。



そんなことを考えていると、突然目の前に文字が浮かび上がった。

見ると選択肢になっている。どうやら、ゲーム画面に出ていた選択肢が空中に表示されているようだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 設問:何て答えよう?


 (1)「もう大丈夫です!」

 (2)「ご心配ありがとうございます。」

 (3)「何故お兄様がここに?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



私は一瞬考えてから、指で(1)に触れてみる。すると__


「もう大丈夫です!」


驚くことに口から自然と選択肢通りの台詞が出てきた。

不快感は全くなく、普通の会話をしているのと何ら変わらない。

すごい。どういうシステムなんだろう…?

ゲームの世界に来た時点で、もう何が起こってもおかしくないか…



「なら良かった。心配していたんだ。」

リノスが安堵した口調で言う。



ピロン♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 パラメータ上昇:好感度が2上がったよ!


 ★リノス:5→7


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


また空中に文字が浮かび上がる。



そう、「あくのが」には好感度システムがある。

確か最初は全キャラクター5からのスタートだったはず。

ストーリーを進める間に何度も起こる断罪イベントでは、好感度によって裁判の判決が変わる。

イベント毎の関連キャラの好感度が低いと死亡エンドになるから気をつけなきゃ……



そこまで考えて、不安がよぎる。



そういえば、この世界で死ぬとどうなるんだろう……?



ゲームみたいにコンティニューできるのだろうか。それとも__



最悪の場合を考えると、突如大きな不安が襲ってくる。



……とりあえず、死なないようにするしかない。

もしかしたら、死ぬと現実世界に戻れるのかもしれないし…。

前向きに考えよう。



最初の断罪イベントは…確か…リード家全員でティーパーティーに参加する日だ。

それまでに兄2人とレイリスのお父さんの好感度を10以上にしておくことが死亡エンド回避の条件だったはず。



まずはそれまで頑張ってみるしかない。





__こうして、私のリアル乙女ゲームは幕を開けた。

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