表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

イニシエーター

作者: 井伊琴 乃

【プロローグ】


人生で一番学生時代が輝いていたと感じる方はいるだろうか。


少なくとも私はそう感じる。


勉強は常に学年トップ、部活では全国大会出場。生徒会長になるための演説を頼まれたり、級長を三年間務めたりした。

自分の満点の回答を先生がコピーし、それが模範解答としてクラスに配られたこともある。


だが現状は、その輝きとは程遠い。


友人の家に居候し、働けず毎日ゲームをしているニートと化した。

見かねた友人に、そろそろ家を追い出されるところだ。


【優等生崩れについて】


X(旧Twitter)を見ていると、「優等生崩れ」という言葉を見かけた。

直感的に私はこれだと思った。


どうやら優等生の類は、予後があまりよろしくないらしい。


あまり怒られずに育つため、社会に出てから打たれ弱い。(適応障害)

人に馬鹿にされる経験もないため、プライドも高くなる。(気性が荒い、理想主義)


思いっきり私だった。


高校の時の栄光をいつまで経っても引きずり、今でも「本当の私はもっとできる」と思い込んでいる。

「こんなはずじゃない」「今の自分が恥ずかしい」


そんな自己否定や挽回するための理想の高さが判断力を鈍らせ、悪循環へと陥らせる。


まさに今の私ではないか!


と言うのも、今友人の家に居候しているのはIT企業で働く「予定」だったからだ。


大きな企業に勤めて悠々自適な生活を夢見て無一文で地元を飛び出してきたのだ。


今思えばアホの一言に尽きる。


現実は諸事情で鬱が再発し、精神状態的に働くどころの騒ぎじゃなくなり、ゲームに現実逃避し借金で生活費をやりくりしている。


元々あった借金をまずは返すべきだった、他人を頼りにするんじゃなかった、せめて仕事が決まってから出てくるべきだった。


こうやって理想ばかりが大きくなり、現実でやるべき一歩一歩が見えなくなるのが優等生崩れではなかろうか。


すごろくで言うところの「悪いマス」を想定できてないのだ。

恋人と別れて何も手に付かなくなる、交通事故に遭っての突然の出費、仕事で大きなミスをしてしまい鬱になる。

すべてがいいマスで止まればいいのだが、人生はそうも行かない。

今までいいマスでしか止まらなかった「優等生」の栄光が、ここに来て悪影響になるのだ。


【優等生崩れの特徴】


さて、優等生崩れの特徴をまとめてみよう。


①プライドが高い

褒められて育った、怒られなかった

→上手く行かなかった時に他責思考に陥る

→人が離れていく

→孤立

→鬱病になる


②真面目過ぎる

→完璧を求める

→柔軟性がない

→適応障害になる


③行動できない

思考することが得意

→考えすぎる

→様々な可能性について思考を巡らせる

→取捨選択ができなくなる

→行動できなくなる


④努力が続かない

評価されることが目的になっている

→評価されるものしか興味が湧かない

→自分のためになることや、自分の好奇心に沿った行動ができない

→評価されるもので頑張ろうとする

→評価されないときに絶望して挫折する


と言うのが代表的なところか。


いずれも著者は当てはまっているので、幾分書くのがしんどくなってきた。

優等生であったことでこんなにも後の人生に弊害が出てくるとは・・・


さて、当てはまっている項目はあるだろうか。

もしあれば、嘆いているだけでは勿体ないので一緒に解決策を見てみよう。


【解決方法】


①プライドが高い


これは単純だ。

まず「ごめんなさい」と言おう。


分かる。こんなの小学生でも出来る。

だが、なんやかんや言ってからの「ごめんなさい」と、まず()()()()「ごめんなさい」が来るのでは雲泥の差がある。

大切なのは一番最初に「ごめんなさい」と言う事だ。


恥ずかしながら、著者もこれが出来ていないのだ・・・


もし「こんなの馬鹿馬鹿しい」とページを閉じようとした人が居れば、それこそプライドが高くなっている証拠かもしれない。そんな人こそこれからの話をよく聞いてほしい。


何故一言目に「ごめんなさい」が来ないのか。


それは自分が悪い、という自覚がないからだ。


自分が悪いと自覚するまでにタイムラグがある。なんやかんや言って、相手の説明に納得してからやっと謝罪が来てしまうのだ。


謝るには謝っているので、そもそも自分が謝れない人間、という自覚がないのがやっかいなところだ。

「自覚がない」というところに焦点を置いてみよう。


自分が悪いと自覚することは簡単じゃない。その為には複数要素を考慮する必要がある。


こんな曖昧な言葉を使っては分かるものも分からないので、例を用いて説明する。


まず私(優等生崩れ)目線での出来事を説明しよう。(あくまでも例えなので悪しからず)


『父親に殴られた』


うん、暴力はいけない。何があっても。

これでは父親が確かに悪い。


私はきっと、「殴る父親なんて最低だ!」「いきなり殴るなんて怖い!一緒に住めない!」と叫び喚く。


だがここで父親の言い分を聞いてみよう。


『学校にも行かずずっとゲームをしている』

『夕飯の呼びかけにも応じない』

『母親に横暴な態度を取る』

『家事すら手伝わない』


なるほど、父親の我慢が限界に達して起きたことだったのだ。

確かに暴力はいけないが、どちらかと言うと私の方が悪い。


ここでの私の悪事は出来事としては小さいものばかりだ。

だから、自分が悪いと自覚するのが難しくなってしまうわけだ。


だがこれを一つ一つ説明されれば、泣きわめいていた私も「ごめんなさい」と言うだろう。

これが先ほど言った、相手の説明に納得してからやっと謝罪が来てしまう、とう状況だ。


起きてしまったことはしょうがない。

まず相手に責められた時は、訳が分からずともまず「ごめんなさい」と言おう。

とりあえず、相手を不快にさせてしまったことに違いはないのだから、その気持ちに対して謝るのだ。


出来事の良し悪しがどうかは、その後で問うといい。


「ごめんなさい。怒ってるのは○○○のこと?」


一旦自分の考えついた自分のやらかしたこと、が合っているか確認するといい。

いきなり「何のことか分からないから説明して」と伝えてしまうと、「こいつ何か分からず謝ったってこと?」と逆効果になる。

仮に予想した自分の悪事が間違っていても、考えようとしている気持ちは伝わるはずだ。


これが一つ目。

「まず謝る」


これが出来るようになるだけで、やらかす事が多い人も人が離れるということはなくなるはずだ。


②真面目すぎる


この解決はかなり難しい。時間を要することを覚悟しておいてほしい。


自分を人と切り離すことを意識する。


他人がズルをしていても、あの人はあの人、私は私の正しい事をする、という意識を持とう。


自分の完璧はあくまでも自分の中での完璧なのだ。


もし難しいようだったら、人との縁を切ろう。

完全に断ち切るもいいし、少し距離を置くでもいい。



③行動できない


まずは苦手かもしれないが取捨選択をしよう。


取捨選択の仕方としては、他人の評価抜きに、「自分が喜ぶことをする」のだ。


例えば、著者の私は文章を書くのが楽しくて好きだ。だから集中して文章を書きたい。

だったら部屋は綺麗な方がいい。よし、掃除をしよう。

せっかくだったらさっぱりしたらもっと気持ちいいだろう。よし、シャワーも浴びよう。


こういう感じに、自分の楽しい、気持ちいいに繋がると考えて行動すれば、少しはやる気が出て選択も洗練される。


「やるべきこと」と考えると億劫になってしまうのだ。


優等生崩れは「評価されること」が基準になっているため、「人に褒められること」、「人より上のこと」しかやろうとしない傾向がある。


それを打ち壊すためには自分軸で生活する癖をつけよう。


自分を大切に、とよく聞くが、まさにそれだ。


これもなかなか改善は難しいが、毎日一つずつでいい。自分の為になる行動をする。

それを日に日に増やしていこう。


④努力が続かない


これは③の「行動できない」に精通する。


頑張る理由が他人の為にあるからだ。

他人が自分の努力を何とも思っていない素振りがあれば、途端に努力を止めてしまう。


努力は「するもの」ではない。

いつの間にか「している」ものだ。


さて、ここは自己分析の時間になる。

chat GPTに聞くと、明確に自分に向いているものを教えてくれるので手を貸してもらうといい。

chat GPTに手などないが・・・


『私の天職が何か一緒に考えて欲しい。判断に必要な情報があれば聞いてくれ』


chat GPTにはそう聞けばいい。


もし自分だけで考えるとすれば、まず、自分が何をしている時に時間を忘れてしまうか、思い出してみよう。


それが「没頭できるくらい好きなもの」だ。


また、人から褒められたことがあるもの。


さっきは人からの評価を求めるなと言ったので、矛盾しているように感じるかもしれない。

だがこれは、自分の得意なもの、を知る上で重要な判断材料になる。


「好きこそ物の上手なれ」、と逆の発想。上手ならそれが好きかもしれない。


さて、好きな物が見つかったのなら、あとはそれを継続するだけだ。


ここで友人の言葉を借りよう。


「毎日続けなくたっていい。休み休みでもやっていれば継続になる」


そう。三日坊主だとしても、三日やって一週間休んで、また三日やる、というのを繰り返せば、トータルで見れば継続になるのだ。


だから休むのは悪い事じゃない。

無理をせず、自分にあったペースを見つけよう。


三日に一回やる、と決めるもよし、やる気が出た時だけやる、と決めるもよし、一か月続けて休む、と決めるもよしだ。



【あとがき】


いかがだったろうか。


簡単そうで難しい課題ばかりだったように思う。


私も頭では理解しているが、いざ実践になるとまた話が変わってくるのだ。

あとはトライ&エラーを繰り返すしかない。


もし難しいようだったら、自分を変えるより環境を変えた方がいい。


自分に悪影響を及ぼしている人間関係、職場、住居、食事、時間配分を考え直すべきだ。


私も妹に「優等生崩れ」について相談したが、めちゃくちゃな言われようだった。


『中学生の時を思い出して!勉強も部活も頑張って、本当に息抜きでしかゲームしてなかったじゃん!

なのに今はゲームの為に頑張ってる。意味無いよそれ!

それにいつも居るゲームサーバーも人間の底辺の集まりじゃん!みんなニートでゲームばっかり!

三カ月くらいそこから離れた方がいいよ!』


私も見直すところが多そうだ。ありがとう、妹。


ということで、以上が「優等生崩れ」についてのまとめでした。


今後も自分の為になりそうな話題があれば、自分を顧みがてらまとめを投稿したいと思います。


ここまでご愛読ありがとうございました。

ではまた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ