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瞼を閉じれば [1]

第2話「瞼を閉じれば」スタート。

歩果の高校生の頃のお話になります。

 5時間目の英語の授業が億劫だった。


「授業、一緒にフケない?」

「嫌よ。そそのかさないでっ」


 クラスメイト。一応友達とは言ってるけど、親友と言うには程遠い気がしていた。


 榎本玲奈(えのもとれいな)は、あたしの誘いを断った。


 そりゃあそうだ。誘いに乗る=授業をフケる。そんな事をすれば、成績に響くだろう。「フケよう」なんて言っているあたしが間違っているのであって、それなのに玲奈の事を「友達甲斐がない」などと思うのは、彼女にすれば相当理不尽な事だろう。


 分かってはいるのにあからさまに不機嫌を面に出してしまったあたしは、子供の域を抜け出せていなかったという事。


 それも(ずる)い考え方かもしれないけど、こんな風に思わなければ他に逃げ道が見つからないから。


「おや? 朝比奈…どうした?」

「体調悪いから帰ります」


 別に体調なんか悪くない。至って元気なんだけど、メンタルはどんどんトーンダウンしていく。



 府立上高野(かみたかの)高校、通称上高(かみこう)

 この学校は、あたしが通うべき所ではなかったのかもしれない。


 高校生活といえば、青春真っ只中。

 勉強に悩み、スポーツに熱中し、素敵な男子に恋をする。

 そんな当たり前な日常を期待していたというのに、蓋を開けてみれば…?


「朝比奈、俺と付き合ってくれ」

「歩果ちゃん、帰りにお茶でもどう?」


 あ、あ、あ…。

 男子達が本当にウザイ!!

 アンタらなんかどうでもいい。あたしは純粋な恋がしたいの。好きでもない男とお茶なんて、面倒くさいのよ!


 一方で女子達ときたら、これまたウザイ。


「いいわね、選び放題で」

「モテるからって天狗になってんじゃないわよ」


 何それ? あたしがいつ天狗になったの?

 普通がいい。普通に恋をしたいの。

 だけど、そう言えば言う程に反感を買ってしまう。


「お誘いのない私達の身にもなってよ」


 いやいやいやいや、学校の帰りに買い食いばっかしてどんどん横に成長してる自分を、ちゃんと見つめ直してみろよ!


 あ〜、イライラする。


 そして、ただ1人友達と呼んでいた玲奈までがこれだ。


 だけど玲奈は何も悪くない。

 学校をフケるあたしが悪いんだ。

 つまらない英語の授業を聞いてやる気持ちを持てない、我慢の出来ない朝比奈歩果という女が悪いだけなんだ。



「あー! 学校サボってんだ」


 その声に振り向き、一気に目が覚めた。

 そこに居たのは、シュッとした背の高い…くないか。175cmもないかもしれないけど、あたしよりは遥かに背の高いイケメン男子♡


「だ、誰よ? 何で…」

「だって俺、知ってるよ。君の事」


 へ?


 そのイケメン男子♡は、白い歯を見せて笑うと…、


「上高では有名じゃん。俺、君と同じ高校の卒業生だよ」


 まさかの先輩なんだ。

 でも、何であたしなんかに声かけるんだろ?


 イケメン男子♡は尚も笑いながら言った。


「上高野高校のアイドルさんっ! あははは」

「ああっ! もしかして下心?」

「そんなんじゃねぇけど、アイドルにこんなとこで会って、声かけない手はないだろ」

「え? 何何? ナンパ?」

「そういう訳じゃないけど…」


 変に馴れ馴れしくて軽い男だって思ったけど、追求すればもじもじして…うふっ! 何だか可愛い♡


 そんな彼を見てあたしは、ちょっと冗談混じりで言ってみた。


「じゃあ、お茶しに行く? お兄さんの奢りで」


 驚いた彼。

 焦った表情も可愛いかも。


 かくいうあたしも、逆ナンみたいな事してる。

 そう感じながらも、何故かこの人をここで逃してはいけないと思った。


 目の前のイケメン男子を……。

アクセスありがとうございます。

次回、「瞼を閉じれば[2]」

更新は、X または Instagram にて告知致します。

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