【閑話】駄女神は神界を追放される
今回は駄女神が神界を追放される話です。
「三級神トロイ、君は24年前に誤って別人を死なせてしまったな」
「何の事ですか」
「惚けるな。本来死ぬ筈の針野糸緒(♀)と間違えて別人の針野糸緒(♂)を死なせた件だ」
(完全にバレている)
「申し訳ありません」
「謝罪して済む問題ではない。針野糸緒(♀)が死ななければならない理由は何だ」
「同級生の少女に陰湿なイジメを続けて自殺に追い込んだ為です」
「それなのに針野糸緒(♀)はラッキーなハプニングが毎日続いている。誤って死なせてしまった針野糸緒(♂)のアンラッキー数値が針野糸緒(♀)のラッキー数値にプラス加算されているからだ。しかも失態を隠蔽する為に針野糸緒(♂)を異世界に転生させただろう」
「・・・・はい」
「針野糸緒(♀)を針野糸緒(♂)と同じ異世界に転生させて、地獄のような苦しみを与えたまえ」
「分かりました。直ちに針野糸緒(♀)を異世界に転生させます」
「それだけではない。君自身が異世界に赴き、針野糸緒(♀)に不幸を与え、針野糸緒(♂)に幸運を授けたまえ。期間は針野糸緒(♂)と針野糸緒(♀)が生涯を終えるまでだ」
「・・・・嫌です」
「これは命令だ。拒否は認めない」
針野糸緒(♂)は不老のスキルを授かっているので、永久追放同然だった。
(駄目神トロイが神界を追放か。面白くなりそうだな)
堕天使ルシファーは妖しく微笑んだ。