スレイプニルとスフィンクスの正体
今回はスレイプニルとスフィンクスの正体の話です。
「スフィンクス、貴方は堕天使ルシファーでしょう」
「スレイプニル、貴様こそ駄女神トロイだろう」
スフィンクスは堕天使で、スレイプニルは駄女
神だった。
「駄女神って呼ばないでよ」
「貴様こそ堕天使と呼ぶな」
二人は犬猿の仲だった。
「何故スフィンクスに化けてまでニードルスレッドに接近したのよ」
「分かりかった事を聞くなよ。追放された貴様の間抜けな顔を拝む為だ」
「私は追放されてなどいない」
「知らなかったのか。ニードルスレッドはアスプーから状態異常無効と不老のスキルを授かっている。直ぐに死ぬ可能性は低い。貴様はニードルスレッドが死なないと神界に戻れないのだろう」
「ニードルスレッドが状態異常無効で不老?嘘よ。そんな馬鹿な事がある筈ない」
「本当に知らなかったのか」
「・・・・」
「ニードルスレッドを殺すか」
「・・・・そんな事はしない。完全に追放になってしまう。それに不死では無い。そんな事より貴方の本当の目的を教えなさい」
「特に目的など無い。単にニードルスレッドに興味を抱いたからだ」
「ニードルスレッドに興味を抱いたからだと」
「そうだ。良く考えてみろ。ニードルスレッドはラハムとラフムがティアマトとアスプーの子供だと聞かされても養子にしたままだし、神鳥カラドリウスを從魔にしている。そんな人族は普通居ない」
「・・・・不本意だが、それだけは同意する」
「そんな人族を観察するのは面白いと思わないか。神界で退屈な時間を無駄に過ごすより有意義だろうが」
「・・・・一応納得しておこう。ニードルスレッドには私の正体を黙っていなさいよ」
「良かろう。但し貴様も黙っていろよ」
堕天使と駄女神はお互いに黙っているという密約を交わした。