呑み物の怨みは怖い
今回は呑み物の怨みは怖いという話です。
「エルダー盗賊団と名乗る集団がアルコ村を占拠した。村を解放する条件は白金貨300枚を払えという馬鹿馬鹿しい要求だ」
「アルコ村が占拠された」
ギルマスからアルコ村が占拠されたと知らされて、俺は愕然とした。
アルコ村は俺が日本酒の製造と販売を委託している村だ。
酒造所が何らかの被害を受けたら、日本酒が呑めないじゃないか。
(エルダー盗賊団、絶対に赦せない。必ず壊滅させてやる)
俺はエルダー盗賊団の壊滅を決意した。
「エルダー盗賊団、白金貨300枚を持って来た。渡して欲しいなら、全員で此処まで取りに来い」
俺は大声で叫び、盗賊団全員を誘き出した。
「早く渡せ」
大柄な男が近付いて来た。
(コイツが団長か)
【千本麻痺針】
俺は千本の麻痺針を一気に放って、盗賊団全員を瞬時に痺れさせた。
「お前が団長か」
「ち、違う。俺は単なる幹部だ」
「団長は何処に居る」
「多分本拠地に居る」
「本拠地は何処だ」
「俺は知らない」
「嘘を付くな。幹部なら知っている筈だ」
「団長は用心深い。末端の幹部は信用していない。だから教えてくれなかった」
「そうか。それなら幹部のお前が責任を取れ」
幹部を除いた全員をギルマスに引き渡した。
幹部は魔獣の森に空間転移させた。
「幹部さん、日本酒を呑めなくなる行為をするのは万死に値する。散々苦しめてから引き渡してやる」
「ぎゃあああああああ」
幹部は激しい拷問で悶絶させられ、ポーションで回復させられた。
それを飽きるまで何回も繰り返した。
呑み物の怨みは怖い。