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ダンジョン管理事務局広報部によるインタビュー記事2

 今回のダンジョン管理事務局の広報誌の記事は、ヤミールのメリダダンジョン二十階の最速攻略に伴い実現した、ダンジョン管理事務局広報部の名物美人インタビュアー、カティア・モントーレと、ヤミールとのやり取りを録音したものの書き起こしになる。


「さて今回はメリダダンジョンの二十階を最速で攻略した今をときめくシルバーランクの冒険者、「龍槍」ことヤミール様にお越しいただきました。本日はどうぞ宜しくお願いします」

「あっ、ども」

「さて、本日はインタビューに当たって幾つかの質問を用意させていただきました。予め質問内容はご了承いただいてるかと思いますが、大丈夫でしょうか?」

「はい、まぁ」

「あら、緊張なさってますか?」

「……えっと、モントーレさんで良かったんでしたっけ?」

「カティアとお呼び下さい」

「カティアさん、あの、距離がめちゃめちゃ近い気がするんですけど?これが普通なんですか?」

「はい、これが普通です」


 堂々と言い切るカティアだが、ヤミールの膝に彼女の手を置けるほど近くにいる状況でインタビューをする必要は何処にも無いのが明白だった。


 ちなみにカティア・モントーレはマッチョな大男が大好きな独身女性である。(年齢は本人希望により不詳)


 彼女の出身はアルミナダンジョン国では無く、ナランシェ連邦の南端、非常にラテンのノリが強いパラナシル諸島で、その美貌だけでなく賢く才能ある彼女を連邦は放っておく訳もなく、王立アカデミーの留学組としてこの国にやって来た。


 最初のうちは海もなく、開放的な雰囲気が全く無い王立アカデミーの中でホームシックになりかけたが、初めての修練場での戦闘指導の場で、そこに自分達のトレーニングの為に現れた大柄かつマッチョな冒険者候補や実際の冒険者達を見て考えを180度変える。


 それ以来、ラミーとは全く違って積極的にアルミナダンジョン国に残る為に動いた彼女からすれば、ダンジョン管理事務局の広報部の所属で、こうして話題の新進気鋭の冒険者のインタビューを取れる立場は天職と言えた。


 ただ時々こうして仕事よりも趣味を優先するのを止められないのが玉の傷だが。


 こうして彼女の毒牙にかかりそうになりながら、硬派なヤミールは挙動不審になりながらインタビューに答えていく。


「ヤミールさんの冒険者になったきっかけが非常に面白いと話題になってますが?」

「あの、質問に答えるので、俺の膝を人差し指で撫で回すのを止めてもらえますか?えっ、答えたら止める?…分かりました。」

「どんなきっかけでした?」


 押しの強さに諦めるヤミールはカティアの好きにさせながら、インタビューに答える事に集中していく。


「実は俺が当時の仲間と一緒に酒場で、今の冒険者相談窓口の担当者を脅したんだ」

「えっと、その時はどんな事があったの?」

「いや、俺等は金が無かったから、少しでも酒にありつこうとその日の獲物を狙っててアイツが偶々カウンターにいたから囲んだって訳さ」

「それから何があったの?」

「それからは……あんまり細かくは言えないけど、俺等はアイツにギャフンと言わされて何故か名刺まで貰って追い返されたのさ」

「そんな目にあったら、普通、もう二度とその担当者に会いたいなんて思わないんじゃないかしら?」

「うーん、俺は風の噂で聞いた、ここの5大ダンジョンで冒険者になるつもりでこの国にやって来たから、渡りに船だとは思ったね」

「随分と場当たり的な生き方なのね。でも私はそういう子、好きよ」

「カティアさん!!近い近い!!次の質問を!!」

「もう、野暮ね。ではそこから特待生として国営冒険者アカデミーに入学した経緯を教えてもらえるかしら?今の話だとスラムにいたあなたには何の後ろ盾も無く、推薦状なんて貰える立場でも無いはずなのにどうやって入ったのかしら?」

「これも俺の今の担当者が知らない間に俺を試してたらしくて、まんまと推薦状を手にしたって感じだな」

「もう少し詳しく」

「さっきの流れで俺は逃げ帰った後にダンジョン攻略課のアイツのいる窓口に行ったんだ。最初は隠れて本当に職員なのか見てたんだけど、ちゃんとアイツは働いてたからどうしたもんかと思って悩んでたら、向こうからやって来て俺を連れ回して気が付いたら、修練場で二人で立ち合ってた」

「急に闘うなんて、なんて男らしいのかしら」

「耳に息を吹きかけないで!!」

「それから?」

「もう、話せませんよ!!それからはアイツに一方的にやられただけですよ」

「えっ?」


 ヤミールの強さを予め用意していた資料と今まさに身体を触れて把握していたカティアはその言葉に驚いてしまい、ヤミールにほぼほぼ抱きついていた身体を起こして、上手く彼にどかされる。


 不満を言う前に疑問が口をつく。


「どうして?何か仕掛けでもあったの?」

「いや、単に実力差だね。その時から俺の目標はアイツを超える事を誓ったんだ」

「その担当者を随分と買ってるのね?」


 ヤミールはニヤリと笑う。その笑顔に見惚れそうになったカティアは息を止める。


「次にアイツとやり合う時は真の「龍槍」を見せてやるつもりだからね。まぁ、その前にこっちもしっかり強くならないと、戦ってもらえないだろうけどね」









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 ここまで読んでいただいて気にいらなかったら、大変貴重な時間を使わせて本当に申し訳ない。ただそんなあなたにもわざわざここまで読んでいただき、感謝します。

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