出会い
日常よ、どこ行った。
「え………なんの話してんの?」
憑かれやすい普通の女子大生と
「きゃ、キャーーーーーーーーーー!!!!!?」
霊感が強すぎて霊媒師レベルの女子大生と
「わ、私……才能ないから。」
何も視えない神社の娘の
ドタバタ心霊コメディ
桜が咲いている。
風が吹いている。
ある春の日、私、滝島由紀はこの私立星彩学園に入学する。
私立星彩学園は、偏差値が高く、難関大学と名が知れている……つまり。私は難関大学に入れた天才なのだ!
今まで勉強ができない、何もできないとバカにされてきた。
それもそのはず、全て中途半端だったからだ。何をやるにしても、中途半端。そんなの何かできるはずもない。
だが、中途半端をやめ、勉強だけに焦点を当てる事によって、他の事は何も出来ないが、勉強だけはできる。というまぁ充分勝ち組という特性を持つ事ができたのだ。
平凡な家に生まれた、平凡なJKだったけど、今日からは違う。
平凡な家に生まれた、天才なJDなのだ!
点数も結構高かったし、私って才能あるのかも…
由紀はそんな事を考えてから、歩みを進めた。
………否、進めようとした。
「待って!あなた!」
後ろから聞こえた声。
恐らく自分に当てられたものだろう。
そう思い振り返る。
「え、私…?」
「そう!あなた!」
あってたみたい。
そこには茶髪の美人がいた。
なんだよ………美人が私になんの用だ?
「あ……そ、えっと……は!」
そう言って、私に塩を投げてきた。
「え!?な、なに⁉︎やめてよ!」
「あ、ち、違……その…」
少なくともこの調子じゃまともに話せない。
一度落ち着かせなければ。
「だ、大丈夫……怒ってないから、ね?冷静に…」
「こ、来ないでぇ……」
なんなんだ、急に塩を投げたと思ったら、近寄るのを拒むなんて。
どちらにせよ、迷惑極まりない。
時間はあるけど、今逃げなかったらいつ逃げる。
そう考え、すぐに走り出す。
「あ!待って、くださいぃ!」
さっきまで来ないでて言ってたのに…
もう怖い!早く逃げよ!
そうして、私の平凡で平凡じゃない日常(?)が始まったのだった。