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11 ナタリー

注文していたトルマリンの洋服が出来上がり新居も完成した。

それからは慌ただしく荷造りが始まり荷物を新居に運んだ。

家具も全て配置され、あとはナタリー達が新居に行くだけとなった。

新居に行く前に籍を入れる事になりガクガール国に滞在してるアイーシャ女王様をマスカゼ公爵の屋敷に招待をし、それから教会へ向かった。

正装をしている為いつもの倍以上格好良く見えるトルマリンにドキドキするナタリーだった。

教会に着き、以前書いた婚約届けの写しを牧師に渡し、牧師は書かれた日付を確認し原本をトルマリンに渡した。


「では、こちらに記入をお願いします。」


婚姻届けを受け取るトルマリン。


「ナタリー嬢、私と婚姻を結んで頂き誠にありがとうございます。私には名前が有りません。どうぞ妻になる貴女が私の名前を付けてください。」


ナタリーは少し考えてから口を開いた。


「分かりました。今日から貴方をベルデと呼びましょう。」

「ベルデ…。私に一生の名を与えて下さったナタリー様に生涯を誓います。」


跪きナタリーの手を取り手にキスをする。


「トルマリンの原石、名を改めベルデよ。ソナタの名前を王族の名簿に記録しよう。」


アイーシャ女王様が宣言すると侍女の持っていたベルデの生年月日と呼び名が書かれた紙に与えられた名前を書きアイーシャが判を押した。

ベルデは牧師から受け取った婚姻届にナタリーから貰った名前を記入しナタリーに渡した。

ナタリーも名前を書き、承認者欄にアイーシャ女王とナタリーの父が名前を書いた。

無事に婚姻届が受理され教会を出る。


「では妾はこれにてニレーヌと共に砂漠の国へ帰国する。これ、ベルデにアレを。」


アイーシャ女王は侍女から小箱を受け取りベルデに渡した。


「この国で必要となるベルデの印じゃ。」


見事な彫刻が彫られている指輪を渡されたベルデ。


「自分自身で登記を済ませるのじゃ。これは砂漠の国からのお祝いじゃ。ではナタリー嬢、ベルデを末永く宜しく頼む。」

「はい。本日はお越し頂き誠にありがとうございます。」

「うむ。」


こうしてナタリーとベルデは入籍を果たした。

それから二人は新居に移り住んだ。

ナタリーは技術士として働き、ナタリーの父から跡継ぎは弟のジューロだがナタリーが住む土地の管理をベルデに任せたいと言われベルデは資産運用、街の管理等のやり方を執事に教わりながら暮らす事となった。

慌ただしく始まった新生活だったが好きな事も出来て少しずつだけど自分の意見を伝える様になったベルデに嬉しくなるナタリー。

二人は二人なりのペースで距離を詰めて行く筈だった…。


「ベルデ!!」


大きな声を上げながらベルデが居る実務室へ入るナタリー。


「どうしたの?」

「どうしたもこうしたもないでしょう!何故っ貴方がコレを持っているの!!」


物凄い剣幕でナタリーは手に持っていた手紙をベルデに見せた。

それはナタリーが砂漠の国からガクガール国に帰る前にメイドのアリッサにトルマリンに渡して欲しいと託した手紙だったのだ。


「何故って…僕宛てに来た手紙だからだけど…。」

「違うわ!確かに同じ名前宛だけど、これは私がアリッサに私の世話係をしてくれたトルマリンに渡す様頼んだ手紙よ。」

「うん。だからアリッサさんが僕に渡してくれたんだよ。」


気を利かせてベルデの処理していた書類を受け取り実務室から出て行く執事。


「何言ってるの!?」

「いや…ナタリーこそ何を今更言ってるの?」

「は?」

「えっ…?ナタリー…まさか気付いてないの…?」

「何によ!」

「僕がナタリーの世話係をしていたトルマリンなんだけど…。」

「…え…?えぇーー!?」


ナタリーはベルデが自分の世話係をしていたトルマリンだと全く気付いていなかった。

一方ベルデはナタリーは全て承知の上で結婚したものだと思っていたのだ。


「ナタリー、あんまり怒ったり叫んだりしたらお腹の子がビックリするよ。」

「何故言ってくれなかったの?」

「え…聞かれなかったからだけど…。」

「…信じられないっ!私、ずっとトルマリンに会いたかったのにっ!」


ナタリーはベルデを睨んだがベルデはナタリーの言葉を聞いてニコニコしながら立ち上がりナタリーを抱き締めた。


「そうなの?ナタリーはずっと僕に会いたかったの?」

「ちょっ!私、怒ってるのよ!」


ナタリーにキスをしまくるベルデ。


「うんうん。言わなくてごめんね。」

「ちょっとっ…。」

「ナタリー、愛してるよ。」

「っ私はっ!」

「ん?」


キスを止めナタリーを見つめるベルデ。

元々美少年だったベルデは、別人と間違える程成長し今ではナタリー以上にお金を稼いでいる事で男としての自信に満ちていてるし、ナタリーを大切にしてくれている。

時間が経つと共にベルデへの愛情が増していたナタリーはベルデに見つめられ顔を赤くした。


「っ愛情の大きさは負けないわっ!」

「嬉しい…。」


ナタリーに口付けをするベルデ。

二人はこの喧嘩を期に距離を縮め心から愛し愛される夫婦となった。




終わり。


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