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昼休み終了のチャイムが鳴り、すぐにマツリドが教室に入って来た。
そして午前中に行ったテストの5部目だけを返却していく。
「1部から4部は出来て当たり前なので採点はしていません。午後の授業は5部目の間違えを教科書を見ながら自分で正しい答えを導いてください。制限時間は4時まで。終わった者は私に提出し新しい問題を渡しますので解いてください。」
マツリドは教壇の椅子に座り書き物を始めた。
しばらくしてアルゼルが立ち上がりゼムスが立ち上がる。
入学試験の成績優秀者が集まるクラスだけあって続々と提出が済んでいく。
セシル、ティーナ、ナタリーも提出を終え新しいプリントに取り掛かった。
最初のうちはスラスラ解いていたが後半は専門用語が多く何を言っているのか分からなかった。
4時になりマツリドはやっと授業を始めた。
「先程渡したプリントを使います。」
そう言って問い1から丁寧に解説する。
テストの修正が時間内に終わらなかった生徒は貰ったプリントにペンを走らせた。
ついにティーナが解読出来なかった問いに入る。
マツリドは専門用語を黒板に書き訳を書いた。
ティーナ含め生徒は必死に黒板を写しマツリドの話に耳を傾ける。
授業終了のチャイムがなるとマツリドは挨拶をして教室から出て行った。
「マツリド先生の授業初めて受けたけど分かりやすかったわね。」
寮へ帰る道すがらナタリーが言った。
「ええ、これなら何とかついていけそうだわ。」
難しかったはずの後半の問いが全て解説済みになっており読み返すと何となく問題文が分かるようになっていた。
寮につくとアルゼルとターシャが体を密着させながら談話室で勉強をしていた。
何の勉強だ、他所でやってくれと思いながら他の生徒達は先程の授業の復習をしている。
マツリドのスパルタな授業についていくのに必死になっていて月日がかなり進んで居たのに気付かなかったが、マツリドの言葉であと1ヶ月後に学年末試験がある事を思い出した生徒達。
「2学期が始まり次第、席替えをします。当然、学年末試験の成績順です。では1ヶ月後に向け勉強しましょう。」