7
「おはようございます、ティーナ様。」
メイドのエナに起こされティーナは学校へ行く準備をする。
「行ってらっしゃいませ。」
ティーナに鞄を持たせ送り出す。
鞄を受け取り優雅に令嬢らしく登校するティーナ。
Bクラスまでは教室が暗く誰も来ていなかったがAクラスは電気が付いていて何人かの生徒が既に席に着いていたり、お喋りをしていた。
「アルゼル様、さっきの内容分かりました?良かったら後で詳しく教えて下さい☆」
ターシャがクネクネしながらアルゼルに話し掛ける。
「ああ、分かった。」
二人は自分達の世界に入ってしまったのか周りの様子を気にも止めていないようだった。
授業開始のチャイムが鳴ると勢いよく担任のマツリドが教室に入って来た。
そして無言で5部に分かれたプリントの束を配り始める。
「これからテストを行います。制限時間は本日12時まで。1時間毎に10分の休憩を与えます。終わり次第私に提出し提出し終わったら席に戻って制限時間が来るまで適当に過ごして下さい。カンニングはバレるからな。では最後にこれは私個人の趣味で有って成績には一切響かないので安心して欲しい。では始め。」
言うだけ言ってマツリドは書き物を始めた。
すぐに紙がめくられる音、ペンが走る音、時計の秒針の音しか聞こえなくなった。
1部から2部目は初等部、3部目から4部は中等部の内容だったが5部目は他国の文字や古代語で問題文が書かれていて尚かつ最後の問は専門的なものだった。
12時を知らせるチャイムがなる前には殆どの生徒がマツリドに答案用紙を提出していたが、チャイムが鳴るとマツリドは提出していない生徒の答案用紙を回収した。
「では授業を終わります。」
そう言って教室から出て行ったマツリドを見送るとターシャがアルゼルの所へ行き話し掛けた。
「5部目、凄く難しかったですね!ご飯食べながら答え合わせしませんか?」
「ああ、そうしよう。ゼムスはどうする?」
「私は結構です。お二人でどうぞ。」
「えぇー残念…。」
しょんぼりしているターシャを慰めながらアルゼルは教室を出て行った。
「私達もランチに行きましょう。」
セシルがランチに誘い3人は食堂へ向かった。
注文した料理を手に持ちガゼボに座り食事を始める。
「二人共、手応えはありましたか?」
ナタリーが二人に聞いた。
「そうですわね…何とか時間内には終わりましたが不安ですわ。」
「古代語の問を解読するのに手間取ったのと最後の問は難問でしたわ。」
食事をしながらマツリドのテストの話で盛り上がっているとアルゼルとターシャがいちゃつきながら3人の居るガゼボの前を通り過ぎた。
「…あのお二人は親密ですわね。」
「本当に。」
「それは親密に決まっているでしょう?婚約者候補パーティが始まるずっと前から囲われていたのですから。」
セシルの言葉に二人は頷いた。
ナタリーは食後のお茶を飲みながら言う。
「まったく、アルゼル様に心に決めた方がいらっしゃるなら婚約者候補パーティを開催する必要がなかったと思いませんか?王族は基本政略結婚とはいえ王族でも恋愛結婚を禁止しているわけではないでしょう?」
「王族はお相手が優秀な者なら恋愛結婚も認めるでしょうが、優秀か分からない者を婚約者として認める事は出来ないんでしょうね。そもそも王族は知力より財力、影響力を持つ者と縁を結びたいでしょうし。」
セシルがそう言って席を立ち上がると二人も後に続いて席をたつ。




