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11 マツリド

リュークは王宮に居た。

自宅で着替えた時は、こんな派手な正装をしているのは自分だけだと思っていたが会場では馴染んでいた。

人混みが嫌いなリュークは時間まで開放されている庭に居て謁見5分前に会場に戻った。


国王がやって来てアルゼルの廃嫡と退任、そしてゼムスを次期国王と指名した。

リュークは驚くと共にゼムスの行動に感心した。


『彼こそ国王に相応しい。』


一部参加者は動揺していたが恙無く会は終わった。


3学期が始まった。

授業が始まる前にリュークはゼムスと一緒に居た。

ゼムスは飛び級テストを受け終わりリュークと話をしていた。


「黙っていてすみませんでした。」

「謝る必要は有りません。」

「先生が私の担任の先生で良かったです。」

「そうですか。そう言われたのは初めてです。テスト結果は手紙にて報告しますね。」


ゼムスは一礼をしリュークに別れを告げた。

リュークは教員室に戻り、ゼムスの回答用紙をしまいゼムスが受けた内容と同じテストを持って教室に向かった。

挨拶をそこそこにリュークはテストを配りテストを始める。

教室にはアルゼル、ターシャは居なかったが殆どの生徒が貴族であの会場に居た為、居ないことを気に留めていなかった。

リュークは説明の手間が省けるので助かるが、貴族のそこが嫌いだった。

テストが終わりリュークは2時限目を自習とし教員室に戻り採点を始める。


「どうですか、今年は良い奴がいますか?」


学校では完璧な紳士老人を演じるバルームがリュークに聞いてきた。

バルームは持ち越しで来年3年生を担任する為気になるのだろう。


「まだ採点途中ですが…私が見る限り5人は居そうですね。」

「ほう…5人と。毎年0だったのに珍しいですね。」


3時限目が始まりリュークはテストを返していく。

テストを返し終わり、リュークは先程のテストは飛び級テストだと説明し、セシル、ティーナ、ルーカスを放課後に呼び出した。

3人を伴って学園長室に入り学長から小言を言われたが無事、ゼムスを含めた4人が飛び級する事を認められた。

ティーナとルーカスはリュークに一礼し帰ろうとしたがセシルが用事があるとの事で話を聞く為、相談室に向かった。

いつもとは違うセシルを心配しながらリュークはココアを作りセシルに渡した。


「飛び級したくありません。」


そう言われリュークは驚いた。

リュークは何故、飛び級したくないか理由を聞いたがセシルは答えてはくれず飛び級は避けられない事を知り相談室から出ていた。


「マツリド先生。生徒を泣かせてはいけませんよ。」


呆然としているとバルームがやって来た。


「泣かせる?誰を?」

「セシル嬢をですよ。」

「あぁ…。彼女は飛び級が嫌らしいのです。理由は話してはくれませんでしたが…。」

「マツリド先生、まだ分からないのですか?」


バルームに問いかけられたがマツリドは首をかしげる。


「セシル嬢はマツリド先生を好いてるんですよ。ただでさえ、進級したら貴方に会えなくなるのに飛び級したら貴方に会える期間が短くなるんです。そりゃあ飛び級したくないでしょう。」

「…またあなたはそういう事を言う…。セシルさんは私を教師として慕っているので有って…」

「あーお前も石頭だな!もう知らんっ!」


バルームはリュークの頭を叩いて相談室から出て行った。


『セシルさんが異性として私を好いてるなんて有り得ない。リッテル先生の言う事が本当だとしても私の何処が良いのか分からない。』


リュークは考えるのを止め自宅に帰った。

次の日、セシルが授業外授業に出なくなった事以外はいつも通りだった。

何日も補習室に行ったがセシルが来る事は無かった。


「マツリド先生、そろそろ入学、進級準備があるので新しい学級委員を決めて欲しいのですが。あ、一人は男子生徒にしてくださいね。力仕事が有りますから。」


3年生の先生がそう言ってきた。

A組の学級委員はアルゼルとゼムスだったなアルゼルは隣国へいってしまったしゼムスはいつ学校に来るか分からない為、リュークは新しくセシルとルーカスを指名した。

セシルを指名したのは成績順で決めたのも有ったが、きちんと話がしたかったからだ。

ルーカスには別の先生に指示を貰うよう言ってセシルには自分の仕事を手伝ってもらう事にした。


「すまなかった…。」


休憩時間にリュークはセシルに謝った。

理由は分からないが望まない飛び級をさせてしまう事と、飛び級の撤回を学園長に頼んだが認められなかったと話した。

セシルは驚きながらもリュークを許した。


何週間が経ちリュークは、セシルがルーカスとデートをしていたと言う噂を聞いた。


「リッテル先生、前言ってましたよね?セシルさんは私を好いていると。やっぱり違ったじゃないですか。」

「マツリド先生がぼやぼやしているからルーカス君と仲良くする事に決めたんじゃないんですかねぇ?」

「…まあ今となってはどうでも良いですけど。」


そうは言ったが心は穏やかではなかった。

それが何故だが分からないまま入学、進級の準備が終わった。

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