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4 マツリド

2学期になり恒例行事のダンスパーティの日になった。

去年と同じ様に開催宣言だけ出て後は奥庭で過ごそうとしていたリュークだったが同じクラス委員のバーバラ令嬢に引き止められた。


「リューク、私と一緒に踊ってくれる?」

「え…私と?何故ですか?」

「何故って…踊りたいからよ。」


リュークはバーバラに言われ仕方なく一曲踊った。


「リュークはまだ誰ともネクタイピンを交換していないのね。」

「えぇ。そうです。」

「…実は私も。」

「そうなんですか。」

「夜にもう一度踊ってくれる?」

「え…まぁ良いですけど…。」

「約束よ?」

「分かりました。」


ダンスが終わり一礼をしてリュークは会場を出ようとした所でフォースが令嬢達に囲まれているのを見た。


「リューク!待ってよ!俺も行く!」


令嬢達にそういう事だからと謝りながら急ぎ足でリュークの元へやって来た。


「やー本当に助かったわ。」

「踊ってあげれば良かったじゃないか。」

「やだよ。面倒臭い。一人踊ったらまた一人ってきりがねーよ。」

「ふーん。じゃあ俺はここで。」

「ちょっと待てよ。お前何処に行くんだよ。」

「…図書室行って奥庭に行くけど。」

「俺も一緒に行く。」

「はぁ?何でだよ。」

「俺を一人にするな。友達だろ?」

「…いつ俺とお前が友達になったんだよ…。」

「あ?お前、俺とはタメ口、それ以外の奴には敬語だろ?親しい証拠じゃん。」


そう指摘されリュークはため息をついた。


「…勝手にしろ。」


呆れ半分、嬉しさ半分で図書室に向かい、じっくり本を選び奥庭へ行くリューク。

フォースも何か本を借りたらしく大人しくリュークの後に着いていく。


「奥庭ってこんなんなってたのか。」


フォースは奥庭の存在を知ってはいたが一度も来た事が無かったようで奥庭を見て感動していたが、リュークは無視してベンチに座った。

少ししてフォースがリュークの隣に座った。


「さっきバーバラ嬢と踊ってたな。」

「ああ。」

「お前の事好きらしいぞ。」

「そんなわけないだろ。」

「さっき女子がそう言ってんの聞いた。」


どうやら同じクラス委員で同じ仕事をするうちにリュークの事を好きなったらしい。


「ネクタイピン交換するのか?」

「しない。」


リュークはフォースの問にすぐ返事を返した。

フォースはそれ以上何も聞かず本を読み始めた。

お昼になり昼食を取りに行く二人。

夜まで時間を潰しバーバラとの約束を守る為、会場に向かった。

そして何故かフォースも一緒に来た。


「バーバラ嬢、お待たせしました。」

「大丈夫よ。」


リュークはバーバラに手を差し伸べダンスを踊った。

フォースは踊らないと言っていたが女子生徒と踊っていた。


「約束を守ってくれてありがとう。」


顔を赤く染めながらリュークにお礼を言う。

それを見てフォースが言っていたバーバラが自分の事が好きだと言うのは本当なのかと思ったリューク。

一曲が終わりお辞儀をしてリュークはさっさと空いているテーブルに座ると同じく踊り終わったフォースが食べ物を持ってやって来た。


「あー疲れた。」

「お前、誰とも踊らないって言ってたのに踊っていたな。意中の人からのお誘いだったのか?」

「そんなんじゃねーよ。王族のお姫様からの誘いだったんだよ。断われないだろ。」


リュークは確かにと思いそれ以上言わなかった。

二人にとって面倒臭いダンスパーティが終わりそれぞれ自宅に帰るとニヤニヤしながらブランカとバルームが待っていた。


「リューク見たぞ。バーバラ嬢と踊ってたな。」

「リュークにとってバーバラ嬢か良い人なの?」

「…そんなんじゃないよ。」

「あら…そうなの?」


リュークの答えに残念そうにブランカが言った。


「お前は他人に興味がないからなぁ…。まあまだ若いし焦らなくても良いだろう。俺とブランカが出会ったのも専門学部の時だったしな。」


バルームはリュークの頭を撫でた。

ダンスパーティが終わり、それぞれの進路に向かい始めた。

リュークには必要ないと分かっていてもブランカは時間が許す限り勉強を見てくれたし、バルームは気晴らしに街に良く連れて行ってくれた。

そして日が進み進学テストが始まり就職テストも始まった。

リュークは無事、総合学部へ進学が決まりフォースは騎士になれる事が決まった。

二人はお互いに喜びお祝いの食事会をした。


「めでたい事だとは分かるが、なかなか会えなくなるな。」


フォースが寂しげに言った。


「そうだな。まあ仕方無いだろ。」

「俺が休日の時は絶対に遊ぼうな!」

「嫌だよ。」

「おいっ!そこは良いよだろ!」

「嫌って言ったって、どうせお前押しかけてくるんだろ。」


リュークからその言葉を聞き笑うフォース。


「良くお分かりで!」


フォースは今まで自分の周りにはイグニシ公爵子息として見る友人しかおらず、リュークがフォースを一個人として接してくれたのが嬉しかったと照れながら言った。

リュークも高等部1年の時の出来事を話し、飛び級生だからと特別扱いしないフォースの存在が有り難かったと言った。

フォースはリュークの背中をバシバシ叩いて照れ隠しをしリュークは恥ずかしそうに笑った。


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