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3 マツリド

11歳にして飛び級し高等部3年生になったリューク。

周りは16歳になるクラスメイト達。

皆、適当に挨拶を終わらせる。


「お前、頭いいんだってな!」

「…?フォース・イグニシ君だっけ…。まぁ…そう言われてますね。」

「あぁ年下だからって敬語使わなくて良いって!同じクラスメイトだしなっ!」


話し掛けてきたのは国王の宰相の息子であるフォース・イグニシだった。

はっきり言ってリュークの一番嫌いなタイプだ。


「なんの用?」

「へ?用なんてないぜ。飛び級した奴が珍しくて話し掛けただけ。」

「そう。」


授業が終わっている事もあり、リュークは図書室に向かって歩き出したが何とフォースもついてくるではないか。


「…何?まだ何か用が有るんですか?」

「有るっ!」

「な、何…?」

「さっきの宿題教えて欲しい!」

「…良いけど…。」


図書室で宿題を始める二人。

リュークはすぐに終わらせたがフォースはペンが止まっていた。


「…何処か分からないの?」

「んーここ。バルーム先生の問題はいつも難しいんだよ。2年の時のテストも散々だった。」


バルームは去年2年A組を担当していて今は持ち上がりで3年A組を担任している。

つまりフォースは去年もA組に在籍していたのだ。


「…去年も今年もA組だったらフォース君は頭が良いんじゃ…。」

「お前なぁ席順見たか?俺は後ろから5番目。A組在籍もギリギリだったんだよ。」


他人に興味が無かったので、そうなのか位にしか思っていなかったリュークはフォースの宿題を手伝った。


「ありがとなっ!マジで助かった!」

「あぁ…うん。どういたしまして。」


教えている内にフォースは頭が悪いわけではなくバルームの勘違いしそうな問題が苦手なだけだと分かった。

現に少し教えただけでスラスラ問題を解き始めたのだ。

リュークは宿題をしまい本を読む。

そして閉館時間となり寮へ戻った。


「お帰りなさい。」


ブランカが何かを書きながらリュークに言った。


「何書いてるの?」

「あぁ、これは未来を想像してこんなのあったら便利だなーとかそんなのを書いてるの。」

「見せて?」

「勿論いいわよ。」


見せてもらった紙には今の最新技術をその先にまで進化させた後の想像図が書かれていた。


「凄い…。これ皆ブランカ先生が書いたの?」

「ふふっ。そうよ。専門学の未来学ではもっと凄い事を考えてたクラスメイト達が居たわ。」

「…未来学?」


ブランカは未来学とは工化学と似たりよったりだが、工化学は今の技術をどの様に進化させるのかを学び未来学では最新技術を元にどの様な物を発明し世界に発信するかを考え学ぶ学科だと言った。


「別名発明学とも言われてるわ。あまり進学する人達は居なかったけど楽しかったのよ。よく工化学の人達と合同授業をやったの。そこでよくペアになったのがバルームなんだけどね。」


どんどん惚気話になっていくブランカだったが、帰って来たバルームに夕食の催促をされ準備を始めた。


「そうだ。リューク、お前進路は決めたのか?」

「進路?」

「進学したいとか就職したいとか両親の跡を継ぎたいとかないのか?」

「んー今の所はないかな。」

「じゃあ何がしたい?」


バルームとの会話にブランカが入って来た。

バルームは3年の2学期の終わり頃に進学テストが有り進学するならそのテストに合格しないといけないと話した。


「本が読みたい。まだ学校の図書室の本読み終わって居ないんだ。」


それを聞いたブランカとバルームは笑った。


「そりゃあ人生の半分を学校で過ごさないと読み終わらないな。」

「そうね。第一図書室と第二図書室があるから全部読み終わる頃にはお爺さんになってるかもしれないわ。」


バルームは、残念な事に学校は生徒以外の部外者は教員の家族寮に住む者以外認められて居ないので学校の本が読みたいなら教員になるしかないと話した。


「なら教師になる。」

「!?リューク、本気で言ってるのか?」

「うん。だって他にやりたい事ないし。両親の跡を継ぎたいって思わないし。」

「そうか。よし、なら応援しよう。まあお前なら大丈夫だろうがな。」


こうしてリュークは教員になる為に総合学科へ進学する事を決めた。


2学期になり、3年生の初日に宿題を教えた事が切っ掛けで何故かフォースに懐かれたリュークは今日もまたフォースと一緒に居た。


「リュークは先生になるのか。お前教え方上手いし良い先生になるよ。能面じゃなければな。」

「別に勉強を教えるのに表情はいらないでしょ?」

「まあそうだろうけど…生徒に好かれたいとか思わねーの?」

「全然思わない。僕は学校の図書室にある本を読めればそれで良いんだ。…そんな事よりフォース君はお父さんに騎士になる事言ったの?」

「言ったよ。俺んち下に弟と妹が居るから跡継いでも継がなくてもどっちでも良いってさ。」

「ふーん。随分すんなり認めて貰えたんだね。」

「あぁ、俺馬鹿だからな。」


フォースの弟は現来年高等部に入学するそうで頭の出来がとても良いらしい。

妹は4歳で頭が良いのか悪いのか分からないが教えた事を飲み込むのが早いから多分頭が良いだろうとフォースは言った。


「妹さん今4歳なの?随分年が離れてるんだね。」

「まあな。お陰で俺んちの母親死んだけどな。」

「え…それは…ごめん。」

「いーって!気にすんな!命を懸けて妹産んで死んだ母親に変わって俺と弟が可愛がってるし。」


本当に気にしていないようでフォースは妹の可愛さ自慢を始めた。


「で、だからいつも泣かせてる。」

「ちょっと待て…。何故可愛がっている妹を泣かせるんだよ。」

「え、面白いから。」

「お前…小さい子には優しくしろよ…。」

「だから優しくしてるって。」


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