6 セシル
パーティが終わり自宅に戻ったセシルは寝ていた所を深夜に帰って来た兄二人に叩き起こされた。
「ずっと一緒に居た奴は誰だ!」
「セシル、良い人が居るならお兄様に紹介しないと駄目だろう!?」
「…お兄様達、今何時だと思って?」
セシルの言葉に時計を探し時間を確認する二人。
「3時だな!」
「3時だね。」
「そうですね。3時過ぎですね。私は眠いのでまだ寝ていたいのですが?」
「フォース様っ!ウィット様っ!何故こんな時間にセシル様のお部屋にいらっしゃるのですか!!」
「やべっ!ウィット行くぞっ!」
乳母の声が聞こえフォースは嫌がるウィットを引きずってセシルの部屋から退散した。
乳母がやって来てセシルの部屋の明かりを消した。
次の日、お昼頃業者が来てセシルの部屋に鍵を取り付けていた。
「で、あいつは誰なんだ?」
乳母にも父にも怒られた二人は仕事を休んでまでセシルにルーカスの事を聞いて来た。
セシルはただの友達だと話し、そんな事を聞く為に仕事を休むなと言った。
「本当に友達なんだな?ネクタイピン交換し合ってないな?」
「ないわよ。」
「よしっ!腹痛も収まったし仕事に行くか。」
「そうだね。俺は頭痛が良くなったみたいだから仕事に行ってくるよ。」
二人はそう言って仕事に向かった。
面倒臭い兄二人の姿が無い事を確認し学校の寮に戻る事にした。
まだティーナもナタリーも寮に戻っていないのか、いつものガゼボに居なかった。
セシルは暇つぶしに持って来た未来学の本を詠み始める。
暫く読んでいたが噴水の音が心地よくうたた寝をしてしまうセシル。
「おーいっ!風邪引くぞー!」
目を擦りながら目を開けるとルーカスがセシルを起していた。
「…あぁ…寝ちゃってた。」
「この時期、暖かいからな。気持ちは分かる。でもここで寝てたら風邪引くぞ?進級早々風邪引いて俺を一人にしないでくれよな!」
セシルはクスクス笑い、ルーカスと別れ寮へと戻った。
それから数日が経ち、ナタリーとティーナが合流した。
ナタリーには戴冠式の後の事を責められ、ティーナからは本人はそんなつもりはないと言ったが惚気話を聞かされた。
そして迎えた進級式。
ゼムス不在の為セシル、ティーナ、ルーカスの3人は3年生の教室に向かった。
1年生の時と違い名前の順で席が割り振られていた。
着席して先生が来るのを待っているとチャイムが鳴ってから5分後にお年寄りが教室に入って来た。
「はい、皆さんおはようございます。今日から1年間担任をしますバルーム・リッテルです。」
リッテルは達筆な文字で自分の名前を書いた。
「さて、このクラスには持ち上がりの生徒と繰り上がりの生徒、そして飛び級した生徒がいますので名前の順で自己紹介をお願いします。」
リッテルは椅子に座り自己紹介の様子をニコニコと見ていた。
最後の生徒が自己紹介を終えると1学期の行事日程を配った。
「今月は大きなイベントがないので説明する事は有りません。来月5月の始めに適性テストを行います。次の週は各科目のテストを行います。6月頭には進路相談日となっており、7月に三者面談が有ります。この1学期は君達にとって大事な時期になります。…はい、では話を終わりにします。」
チャイムが鳴り、ゆっくりと教室から出て行ったリッテル。
「お爺ちゃん先生で良かったなー!」
ルーカスがセシルの席に行き話し掛ける。
「ねぇ時間割表見た?」
1学期のイベント日程の他に1週間の時間割が書かれたプリントを出してティーナが二人に聞いた。
その時間割は5時限目までしか書いていなかったが朝の1時限目と2時限目以外は全て自習となっていた。
「それで5月中旬にはテストでしょ?この時間割で何をテストするんだろう?」
「さぁ?私には分からないわ。」
「まっ!何とかなるだろ!」
学校が終わりガゼボでナタリーを待っていると、暫くしてからナタリーがやって来た。
「お疲れー!ナタリー新しいクラスはどうだった?」
「まぁ同じ顔触れよ。って言うか!これ見て!」
ナタリーは1ヶ月の時間割を見せた。
「うわー…凄いね…。これならマツリド先生の時間割の方がマシだわ…。」
ナタリーの見せた時間割は朝8時から夜7時までの授業で一コマ50分の10分休憩、お昼休み1時間の鬼畜時間割だった。
ティーナは3年の時間割を見せるとナタリーは心底羨ましそうにしていた。
「…2年生で全て学び終える時間割にして3年は進学とか就職活動が有るから、こういう時間割なのかしら?」




