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3学期が始まる前日。

ティーナの寮の部屋はジャングルの様になっていた。

散歩から帰って来たティーナは唖然とする。


「…これはどういった事なの?」

「ゼムス様からの贈り物です。」

「…この葉っぱは何?」

「アイビーという植物だそうです。」


エナからどうぞとメッセージカードを渡されたティーナはため息をついた。


「…少し残して後は実家へ送ってくれる?これじゃ生活が出来ないわ。」

「かしこまりました。」


エナは片付ける為、ティーナにもう一度外出して欲しいと頼みティーナは再度、散歩に出掛けた。

時間が経って寮に帰るとジャングルからティーナの部屋に戻っていた。

アイビーは少しだけ鉢に植えられ窓際に置かれていた。


「エナ、ありがとう。」

「いいえ。さて夕食の支度を致しますので、湯船にお入りください。」


ティーナはエナの言う通りお風呂場に向かうとそこにもアイビーが飾られていた。


「全く…ゼムスは何を考えているか分からないわ。」


温かい湯船に浸かり、エナの作った夕食を食べる。

学校の準備の再確認をし眠りにつくティーナだった。


次の日、3学期が始まった。

マツリドは学年末に入る前に言っていたテストを行った。

そして採点の為、2時間目を自由時間とした。


「あの子達はターシャが欠席したり、ゼムス様が休み続けてる理由を知ってるのかしら?」


ナタリーがあまりにもいつも通りの日常にセシルに聞いた。


「知っているんじゃない?校内に売店はあるし、そこに新聞が売っているし。」

「じゃあ何で騒がないのかしら?」

「そんなの自分達には関係ないからでしょう。」


セシルはボロボロの本を丁寧に扱い読みながら答えた。

それに気付いたティーナはセシルに聞いた。


「セシル、その本は何?随分ボロボロだけど…」

「これはマツリド先生が貸してくださったの。」

「そんなボロボロの本を?」

「えぇ。とても面白い本よ。」

「…ふーん?」

「あっセシル、パーティの時マツリド先生と一緒に居たでしょ?何話してたの?」


ティーナがそう言うとセシルは少し顔を赤くし読んでいた本を閉じた。


「ナタリーやティーナが期待する様な会話はしていないわ。ちょっと専門的な話をしていただけよ。」

「ふーん…ちょっと専門的な話をしていただけねぇ?」

「なっ…ナタリー、何が言いたいの?」

「別にぃ?とってもいい雰囲気だったから気になっただけよ〜?」

「もうっ!何かあったら貴女達に言ってるわよ!」

「セシル、約束だよ?」


ティーナが小指を出しセシルは指切りをする。

2時限目終了のベルが鳴り、3人は外に居たので教室に戻った。

3時限目の授業開始のベルが鳴るとマツリドは勢い良く教室に入って来た。


「1時限目に行ったテストを返却する。」


そう言ってテストを返却するマツリド。


「では、これから重要な話をするので良く聞くように。」


マツリドは1時限目に行ったテストは飛び級テストである事と95点以上の者は飛び級テストの合格者で有る事を伝えた。

そして合格者は放課後、教員室へ来る様にと言って授業を始めた。


放課後になり、セシル、ティーナそしてルーカスという男子がマツリドの元へ訪れた。


「ああ、来たか。よろしい、では付いてきなさい。」


そう言ってマツリドは学長室へ生徒を連れて行った。

学長室のドアをノックすると入りなさいと言われ、マツリドはその言葉に従った。


「うむうむ…。君達が飛び級合格者だね…。今年は4人か…随分多いんじゃないのかな?」


ティーナは学長の飛び級は4人と聞いて頭にハテナマークが浮かびセシルを見たがセシルは首を小さく振った。


「今年は優秀な生徒達が多く、これでも例年より難しくして絞ったんですよ。」

「うむうむ…そうかそうか…。まあマツリド先生が言うなら間違いないだろうね。では…ティーナ・ロレッタ、こちらへ。」


ティーナはそう言われ学長の机の前に行くと学長が立ち上がりティーナに1枚の紙を渡した。

ティーナが受け取るとセシルが呼ばれルーカスも呼ばれた。


「進級おめでとう。来年度から君達は3年生になります。飛び級したからと言って勉学を疎かにしないように。」


学長から手渡されたのは飛び級を認める賞状だった。

マツリドは学長に一礼し学長室から退室した。


「先生?先程、学長が4人と仰っしゃって居ましたがあと一人は何処ですか?」

「ゼムスだ。4人共良くやった。担任として誇らしく思う。さ、帰ってよろしい。」


ティーナとルーカスは言われた通り帰ろうとするがセシルは、まだマツリド先生に用事が有るからと教員室に残った。


「あのテストが飛び級テストだったなんてねー。知ってればもっと勉強したのになぁ…。」


仲良し3人組の中で唯一、飛び級出来なかったナタリーは悔しそうに言った。


「仕方ないよ。今年は難しくしたって言ってたわ。」

「やっぱ天才には勝てないなぁ…。」


そんな事を話しながらお茶をしているとセシルがテーブルに鞄を勢い良く置き座った。


「…セシル?」


普段、あまり表情を出さないセシルだが二人はこの行動でセシルがとてつもなく怒っていると感じた。

ナタリーが気を使わしげにセシルに話し掛けるとセシルはナタリーを睨み付けた。


「ナタリー、私と変わって。」

「ひぃっっ!?な…何を…?」

「私と飛び級変わって!!」

「セシル、セシル。それは無理だよ。」


ティーナがセシルを落ち着かせる。


「嫌っ!変わってよ!」


セシルはナタリーの肩を強く揺さぶる。


「ちょっとセシル!落ち着いて!ナタリーが天国へ言ってしまうわっ!」


セシルは、はっとしてナタリーを揺さぶるの止めた。

ナタリーは天国へ片足を突っ込みそうになりながらセシルに聞いた。


「…どうしたの…アンタがそんな分からない事言うなんて…。」


セシルは今度は涙目になりながら教員室での出来事を話した。


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