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「お嬢様、お父様からお手紙が届いております。」
ある日、寮に戻るとエナがティーナに手紙を渡した。
ティーナは見て見ぬ振りをしたがエナがそれを許さなかった。
渋々手紙を見ると来る20日、王宮が侯爵以上の爵位を持つ者が絶対参加となるパーティが行われるので参加する準備の為、戻って来るようにと書いてあった。
ティーナはため息をついてエナに帰省する話をすると驚いたことに荷造りはとっくに終わっていた。
「ティーナ、お帰りなさい。」
母親が穏やかに出迎えてくれた。
そして隣には気まずそうに父親が経っていた。
「ドレスを新調しにサマー・マザーの所に明後日行きますよ。」
「分かりました。」
ティーナはそう言って自室へ戻る。
次の日、ティーナは父親の元を訪ねた。
「お父様、今何が起こっているか教えてくださいますか?」
ティーナが直球の質問をしたが父親は何も教えてくれなかった。
ティーナは黙って父親の部屋を後にした。
次の日、ティーナは母親とサマー・マザーのお店に来ていた。
「ようこそお出で下さいました。本来ならこちらが伺わなければいけないのに人が足りないもので…申し訳ないですわ。」
明るい紫色のパンチパーマをした鍛えられた筋肉がハッキリ分かる洋服を来たサマー・マザーは申し訳なさそうに個室へ案内をした。
「構いませんわ。急にパーティが開かれる事になったんですもの。」
サマーは母親と世間話しながらテキパキと宝石からドレス、靴を用意した。
「では、お嬢様試着してくださる?」
「え?」
ティーナは何故か既に出来上がっているドレスを試着する事になった。
「お母様、これを着て行くのですか?」
「うーん、ちょっと手直ししないとサイズが合わないわね…。」
ティーナとは違い布から作るつもりの母親は別のデザイナーと話をしていてティーナの話を聞いていない。
サマーがティーナの体型にドレスを合わせていく。
「これで良いわね。じゃあ、これを着けてみて。当日の髪型も決めちゃたいから。」
ティーナは母親に話し掛けるのを諦めてサマーの言う通りにした。
「うんうん、靴のサイズはピッタリね。さてティアラとネックレス、イヤリングを着けて…うーん完璧っ!!そうね髪型はイヤリングを目立たせる為にアップしにして…編み込んで見ましょうか…うんうん。余計な装飾はいらないわね。」
サマーはティーナの髪の毛を弄るだけ弄ってデッサンする。
そのデッサンした用紙をティーナのメイドに渡した。
「はい、アナタはこれでおしまいよ。」
早々に暇になったティーナは母親にカフェで待ってると言ってサマー・マザーのお店を後にした。
カフェでケーキとカフェオレを注文し天気が良いので2階のテラス席へ座った。
「あら?アンタも買い物?一人?」
そこにはターシャが座っていた。
ティーナは嫌な奴に会ったなと思いながら笑顔で答えた。
「えぇ、お買い物ですわ。もう終わってお母様を待ちながら休憩をしている所ですわ。」
「…ふーん。私はアルゼルと買い物に来てるの。アルゼルから聞いたわ。アンタ、アルゼルの婚約者候補辞退して役立たずの第二王子の婚約者になったって。」
「そうですか。」
「アンタ、頭はいいクセに馬鹿よねー!第一王子の婚約者になれば一生働かないで贅沢な暮らしが約束されてるのに。」
ターシャはティーナを馬鹿にしながらパフェを食べる。
「ターシャ、待たせたね。…おや…君も居たのか。」
「第一王子、御機嫌よう。ターシャ様とのお時間にお邪魔してしまい申し訳ございません。」
「いや、構わない。」
素っ気無い態度でティーナとの会話を終わらせ、ターシャに話し掛けるアルゼル。
「ターシャに似合う宝石を見付けてね。パーティ当日、付けてくれると嬉しい。」
「勿論ですわ。アルゼル様が選んだドレスでアルゼル様が選んだ宝石を付けてパーティに参加するのが楽しみですわ。」
ティーナは、なるべく早くケーキを食べカフェオレを流し込む様に飲み、さっさとカフェを後にし、諦めてサマー・マザーに戻った。
「丁度いいタイミングね。」
サマーと従業員に見送られた二人は屋敷に戻った。




