17
「ね?聞けば聞く程馬鹿らしくない?何?可哀想だからって!お前がターシャを優先するあまり放置された私は可哀想じゃないんかい!…と突っ込みたかったわ。」
話を聞き終わった二人はアルゼルの馬鹿さを再度思い知った。
「でもさっ精神的に落ち着くまでって事はいつまでも一緒に居るつもりはないってことじゃない?」
「そう…ならティーナが婚約者になって支えてあげたらどうかしら?ターシャが落ち着くまで何年掛かるか分からないけど。」
ティーナは絶対嫌と言ってナタリーに謝った。
「1度破棄された婚約は絶対に覆されないわ。だから私はのんびり傍観してるわ。」
「…じゃあ第一次婚約者候補パーティに行ったのは…」
「数合わせと暇つぶしとあなた達に会うためよ。」
「ナタリー!!」
ティーナがナタリーに抱きつきナタリーが慌て、そんな二人を穏やかに見るセシル。
「と言う事でティーナ、ガンバッ☆」
何とかティーナから離れたナタリーはティーナの肩を叩いて応援をしたが何にも嬉しくないティーナだった。
二人と別れ自宅に戻ったティーナは珍しく父親に呼び出された。
「おとう…パピーどうしたのー?」
「ティーナ〜ッ!パピーは、やっと領地から帰ってきたんだよ〜!」
誰にも見せられないような顔でティーナを抱き締めクルクル回る。
「…ふぅ。…コホンッ。ティーナそこに座りなさい。」
真剣な顔をしてティーナを椅子に座らせ2通の手紙を見せた。
両方とも王宮からの手紙だった。
「ティーナ宛だったが中身は見させてもらった。ティーナ、ここで読みなさい。」
父親に言われ、最初に出された1通目に目を通した。
それはティーナが第一王子アルゼルの最終婚約者候補に正式に選ばれた事、候補者並びにアルゼルとの顔合わせがあるパーティの日付が書かれており、そのパーティの招待状が入っていた。
ティーナは全て封筒の中へしまい2通目に目を通した。
「!?…お父様これって…」
2通目は第二王子ゼムスの婚約者内定の知らせだった。
ゼムスはアルゼルと違い婚約者候補のパーティは一切開いておらず、たまに兄アルゼルの候補者パーティに顔を出す位しかしていなかった為、令嬢達は望み薄なアルゼルよりゼムスの婚約者の座を競っている。
まさに肉食系令嬢なら誰もが欲しがる席がティーナに降って湧いてきたのだ。
「お前に任せる。」
「…でも…。」
「…ちなみに…だが…まあ見れば分かると思うが…あー…第二王子の方は内定としているだけであって…あー…返事の期限はないわけだが…。お前が決めなさい。」
そう言って父親はティーナを部屋に戻した。
部屋に戻ったティーナは、父親はアルゼルよりもゼムスと結婚して欲しいのだと感じた。
ティーナは同じ政略結婚でも気心しれたゼムスの方がマシと考えアルゼルの招待状には丁寧なお断り文と欠席に丸を付け送るだけにしておき、母親に相談しに行った。
「ティーナがそれで良いと思うならそうしなさい。ただね、覚えておきなさい。私達は貴女が王族に嫁がなくても困らないのよ。私は、貴女が心から愛する人と結婚してくれればそれでいいの。」
母親からの言葉でティーナは心を決めアルゼルに先程の手紙を送った。
ゼムスには何故自分なのかという主旨の手紙を書き送った。




