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〜時は学期末テストが返却された時に遡る。
最後の科目にあまり自信がなかったセシルだったが95点と言う点数を叩き出した。
1番最後の解説問題の解答に花丸がしてあり、マツリドの字で《大変分かりやすく解説が書かれています(^^)》と書かれいのに気付いたセシルはマツリドと解答用紙を2度見する。
マツリドが皆を軽く褒め教室から出て行こうとした時、セシルはマツリドが笑顔だったのに気が付き心が温かくなるを感じた。
ティーナ、ナタリーが帰宅を諭すが二人を帰し、セシルは教員室へ向かった。
「マツリド先生。」
セシルはマツリドの姿を見つけマツリドが座っている席へ向う。
マツリドの机の上は整理整頓されていたが置いてあるのが背表紙がボロボロな本だった。
「どうしましたか?」
驚いた顔でセシルを見る。
「あ…えっと…」
マツリドに会いに行ったまでは良かったが特に用事がないセシルは応えるのに戸惑う。
「落ち着きなさい。焦らなくても大丈夫ですよ。」
いつも無駄な時間を過ごすのを嫌うマツリドだったが、セシルの言葉を待っていてくれた。
そしてセシルはやっと用事を捻り出した。
「この間違えている部分の詳しい解説をお願いしたいのですが、お時間よろしいですか?」
返された解答用紙のバツがついている部分を見せるとマツリドは、ふむと頷いて席を立つ。
「良いでしょう。では資料室に行きましょう。」
資料室の鍵を鍵保管庫から取り自分のサインをしたマツリドはセシルを連れ資料室へ向かった。
「さあ中へ入って座って。」
女子生徒と二人になる為、マツリドは資料室のドアと窓を開けっ放しにし、カメラを起動させた。
これは何か間違いが起こらない為の処置と冤罪を防ぐ為に全ての教員が義務付けられている。
「この問題は…」
マツリドはセシルの前に座り説明を始め、セシルは要点をノートにまとめた。
「分かりましたか?」
「はい。ありがとうございます。」
「…貴女はとても勉強熱心ですね。また分からない所があれば聞きに来てください。」
微笑むマツリドに見惚れるセシル。
イケメンだけどいつも無表情なマツリドが微笑むのは貴重だ。
「あっ、あの!授業外の授業、受けている人っていますか?」
「…以前は授業前の授業を受ける者は居たが今は誰も受けていない。」
「そうですか。」
そう言って眼鏡のズレを直すマツリド。
「先生は学期休み中どのようにお過ごしになるのですか?」
「歴史、または現代学もしくは未来学の研究をする予定だ。」
「未来学…」
「そうだ。正式に授業に取り入れてはいないが、君たちにたまによく分からない質問をするだろう?」
セシルは今までの授業と学期末テストの最後の科目を思い出した。
「…はい。」
「教員として指定されている教科以外の事を授業で行うのは褒められる事でないが、君達学生の見解を知るのが面白くてね。」
そう言ってまた笑うマツリド。
「さて、私のくだらない会話に付き合ってくれて感謝する。では気を付けて帰りなさい。」
普段見せない表情を見せたマツリドに好意を抱いたセシルは学校が決めた学期休みに入るまでマツリドの元へ毎日向かった。
その内、今年学期休みに学校に残る連絡係の当番だと知ったセシルは、自宅に帰らずマツリドと時には専門学部の先生を交え意見交換をする日々を送った。
「これを書いているのは私が専門学部生だった頃、担任をしていた今は亡き先生だ。是非読んで感想を聞かせて欲しい。」
両親からいい加減に戻って来いという手紙を受けったセシルが挨拶をしに言った時にマツリドから分厚い本を渡された。
「はい、是非読ませて頂きます。」
セシルは学校を後にした。




