13
領地から王宮の有る自宅へ戻っていたティーナは友人二人にお土産を渡す為、お茶会を開いている。
「ティーナからのお土産はいつも素敵な物よね。」
ナタリーとセシルは嬉しそうに自分のメイドに荷物を渡した。
「それで、ちょっと意見を聞きたいことがあるの。」
「改まって何?」
「領地へ行ったときにね…」
ティーナはゼムスとのやり取りを二人に話し、自分はアルゼルから国王の椅子を奪えば良いと思った事を話した。
「第二王子はそんな事しないでしょうね。」
セシルはお茶を口に運ぶ。
「本人じゃないから分からないけど、もう乗り越えたんだと思うわ。だからアルゼルを支えるべく行動しているんでしょ。まだ自分の中に野心が残っているなら、とっくに動いているはずだわ。」
「そうなのかな…」
「私達には王宮の考えなんて分からないし、ゼムスの考えだって分からないんだから黙って見ていればいいのよ。…アルゼルの婚約者になりさえしなければだけど。」
ナタリーの言葉で二人は押し黙ってしまった。
「…もうすぐ学期休みも終わりなのに音沙汰が無いなんて不思議ね。」
「忘れてるんじゃないの?」
「ティーナ、アンタじゃないんだからそんな重要な事忘れるはずないでしょう。」
ナタリーとティーナがセシルを見ると二人の視線に気付いたセシルが口を開いた。
「もう3人に絞られているそうよ。一人目は他国のお姫様、二人目はターシャ、三人目はティーナだってお父様が言っていたわ。」
セシルはやらせパーティを盾に父親から絶対機密情報を教えて貰っていた。
娘に激甘な宰相も流石に何処のお姫様かまでは教えてはくれなかった。
「…嫌よっ!私は絶対に嫌っ!」
ティーナは手にしていたティーカップを音を立てて置いた。
「これはロレッタ公爵嬢に生まれた性として受け入れるしかないわね。」
自分が入っていないと分かった瞬間から他人事になるナタリー。
「ナタリーひどいっ!…こうなればやっぱり鼻クソを目の前でほじって第一王子の服になびるしかないわね!」
「やめて。本当にアンタはすぐそっちに向う…。それじゃあ周囲に見られてドン引きされるわよ…。せめて臭いスカしっぺ位にしておきなさい。」
「…ナタリー、目くそ鼻クソを笑うって知ってる?」
セシルがクッキーを食べる。
「王子本人はターシャと結婚したいでしょうね。まあそれはターシャもだろうけど。なら婚約者はターシャで良いと思うけど。」
冷静になったナタリーの言葉にティーナが頷く。
「二人共ターシャの席順を忘れたの?1番最後よ。来年Aクラスに居るか分からないわ。」
「でも…マツリド先生の授業について行ってるよね?」
「今の所はね。2学期からは1学期よりも更に難しい授業をするらしいし、ついていけない生徒は置いていくと先生が仰っていたわ。」
セシルは優雅にお茶を飲んでいると二人はびっくりした。
「えっ?先生が仰っていたって…セシル、先生から直接聞いたの?」
「ええ…」
そう言ったセシルは少し顔が赤くなりそれを見た二人は顔を見合わせた。
「あー…セシル?何かあった?」
セシルは嬉しそうに笑い学期休みに入る前の事を話し始めた。




