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母親から苦しい抱擁で出迎えられたティーナは自室であられもない姿で寛ぐ。
エナは母親にこれまでの学校生活の報告をしに行ったし部屋にはティーナ専属のメイドしかいないからだ。
「随分お疲れですね。」
「そーよ!エナったら学校の中だけじゃなくて寮の自分の部屋でも令嬢らしくいろって言うのよ?さもないとロウ様に言うって!ひどくない?」
「まあ…メイド長の仰る事も間違いではないので私には何とも…」
「あーあっ!そうよね!そうよね!貴女はメイド長の悪口言えないわよね!」
ぷいっとメイドに背中を向けると天使のラッパをメイドに聞かせた。
「…お嬢様…そういう所は私もやめた方が良いと思います…。」
「ちっ!違うのっ!ごめんなさいっ!今のは違うのっ!弾みでなってしまっただけなの!」
ティーナは慌てて否定するが聞かせてしまった事には違いないので顔を真っ赤にしながら謝った。
その様子を見たメイドはクスクス笑い、そっと窓を開けた。




