クリスマス番外編:後編 凍てつく過去は溶かされる
「カルーア姉ー☆!いっぱい連れてきたよー☆!」
「ご苦労様雷鬼!終わるまで休憩してて!雹鬼、お願い!」
「・・了解、です。」
雹鬼が先頭に居たダークトナカイの足を射抜き転倒させる。すると転倒したダークトナカイが後ろに居たダークトナカイ達を次々と連鎖的に巻き込んで倒れていく。
「よし。皆、一斉攻撃だ!《ワン・フォー・オール》!」
「「「ーー!!」」」
「「「ガゥ!!」」」
「「「プゥプゥ!!」」」
「「フィー♪♪」」
「クマーッ!」
「よっしゃぁ!行くぜ!《猿天火》!」
「・・ん、《猟犬氷縛》。」
「みんな頑張れー☆!」
「頑張ってー♪」
「イヤ、ヌシモ戦ワンカイ。」
「ピュ〜・・。」(じー)
私達は今、雷鬼が大量に連れてきたダークトナカイを殲滅してジングルベルを集めるを繰り返している。
え?そんな事したらMPKしてしまうんじゃないかって?・・ご心配なく、何と今居るフィールドは私達の貸し切り状態なんです。
何故、貸し切り状態なのかと言うと、運営が全プレイヤーに配布した最初のクリスマスイベント・・を完全体験できる『復刻クリスマスチケット』というのを使った個別フィールドなのです。
このチケット、使用してからリアル時間の24時間、1枚で体験できるのが1パーティだけだから私と連れてきた従魔以外は誰も居ない。だから貸し切り状態なんです。
と、そろそろ戦闘が終わりそうだね。
「あ〜、流石に疲れたぜ。」
「お疲れ様、炎鬼。みんなもお疲れ様。」
「「「ーー。」」」
「「「ガゥ。」」」
「「「・・プゥプゥ。」」」
「「フィー♪」」
「クマ〜。」
「・・ん、主人様も、お疲れ様・・です。」
「みんなおつかれー☆!」
「お疲れ様〜♪」
「イヤ、ヌシハ戦ワンカッタジャロウガ。」
「ピュ〜・・。」(じー)
「みんな連日の戦闘ご苦労様。帰ったら早速クリスマスパーティーの準備をしようね。」
そして私達は専用フィールドに帰ってくると早速クリスマスパーティーの準備を始めていった。
「と、言っても景品交換した料理や飲み物を並べるだけだけどね。」
私が交換した料理や飲み物をみんながテーブルやシートの上に置いていく。今回はかなり頑張ったから悪鬼夜行が食べまくっても大丈夫なくらいの料理や飲み物と交換できた。
「・・あ。」
そして、ふと、ある物を見つけた。それは以前私が交換しようとして、だが思い止まったあのコスプレ衣装だった。
「そういえば、あの時はコレに使う分をお金に変えてたっけ。・・・えい。」
ポチッ。私はジングルベルを以前交換しなかったコスプレ衣装と交換した。そして私は交換したコスプレ衣装を早速装備してみんなの元に向かう。
「飲み物は行き渡った?それじゃあ、ちょっと早いけど・・メリークリスマス!」
それからのクリスマスパーティーは皆思い思いに楽しんでいた。その中には私も含まれている。
今年のクリスマスは私の人生で1番のクリスマスになったのだった。
「ところでカルーアちゃん、その格好は何かしら?」
「コレ?可愛いでしょ?この『トナカイパジャマ』♪」




