《悪鬼夜行》その十九
感想での意見を参考にイベント結果などの文を修正しました。
『家族・・ジャト・・?』
私の言葉に《悪鬼夜行》は目を見開く。・・大きめの単眼だけだから地味に怖いな、それ。
「そうだよ。まあでも家族って言っても、ごっこ遊びみたいな家族かもしれないけどさ・・でも、少なくとも1人じゃないよ。」
『1人デハ、ナイ・・。』
「うん。パーティに組まれれば私や他の子達が、組まれなくても専用フィールドには他の子だって居るし、従魔はこれからもどんどん増えていく予定だから1人になる事って無いと思う。むしろたまには1人になりたいって日があるかも知れないよ?」
カルーアの話を聞いた《悪鬼夜行》は目を瞑り想像する。1人では無い自分を、目の前に居る自分に手を差し出す少女との日々を、その少女が家族と言った従魔達との他愛のない日々を。
やがて《悪鬼夜行》は目を開き問う。
『本当ニ、儂ノ様ナ奴ヲ受ケ入レテクレルノカ?』
と。だから私はその問いに応える。
「受け入れるよ。」
その瞬間《悪鬼夜行》は今まで感じた事のない感情と共に目から涙を零れ落とす。
《悪鬼夜行》は何故涙が溢れてくるのか分からない、だが少なくともその涙は孤独や悲しみから来ている涙では無いという事は理解できた。
「・・と言うわけだからさ、もう許してあげない?」
私は空鬼にそう言って向かい合う。彼女は少し納得してない様な雰囲気を出していたが、やがて諦めるかのように喋りだす。
『はぁ・・分かりました、分かりましたよ。私の根負けですぅ!あんなの見せられたらトドメなんて刺せないじゃないですか。』
空鬼は顔をムスッとさせる。と、そこに従魔達がやって来て炎鬼達3人+雷鬼に抱っこされてるスラミー以外の子達は《悪鬼夜行》の周囲に集まって何やら賑わい始めた。・・悪い感じじゃなさそうだから放っておいても大丈夫かな。
「ったく、いきなりお袋の前に飛び出した時は肝が冷えたぞ。」
「ん・・主人様、無茶する、の。」
「あはは!無茶するのー☆!」
「そんな無茶な事はしてないと思うんだけどなぁ。」
『・・・む〜。』ムギュ
私が炎鬼達とそんな会話をしていると後ろから空鬼に抱きしめられる。
「空鬼?」
『ところでカルーアちゃん。何か忘れてたりしませんか?』
「忘れてるって何を・・。」
『ほほぅ、私が知らないとでも?カルーアちゃんうちの子供達と契約してますよね?』ギュム
「・・?確かに3人はテイムして従魔契約してるけど、それが・・。」
『その上、《悪鬼夜行》とも契約しようとしてますよね?私だけ除け者ですか?』ギューッ!
「いや、別に空鬼だけ除け者にしてるわけじゃ・・。」
どうやら空鬼は3人だけでなく敵であった《悪鬼夜行》まで仲間にしようとしてる私を見て、自分だけ仲間外れにされるのではないかと思ったみたいだ。・・意外と寂しがり屋なのかな空鬼って?
と言うか空鬼、ちょっと力抜いて、く、くるしい・・。
「お、お袋、落ち着け!お嬢絞めてるから!」
『え?ああ!ごめんなさい。』
た、助かった。それにしても空鬼はやたらとテイムされたがってるね。いや、私的には歓迎だけど、霊脈とかどうするんだろう?んー・・。
「まあ、いっか。」
極論、言ってしまえば霊脈なんて物はこのイベントでの設定に過ぎないわけだし、空鬼を連れて帰っても別段問題はないだろう。・・ないよね?
「じゃあ、空鬼も連れてくって事で、そろそろ始めようか。」
空鬼と《悪鬼夜行》を並べて・・よし。
「それじゃあ2人とも、これからよろしくって事で・・テイム!・・テイム!」
私は空鬼、《悪鬼夜行》の順にテイムする。
《ネームド:空鬼のテイムに成功しました。テイムされた空鬼は《悪鬼夜行》の重要キャラの為、そのままパーティメンバーとして同行いたします。》
《《悪鬼夜行》のテイムに成功しました。テイムされた《悪鬼夜行》は専用フィールドに転送されます。》
無事2人のテイムに成功した。と、そこに。
ピコン♪
《悪鬼夜行》がテイムされ専用フィールドに送られるとイベントに関するメッセージが出てきた。
《プレイヤー:カルーアの結果発表〜。
・老夫婦の依頼:達成
・炎鬼・雹鬼・雷鬼を誰も倒さずに1時間耐えるor誰か1人以上討伐:達成
・空鬼と協力して《悪鬼夜行》に挑むor怒る空鬼の討伐:達成
・鬼ヶ島or港町で《悪鬼夜行》の討伐:失敗
3/4達成しているため今からリアル時間で72時間以内にイベント報酬C〜A級の中から1つお好きな物をお選び下さい。
ストーリーイベント《悪鬼夜行》終了お疲れ様でした。
以上。》
どうやらこれでイベントは終わりみたい。・・ん、ん〜!何だかちょっと疲れたし、向こうに戻ったらログアウトして休憩しよっと。報酬は次ログインした時でいいか。
こうして、私の初のストーリーイベントは悪くない形で幕を閉じたのだった。




