《悪鬼夜行》その七
「スラミー、ガルフ、マリー、・・いくよ。」
「ーー!」
「ガゥ!」
「クマーッ!」
「《ワン・フォー・オール》」
スラミー達に私の能力値が加算される。
『お?やっと戦う気になったか。んじゃ!いくぜ!!』
それを確認した緋髪の鬼人・・名前は、《炎鬼》、ね。
炎鬼が此方へと向かって来る。見た限りではスピードはそこまで速くはない、これなら今のところは対応できる。
「先ずは小手調べ・・マリー!」
「クマッ!」
3匹の中で1番力のあるマリーに炎鬼の相手をさせる。マリーが力で勝つか負けるかで今後の対応が変わるからね。
『お?力比べか?いいぜ、付き合ってやるよ!』
「クマーッ!」
マリーと炎鬼の拳がぶつかり合う。
『・・くっ!?・・なかなかやるじゃねぇか。』
「クマー。」
おや?どうやら力比べは互角みたい。ならここは数で攻めてみようか。
「スラミー、ガルフは足を中心に攻めて!」
「ーー!」
「ガゥ!」
指示を受けたスラミーとガルフが炎鬼の足を狙って攻め始める。
『うお!?タイマンの最中に横槍かよ!?』
「別に私達1対1で戦うなんて言ってないからね。」
『・・確かに!なら・・よっ、と!』
炎鬼は数で攻められると分かるや否や、マリーとの力比べを中断して距離をとる。
「逃さないよ。マリーは力で押して、ガルフは機動力を活かして遊撃、スラミーはガルフに騎乗して隙があれば拘束!」
私が指示を出すと従魔達はそれに従い行動を始める。
『いいぜ!攻めてくるって分かってるなら全員まとめて相手してやるよ!』
あれからもうすぐ30分が経とうとする頃だろうか、戦況は此方が有利・・とはちょっと言いづらいかな。
あれから攻め続けてはいるが、流石に近接タイプのボスだけあって炎鬼は防御力もあるようだ、これだけ攻めてもまだ体力が3割程しか削れていない。
こちらも無傷では済まず1度ガルフに攻撃が入りHPを2割、それを防ごうとしたスラミーも3割程ダメージを受け、マリーも炎鬼との攻防でダメージが蓄積してきて1割程削らされた。
「このままだと先にこっちから脱落者が出そうかな。・・私も遊撃に出ようか、なっ!?」
間一髪。私は咄嗟にその場から横に回避する。何故回避したのかと問われれば長年の感、としか言えない。だが回避した意味は私が居た場所の少し後ろに刺さっている矢を見れば分かるだろう。
『・・惜しい・・気づかれてはいなかった。・・何で避けれた・・の?』
『あーっ!?炎兄が何か楽しそうな事してるー☆!』
しまったな、このパターンか。時間?それとも炎鬼のHPが3割を切ったから?とにかくこの状況は不味いかな。
と、私は新たに現れた2人の女性、水色の髪の鬼人と金髪の鬼人を見てそう思ったのだった。




