初テイム
薬草採取中に遭遇したスライムとの戦闘が始まる。・・まあ、始まると言ってもこのスライムはこっちから攻撃しなければ無害だから私から攻撃しないといけないんだけどね。
私はとりあえず蹴りを入れてみようと構える。そんな私を気にする様子もないスライムは草をモシャモシャ?と体内に取り込みながら食べている。
「・・・。」
あれ?始めた頃は何の気にもせず倒してたけど、スライムが食事している姿って何か可愛い?
私はスライムが食事をしているのを見て、ふとそんな事を思い戦意をなくしていく。
そして私はスライムの側に近づきスライムが食事をしている姿をただ見ていた。・・・それから2〜3分ぐらい経った後に思いつく。
「そうだ、薬草とか食べるかな?」
私はそう呟くとメニューを開き、薬草を取り出してそれをスライムに近づけてみた。するとスライムは私の方に近づいて来て体を小さい触手の様に伸ばして手に持っている薬草を食べ始めた。・・可愛い。
私はスライムが薬草を食べ終わると新しく薬草を取り出してまた与える。納品用の薬草だけどまた採取すればいいし大丈夫。
「毒草は食べるのかな?」
薬草を食べ終えたスライムの前に今度は毒草を出してみる。流石に毒は食べないかな?と、思っているとスライムは平気そうに食べ始めた。気を良くした私は残りの毒草も与える。
「そうだ、テイム。・・・どうやるんだろう?」
テイマーの知識は知っていても実際にテイマーはやったことはないため、どうすればテイムできるのかを知らない事を思い出す。
「あ、ヘルプを見ればいいか。」
ヘルプの存在を思い出した私は早速調べてみた。・・なるほど、一定以上弱らすか懐かせた対象にテイムと唱えればMPを消費して発動できるのか。但し成功するかは運次第、と。
「・・テイム!」
ヘルプでやり方を確認した私はスライムにテイムをしてみた。すると。
《スライムのテイムに成功しました。テイムされたスライムは専用フィールドに転送されます。》
と、アナウンスが鳴ると目の前にいたスライムは転送されていく。
「・・・あ、あれ?」
てっきり枠は空いてるからその場でパーティに入ると思っていたら《全ての魔物の主》専用のフィールドに転送されたみたい。私はメニューを開きテイムしたスライムを出そうとするがそこでふと思いつく。
「そういえば、専用フィールドって所には行き来ができるんだっけ?どんな所か見に行ってみようかな。」
私はただメニューから出すのではなく、せっかくだしとスライムを迎えに行く為に専用フィールドに行ってみることにした。