《悪鬼夜行》その二
「ほうほう、お嬢ちゃんは小さいのにそんな妖魔を倒したのかい?それは凄いなぁ。なあ婆様や。」
「そうじゃのう。じゃがこんなにめんこい子がそんな妖魔と戦うなんて婆は心配してしまうわい。」
「いえ、倒したって言っても今じゃ絶対負けちゃうよ。」
「謙遜するでない、謙遜するでない。お嬢ちゃんは強いよ、その、すらいむ?とか言う見たことない妖魔を従えておるじゃないか。」
「ははは。」
お爺さんに家に招かれてから暫くしてお婆さんが帰ってきてからはこんな感じで会話をしながら情報を聞き出してみた。そしてイベントに関わりそうな情報を手に入れる事に成功した。
先ずこの民家から小1時間ほど歩くと少し大きめの港町があり、そこから海へと出れるそうだ。
だけど最近その港町に週に1度の夜に人喰い鬼が現れる様になり町の人達は夜な夜な怯えているそうだ。
そしてその人喰い鬼が海の向こうにある鬼ヶ島という島から来ていると知った老夫婦の息子が鬼退治に行ったっきり帰ってこないらしい。
もう分かるよね?そう、このストーリーイベントはどうやら桃太郎が題材みたいだ。そしておそらくこのストーリーは桃太郎が負けた話で、私達プレイヤーが桃太郎に変わって鬼ヶ島の鬼を退治するのが目的なんだろう。
そんな事を考えているとお爺さんが話しかけてくる。
「お嬢ちゃんや、妖魔を倒す力のあるお嬢ちゃんに頼みがある。・・会ったばかりのお嬢ちゃんにこんな事言うのは間違っておるのは分かっておる。じゃが・・どうか、息子の、桃太郎の仇を討ってはくれぬか。このとうりじゃ。」
お爺さんは土下座をしながら私にそう言ってきた。
「お、お爺さん。土下座なんてされても困ります。」
「婆からもどうかお願いしますじゃ。」
《指名依頼:☆桃太郎の仇を討て ランクB。が発生しました。この依頼を受けますか?YES/NO》
う、ランクBか。て事はその人喰い鬼は結構強いよね?今の私で勝てるかなぁ?でも受けないと話が進みそうにないし・・ええい!その時はその時だ!!私はYESを押した。
「おおぉ、引き受けてくれるのかい!」
「ありがたや、ありがたや!」
ん〜、なんて言うか、ストーリー的には引き受けなきゃいけないんだろうけど、断りにくいよこれは。
そんなこんなでお爺さん達の依頼を引き受けた私は日も沈んできたとの事でお爺さん達の家に泊めてもらい、明日早朝に鬼ヶ島へと向かう事となった。




