深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いてる。と言うが、そもそも深淵を理解していない件について
《魔と共存の街》7階層、大図書館。この階層の説明はいるだろうか?まあ、端的に言ってしまうと階層全体が図書館になっているというだけの話。
この大図書館にはスキル無しでも読める本から、それ専用の言語系スキルを持っていないと読めない本、更にはプレイヤーが製作した本・・同人誌?だっけ?が数多く揃えられている。
そしてこの大図書館、何故かリアルにある教科書や参考書なんかも置いていたりする。正直ゲームにそんな物を実装してもプレイヤーから不評があると思う。ところが、これが不評どころかそれなりに好評なんだよね。例えばテスト前の一夜漬けだったりリアルで住んでる所が離れてる友達と勉強したりとか。何よりこっちで1日中勉強してもリアルではたったの1時間しか経過してないんだもんね。
だからだろうか、この大図書館には個人から数人規模で利用できる個室が幾つも用意されていたりする。私はその内の一部屋を借りチトセ達に部屋番号とパスワードを教えて来るのを待つ。
待っている間私は本でも読もうと思い、せっかくなので同人誌とやらを読んでみようと思い適当に何冊か持ってきて読む。
「・・・・?」
その内の1冊を読んでいるんだけど、何でこの作品の主人公らしい女性2人は誰も居ない教室でキスなんてしてるんだろうか?・・スキンシップ?
ピコン♪
と、チトセ達が来たみたい。パスワードが解除され扉が開く。
「やあ、来たよカルーア。」
最初に入ってきたのはビャクヤだった、そして・・。
「・・ぁ!?・・はわぁ!?」
チトセが入ってきたんだけど、入ってくるなり鼻を押さえて変な挙動をし始めたチトセ。
「カ、カルーアさん、そ、その本は・・っ!?」
「ん?この本がどうかした?」
「カルーアさん、その・・、読みましたか?」
「・・?読んだけど?」
「はぅっ!?」
「・・??」
何故チトセは顔を赤めてるんだろうか?
「ビャクヤ、チトセがおかしいんだけど?」
「姉さんがおかしいのはいつもの事だよ。・・その本、前に姉さんも読んだら興奮しすぎて強制ログアウト喰らったやつだね。」
「・・?」
この本、そんなに興奮する様な内容だったかな?本を開いて内容を確認してみる。・・仲の良い女性2人が誰も居ない教室でキスをしている。そんな感じのキスシーンが何度かあった。
「・・よく分からないけど、チトセはこういうので興奮するって解釈で良い?」
「ん〜・・、まあ、そんな感じかな。・・って、カルーア?その本って・・。」
と、ビャクヤは私が次に読もうと置いていた本を指差した。
「ん?これ?次に読もうと思ってた本だけど?」
「・・これはカルーアの趣味だったりする?」
「・・?いや?適当に持ってきた本だけど。・・そういえば何でこの表紙の男性2人は見つめ合って・・?」
「あ〜、うん。カルーアは知らなくていい本だからこれは僕が戻してくるね。・・できたら戻ってくるまでに姉さんを正気に戻しててくれると助かる。」
そう言ってビャクヤは部屋から出て行った。部屋には私と
「カルーアさんと私が・・キ、キキ・・!?」
変な妄想をしてるチトセだけとなった。これチトセ大丈夫かな?
「はぁ・・危なかった。全く誰だよあんな本寄付したのは。」
ビャクヤは返却窓口に居る女性NPCにBでLな本を返却してさっさとカルーア達の居る部屋へと戻って行くのだった。
BL大好き女性作家プレイヤー「ちっ!」
百合大好き男性作家プレイヤー「どうした?」
BL大好き女性作家プレイヤー「何処かで仲間の誕生を邪魔された気がする!」
百合大好き男性作家プレイヤー「お、おう、そうか。」




