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二体一対の価値

「それでね〜、ダンの奴ったら・・。」


 あれから約2時間、私はアンさんの愚痴のような惚気のような話を永遠と聞かされている。話を聞く限りダンさんとアンさんはリアルで幼馴染、しかもアンさんはダンさんに好意を抱いていて様々なアプローチをしているがダンさんはアンさんの好意に気づいてくれず、どうしたらいい?・・と。

 私に人の恋路を相談されても困るんだけど・・。・・あ。


「はぁ、どうやったらダンの奴気づいてくれるんだろ。」


「俺が何だ?」


「っ!?・・い、いつからいたの?」


「ん?今し方だが?」


「そ、そっか〜。今し方か〜。は、はは。」


「・・?」


 んー、これは遠回しにアピールするんじゃなく、直接言っちゃえばいいんじゃないかな?・・と、それよりも。


「ダンさん、それが完成した飴細工ですか?」


「ああ。完成したから見てもらおうと思ってな。」


 そう言ってダンさんはテーブルに出来上がった2個の飴細工を置く。


「・・すごい。」


「「フィフィ〜。」」


 その飴細工は2匹と見比べても見分けがつかないほど精巧な作りだった。何故かパントマイムみたいに両手を胸の前に出してるのは謎だけど。


「ん?これ、土台が半月状なんですか?」


「ああ。・・それは、こうする為だな。」


 そう言うとダンさんは2個の飴細工を向かい合うように並べる。すると互いの掌が重なり、まるで鏡の中の自分と向き合ってるかのような形になった。


「双子って聞いてたからな。・・2体で対になるように作ってみた。」


 なるほど。だからこんな形にしたんだ?・・あ、いい事思いついた。


「ダンさん、それってオークションに出したりするんですか?」


「いや。これは店に飾ろうかと思ってるんだが。」


 ふむ。売りはしないんだね。なら・・。


「じゃあ、片方はアンさんにプレゼントするのはどうですか?」


「カルーアちゃん!?」


「・・・。・・・!・・アン。」


「ひゃい!?」


 ダンさんが何か決意したかのようにアンさんに向かい合う。


「・・これを、受け取ってくれないか。」


「え、あ・・はい。」


 おや?アンさんが頬を赤らめるのはわかるけど、ダンさんも赤らめるって事は・・。何だ、私が手を出さなくてもよかったみたい。

 

「私達はお邪魔みたいだし、そろそろ退散しよっか。」


「「フィフィ〜?」」


 最初はスイー・・こほん。・・職場体験の感覚で受けた依頼が、巡り巡って最後には人の恋路の手助けをする事になるとは思わなかったな。

 ん〜、2人とも私達が店の出入り口の前まで来てるのに気がついてないみたい。


「・・お幸せに。」


 そう小声で言うと、私達はお店を出て行ったのだった。


本当はカルーアに初期装備以外の格好をさせてあげたかっただけなのに、何故こうなったんだろう?(ーー;)?

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