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精巧な飴細工のためならば

「「フィ♪フィ♪」」(モグモグ)


 あれから30分ぐらいだろうか?私は既に食べ終わっていて、今はフィオナとフィーナが食べているのを眺めている。


「あの体のどこに入ってるんだろなぁ。」


 明らかに自分達の何倍も質量のあるケーキを半分食べてもまだ食べれるようだ。と、そこに店の奥からダンさんが出てきてこっちにやって来た。


「あ〜、その、なんだ・・。・・さっきはすまない。」


「いえ。・・落ち着きました?」


「ああ。・・それでだ、詫びってわけじゃないが・・これをやるよ。」


 そう言ってダンさんはインベントリから何かを取り出してテーブルに置いていく。


「え、これって。ドライアド?」


「ああ。」


 すごい。そこには本物のドライアドを小さくしたんじゃないかってぐらいに、精巧で今にも動きだしそうな5cmぐらいの飴で作られたドライアドが置かれていた。・・それぞれ違う姿勢なのが10個も。


「俺の飴は独自の製法で特殊加工されていてな。食べるも良し、鑑賞用のオブジェクトにするも良しだ。」


 うーん、これを貰っても食べるのは勿体ないし、かと言って置けるような所って専用フィールドにあったかなぁ?


「それと、俺が言うのもアレなんだが、その・・依頼内容を変えてもいいだろうか?」


「依頼内容の変更ですか?・・ダンさんか私が依頼を破棄して違約金を払うか、依頼のクリア報告をして新しく依頼を受けないと無理だと思いますよ?」


「あ〜、じゃあ俺が違約金払うから、君は新しく依頼を受けてくれないか?」


「それは別にいいですけど、依頼内容にもよりますよ?」


 ここにきて依頼内容の変更か。ダンさんは魔物の精巧な飴細工に命懸けで、飴細工の事となると暴走しがち。そして、実物のフェアリー・プリンセスを見るのはこれが始めて。ここまできたら私でも内容はわかる。


「君のフェアリー・プリンセスを、少しの間モデルとして貸してくれないだろうか?」


 ほらね。予想通りの内容だった。それなら私からも報酬を指定させてもらおうかな。


「わかりました。報酬を指定させてもらうのと、乱暴な扱いをしないなら私は構いませんよ。フィオナとフィーナもそれでいいかな?」


「「フィ〜♪」」


 2匹ともケーキを食べて気分が良いのか笑顔で了承する。


「ありがとう。・・アン、ちょっと出かけるから少しの間、店の事頼む。」


「了解〜!」


 こうして、私はダンさんの依頼内容変更のために冒険者クランに向かう事になった。

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