運営さん、正気ですか?
ログインした後、私が立っている場所は初めてLOLをプレイした時と同じ《始まりの街》の噴水広場だった。
私は自分の格好を見て初期装備の布の服になっているのを少し懐かしむ。
「・・・ただいま。」
私はリアルに帰った時のただいまとは違う少し嬉しむような明るいただいまを呟く。
これだけで私にとってはLOLが自分が居たい場所なんだと痛感する。
「・・さてと。いつまでも此処にいるのもアレだし移動しようかな。何処か人の少ない場所は・・。」
私が人の少ない場所を探していると1人のプレイヤーが近づいて来た。
「ねえ君、初心者?暇してるなら俺が街を案内してあげようか?」
そう私に話しかけてきたのは、いかにもチャラそうな男性プレイヤーだった。
あ〜、こういった如何にもな人、前にもいたなぁ。と、私はテキーラだった時のことを思い出す。
「いえ、結構です。」
「え、ちょっ!?」
うん、この手の人はキッパリ断る方がいい。私はそう断り教会の方に向かって歩き出す。あそこは確かあまり人の行き来が少なかったはずだし教会に行くとしよう。
「はははwやっぱ断られてるしw」
「うっせぇ、見た目初心者だったしイケると思ったんだよ。」
・・・はぁ〜。テキーラだったら決闘でボコボコに・・って、なしなし!今の私はカルーア。すぐ戦闘に思考を持っていくのは極力なし!・・よし。とにかくステータスも確認したいし早く教会に行こう。
教会についた私は周囲を確認して周りにプレイヤーがいない事を確認してから適当に空いてるベンチに座る。
ちょっと一息ついた後、私はステータスの確認をし始める。
カルーアLv1 クラス:《全ての魔物の主》 女 SP0
HP50
MP20
筋力1
硬さ1
速さ1
器用1
魔力1
幸運1
うん、まあ能力値が初期値なのは知ってた。我ながら私はテキーラの能力値をよくオール2000以上にできてたなぁ。
うん、目をそらすのはよそう。何これ?クラス: 《全ての魔物の主》?本来ならここにはノービスがあるはずなんだけど、これが私の《ただ一つの恩恵》なのかな?
とりあえず一旦こっちは置いておこう。多分スキル欄を見ればわかるはずだ。
《ただ一つの恩恵》:《全ての魔物の主》
スキル欄を見ればあったよ。とりあえずまずはスキル効果を見てみないと。
《ただ一つの恩恵》:《全ての魔物の主》
『1.このスキルを持つ者はクラスが《全ての魔物の主》に固定される。
2. 《全ての魔物の主》はLOL内の全ての魔物をテイム可能上限無しで従魔にする事ができる。
3.本来、テイマーはプレイヤーと5匹の従魔で1パーティであるが《全ての魔物の主》はプレイヤーと18匹の従魔で1パーティとなる。
4.《全ての魔物の主》の能力値は従魔となった魔物の能力値(100%)が加算される。
5.従魔となった魔物は《全ての魔物の主》専用フィールド空間に収納でき、いつでも編成ができる。
6. 《全ての魔物の主》は専用フィールド空間に自由に行き来ができる。』
「・・・・・・・・。」
運営さん。これは正直やりすぎじゃないですか?1はともかく2〜6はテイマーの概念が壊れてる。
2は実際やってみないとわからないけど多分これは通常テイムできないボスも含まれてる気がする。何よりテイマーのテイム可能上限はレベルが5の倍数毎に1体追加されるのに対しこっちは上限無しときた。
3は似たような事をやってるテイマーは見たことあるけど、どうしても3枠はプレイヤーが使ってしまう。それを1パーティとしてできて更に2パーティ追加で私含め最大31人・・レイドパーティかな?
4はテイマーの最高クラス、マスター・テイマーでも加算率は50%だし。
5と6は本来テイマーはテイマー専用スキルで一時的か、魔物農場・ホームのどちらかにいないと編成はできない。
・・・こんなのがあと20人もこの先現れるかもしれないんだ。
「・・・ン〜、・・・・・よし。これは気にしたらダメなやつだ。」
色々考えても既に手に入れちゃってるし悩むのはよそう。それに考え方を変えたらこれは可愛い従魔に囲まれたペットライフを満喫できるのではないかな?
というわけで、私はこれを最大限利用するためにまずは・・冒険者クランで採取・お使い系クエストでアイテムを買う資金を貯めないと!
私はまずは軍資金を貯めるため冒険者クランへと向かうのだった。