笑顔のウェイトレスさん
《魔と共存の街》であるジャイアントレントの入り口を抜け、暫く進むとそこは淡い幻想的な光で照らされた広大なエレベーターホールになっている。
ジャイアントレントの中は10階層となっていて1階層は先に述べた通りエレベーターホールとなっており、中央にある巨大な幹の中をエレベーターが行き来している。
他にはエレベーターが来るのを待っている間に休める緑豊かな自然のある休息場や、ちょっとした食事が取れる・・そうだな、例えるならフードコートのような場所がある。
私は休息も兼ねてフードコートの空いている席がないか探す。そして私が空いてる席に座るとメニュー画面が現れ、そこには注文できるメニューが載っていた。私が何を頼もうか悩んでいると1人の女性が近づいてきた。
「ゴ、チュウ、モン、キマッ、タ?」
その女性は緑のドレスに明るい緑の髪をした女性だった。
但し、人とは違う部分がある。足は根を触手のように使い、背中から伸びている枝は回収したばかりなのだろう、他の人が使った食器を器用に持っている。
その人と違った部分を持つこの女性は《ドライアド》。此処《魔と共存の街》に住むNPCだ。
「えっと、じゃあ『マンゴージュース』を1つ。」
「カシ、コ、マリ、マシ、タ。」
ドライアドはニコッ♪と笑顔で注文を聞き、厨房のある方へと向かって行った。
「さてと・・この後どうしようかな。」
注文した品が来るまでの間に次の予定でも考えておこう。
「とりあえずは冒険者クランに寄ってみて、何か良さげな依頼がないか見てみようかな。」
此処はフルーツを使ったスイーツ店が多いから食べ歩きも良さそうだけど、今の所持金じゃ心許ないからね。それにチトセにアクセサリーを作ってくれたお礼としてスイーツをご馳走するのにもお金はあって損する事はないし。
「オマタ、セ、シマシ、タ。」
と、さっきのドライアドがマンゴージュースを持ってきた。
「ありがとう。」
「・・ドウ、イタシ、マシ、テ。」
ドライアドはニコッ♪と微笑むと、他の人の注文を聞いたり、食事の終わったテーブルの食器を回収したりと仕事に戻って行った。
あ、ちなみに言っておくと他にも別のドライアドは居て、その娘達も働いてるからね?さっきの娘が1人で働いてるわけじゃないよ?
「美味しい♪」
とりあえずは冒険者クランに行くために、エレベーターが降りてくるのを待とう。
その間、私はマンゴージュースの甘さを堪能するのだった。




