配達依頼、完了です
薬屋を出た私は冒険者クランにポーションの入った木箱を配達するため街道を歩いている。そんな私の少し後ろではスラミー達が木箱を運んでいた。
スイ・ラム・スイム・ライムが木箱を乗せて体を伸ばすように進み、スラミーがそれを誘導するかのように私の横でピョンピョン跳ねながら、こっちだよ、こっちだよ。と、言っているかのようだ。
私は歩いては止まり、歩いては止まりを繰り返し、スラミー達の歩幅に合わせながらそんな光景を見て微笑む。スラミー達のその光景が可愛らしいと思うのか、立ち止まってこちらを見ているプレイヤーが何人かいた。
〜〜〜
それから20分程で冒険者クランに到着した。私は扉を開けて、スラミーが入り、スイ・ラム・スイム・ライムが木箱を持って入った後に建物に入っていく。
木箱を運ぶスライムが珍しいのか賑やかに談笑していた一部のプレイヤー達がこちらを見てくる。
「すみません。依頼にあったポーションを運んできました。」
私は先に受付の所に行き、眼鏡をかけた男性職員さんに依頼の品を持って来た事を伝える。その間にスラミー達も受付に木箱を持ってきていた。
「ああ、薬屋の。それでは確認を致しますので箱を渡してもらえますか?」
「わかりました。・・皆、お疲れ様。此処まで運んでくれてありがとうね。」
私はスイ達が持っている木箱をヒョイっと持ち上げて受付カウンターに置く。・・私が木箱を持ち上げるとスラミー達が∑(゜Д゜)といった反応をしていた。
「ふむ。確かに薬屋のポーションですね。お疲れ様でした。では、報酬はあちらの報酬受け取り係の方でお受け取りください。」
職員さんはそう言って端にある受付を示した。
・・私はさっきから周りをピョンピョン跳ねながらまるで、木箱持てたの?ねえ、持てたの?と、言わんばかりに跳ねるスラミー達を可愛いと心の中で思いながら、依頼の報酬を受け取るために報酬受け取り係の窓口まで移動する。