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二回もざまぁされる予定の中ボス魔王妃様は自由に生きたい  作者: 明。


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兄は偉大でした。

 メガ兄はあっという間に魔王城に馴染んだ。ヤス兄は持ち前のコミュ力で馴染んだのだが、意外にもメガ兄の方が魔王領向きだったらしい。


「クルメガネス様!終わりました」


「……ふむ。置いておけ」


「はい!!」


 なんというか、ああいうタイプのほうが魔族にはわかりやすいのかも。あと、メガ兄は誰に対しても同じ対応だからなぁ。そして常に分身している。どっちが分身なのかわからん。


 さらに、メガ兄は書類を進化させた。言語が統一されてないなら最初から言語を使わなければいい。あるいは、使わなければならないように追い込めばいい。


 前者はチェックリスト方式。簡単な書類はほぼコレに統一。チェックも楽。読めるが書けない者に大好評。

 そして後者だが……。


「おい!何故我が一族の由緒ある言語が使えないんだ!!」


「その由緒ある一族の者が負けたからだろう。ウチの愚弟に」


 その通り。メガ兄の所にほぼ毎日こういうお馬鹿さんが来る。メガ兄が顎でヤれ、とジェスチャーしたので遠慮なく室外へ蹴り飛ばした。加減はしたので死んではいない……はず。一応確認したらヨロヨロしつつどこかに行ったので大丈夫だな、うん。


「……今日も見事な蹴りだったな」


「うぇ〜い」 


 メガ兄〜ずにハイタッチする。意外にも応じてくれた。案外ノリがいいんだよなぁ、流石はあたしの兄だわ。


「なんというか……力が全てってアリだな。馬鹿は殴ればいい」


「まあ、そうね」


 馬鹿は説得するより殴れ。それが魔族領の真理である。先ず殴る。話はそれからなのだ。

 メガ兄的に、馬鹿にわかるよう説明するほど苦痛なことはなかったそうで仕事が驚くほど楽だとのこと。


 ちなみにメガ兄がお仕事を辞めたのは平民出身の同僚への扱いの酷さだけでなく、上司が馬鹿ばかりで懇切丁寧に説明しても理解する気もないし利権にしか興味がなかったからだそう。あの国そんなんばっかりで大丈夫なの??そのうち滅亡しないか?まあ、その場合ウチは魔族領に完全移住するけどな。魔王様からいいわよって許可もらってるし。


「ユアン、この書類を魔王様に届けてくれるか?」


「かしこまり〜」


 念の為とメガ兄の護衛として付き添っていたのだが、そろそろいらないかもなと思いつつ魔王様に書類を持っていく。





「魔王様〜」


「癒やしが来た!」

「魔王様魔王様、本音出てる素も出てる」


 別に癒しではないと思うが……気がついたら膝に乗せられて愛でられている。


「本当にユアンのおかげで書類仕事は激減する、馬鹿は殲滅され、身体も楽………。え、コレ夢オチとかじゃないわよね……?」


「現実現実、つねると痛いでしょ?」


「……………うん。はぁ、嫁が可愛い幸せ……」


 可愛くはないと思うのだが、オルネース様がご機嫌ならそれでいい。これからさらに優秀な人材が来るので内政面はクリアと考えていいだろう。こういうのはできる人に任せるべき。


 あたしの次のフェーズは精霊と契約して聖女になることだろう。まだ知られている段階なのだが、王国が建国された年の記録が消失している。そしてそこから聖女と魔王が生まれ、魔王は現れ、聖女と勇者に敗北し消えていく。数百年単位で繰り返している。さすがに数百年前となると記録がロストしていても無理はないが、歴史研究書なんかでも建国神話を頑なに扱わないのは何か間違いなく理由があると思う。


「オルネース様、古い資料読みたい」


 ここにならあるかもしれない。調べてみる価値はある。


「いいけど、城の書庫にある本は全部把握してるわ。欲しい内容を教えてくれれば持ってくるけど」


「建国記、あるいは国ができる前の逸話とか」


「はい」


 魔法で呼び出したのか、たくさんの書物が現れた。本は苦手なんだけど、やるしかないかぁ。


「ありがとうございます」


「ここにその本の中身を全部記憶してる頼りになる婚約者がいるのだけど……調べたい内容を教えてくれるかしら?」


「聖女と魔王の成り立ちについて。なるべく原話に近いものが欲しい」


「それは困ったわね」


「ないの?!」


 そんなことがあり得るのか。徹底的に建国前の情報がないなんて……。


「本がないだけよ」


 魔王は記憶を共有しているそうな。とはいえ、建国前となると少しぼやけているとのこと。


「では、何故聖女が本来業務から外れて魔王と敵対するようになったかわかりますか?」


「……世の中知らないほうがいいこともあるわ。というか、そこもう確信しちゃってるのね」


「そりゃあそうでしょ」


 強大な魔力を持つ魔王。世界の汚れを浄化するためにその魔力を捧げ、魔力が枯渇するわけだが……恐らくこの魔力、本来魔王のものではないのでは?と思う。だからこそ、魔王が消えたら次の魔王が現れるのだ。魔王は世界を保つための装置。そして聖女は本来それを補助するべき存在。正しく稼働していれば、魔王は死ななくてすんだのではないか(ただし老衰による死はあるだろう)というのがあたしの考え。


「それに、聖女になる方法が禁じられていることも含めて………まあ、犯人はだいたい予測してるよ」


「ソレと敵対するのはオススメしないわ」


「相手が邪魔しなければ敵対しないよ。あたしは喧嘩好きな平和主義者だからね」


 とはいえ、証拠はないし簡単に手を出せる相手でもない。今のところは様子見だね。まあ、調べる手間が省けてよかったわ。

 そんなわけでダーリンとイチャモフタイムを楽しんだ。



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― 新着の感想 ―
昔、まともな書類を出してこない騎士団を実力でわからせた自称普通の公爵令嬢が居たなぁ・・・
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