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二回もざまぁされる予定の中ボス魔王妃様は自由に生きたい  作者: 明。


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夢の中で情報交換

 ヤス兄に散々叱られはしたものの、とりあえずなんとか扱えるように調整できたので解散となった。

 屋敷に帰宅し、眠りに落ちる。意識がひたすら落ちていく。そして、ゆっくりと浮かび上がる。どこまでも続く白い空間は、いつしか乙女チックルームになっていた。

 乙女チックルームで優雅に紅茶をすするあたし。外見はあたしなのに優雅な美少女に見えるのは、やはり中身の差なのだろう。


「こんばんは、ユーリ」


「ごきげんよう、ユアン」


 この挨拶も何度繰り返しただろう。ユーリフィアンが紙束を渡してきた。


「こちら、ご所望の品ですわ。そういえば、ようやくお母様に会えましたの」


「ふーん」


 ユーリフィアンから渡された小田郡に頼んであったブツを確認しつつ、育ての母を思い出す。シングルマザーで忙しく働いている母。ほぼすれ違い生活なので同じ家に住んでいてもなかなか会えなかった。会えるのは、あたしがやらかして親呼び出しくらったときぐらいだったかもな。母ちゃん、ごめん。


「お母様はお忙しいようなので、わたくしが金曜日に頑張って起きて待っておりましたの」


「なんで金曜日?」


「翌日は学校もアルバイトもありませんし、仮に寝坊したって問題がないでしょう?」


 真面目だ。流石はユーリフィアン。いじめられようとも学校に通い続けた女である。実の所、ユーリフィアンはそんなに弱くない。もう無理だと心が折れたのは、今回の件が初めてだ。泣いても立ち上がり、泣いていたことを悟らせない鋼のレディ……それがユーリフィアンなのである。


「なるほど?それで、母はなんだって?」


「一目でわたくしが優音ではないと見抜かれましたわ」


「マジで?」


 それはすごい。ユーリフィアンの家族もそれぞれ違和感は感じていたものの、一目で看破した者はいなかった。


「ええ。そして、わたくしの突拍子もない話のすべてを信じてくださいました。その結果がこのお手紙です。一通は優音に。もう一通は、わたくしの父……いいえ、公爵様に」


「……あたしのはいいとして、公爵様宛の手紙の赤いのは何?」


「インクです。お母様は大変お怒りでした」


 宛名からも怒りがにじみ出ている。公爵様は日本語が読めないから代筆か、音読すべき……?


「わたくしが原文を翻訳してお母様がなぞり書きしておりますわ。宛名だけはそのままで良いとのことでした」


 念の為確認したら、そんな返事が返ってきた。つまり、ユーリフィアンはこの内容を知っているわけだ。


「なるほど?じゃあこのまま渡せばいいわけね」


「はい。それから、わたくしへの手紙はもう受け取らぬようにと言われました。お兄様達はよいですが、特に殿下やお父様からのものは優音から断るようにと」


「ユーリフィアンが望むなら、あたしはかまわないけど」


 少し迷いがあるように見えるのだが、いいのだろうか?まあ、殿下からの手紙は最初から渡すつもりなんかないけど。


「わたくしは、こちらの世界で生きていきます。ですから、嫌な思い出は綺麗にスッパリと捨てなさいとお母様がおっしゃいました。それに、謝罪されたら許さねばならないでしょう?わたくしは、許さなくていいのだと……お母様は本当にお優しい方ですわ」


 なるほど、ごめんねユーリフィアン。あたし、そこまで考えてなかったわ。ヤス兄は普通に優しかったからよし。メガ兄は言い方が悪かったけども根底にユーリフィアンへの愛があるからギリセーフ。殿下と公爵様はアウト判定なわけね。そもそも殿下にはユーリフィアンと連絡取れること自体言うつもりもないけどねー。


「それはまあ、母ちゃんの言う通りだわ。了解了解。以後取り次がない。むしろ今までごめんね」


「いいえ、優音は悪くありませんわ。だってあの手紙のおかげでわたくしは悪くなかったのだと思えるようになりましたもの」


 ユーリフィアンの笑顔は晴れやかだ。だが、彼女のこれからに公爵様はいらないということだろう。母からの手紙は絶縁状ってとこかな。

 あたしそう納得して母からの手紙を開いた。


 母は産まれたときからあたしに違和感を感じていたらしい。だが確証があるわけでもないし、我が子じゃない気がするからと育てないわけにもいかない。父が浮気をしたのもあり、あたしを育てられるのも、守れるのも母しかいない。だから、距離を取って接していたそうな。

 ユーリフィアンに会って、一目でこの子が自分の子供だと確信したとか。しかしそれはそれとして、あたしに申し訳ないという手紙だった。


「んー」


 母には迷惑をかけた記憶しかない。確かに距離を取られてはいたが、そうされるだけのことを散々やらかした自覚がある。違和感云々については今回初めて知った。

 とりあえず『育ててくれてありがとう。違和感については初めて知ったわ。気にしないでくれ』と返事を書いた。母はネグレクトってわけでもなかったし、特に謝罪されるようなことはない。友達にも恵まれたし、育ててくれて感謝している。


 そう考えると、公爵様はマジでダメ親父だな。しばらく塩対応しておこう。


 今までの自分を思い返す。何かが足りなかった。それを埋めるようにケンカした。殴り合いをしているときは、何も考えなくて済むから。今は、満ち足りている。だからケンカは必要ない。なぜだと思って浮かんだのは、あたしの大好きな婚約者と家族……口うるさいけど優しい兄達の存在。


「ユーリフィアン、ちょい書き足しさせて」


「ええ、もちろんですわ」


 封を切って一言だけ書き足した。

 『あたしは今、幸せです』

 だから、母が罪悪感を感じる必要なんてない。そう思ってまた手紙に封をした。

 それから眠るまで、ユーリフィアンから楽しかったことの話を聞いた。バイトだけでなく、部活も始めたらしい。ユーリフィアンも楽しそうで何よりだ。とても満足して眠りについた。

お久しぶりです!

なんとか生きてますぞー!

スランプなのかなかなか書けなかったけど、じわじわ更新していきまーす!

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― 新着の感想 ―
[一言] 優音ママ……。゜(゜´Д`゜)゜。 なんだっけ、チェンジリングだっけ…?妖精の取り替え子…ユーリも優音もイイ子なのにぃ…! 今幸せだから!と言われてもよぅおうおうおう!←酒は入ってないが…
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