久しぶりの学校
結局家には寄らず、直接学校に行くはめになった。久しぶりの学校では、早速クラスメイトの女子達に囲まれた。
「ユーリフィアン様、おはようございます!」
「お休みの間お会いできず、寂しかったですわ!」
「お休みの間はどちらにいらしたのです?」
「皆様、おはようございます」
すっかりこの男装制服に違和感がないというか……あれ??なんか、女子達が何人かあたしとお揃いの制服になってる??
あたしの視線に気がついた女子の一人が照れながら話してくれた。
「その、おかしいでしょうか?」
「いいえ、とても素敵ですわ。わたくしのよりも可愛らしくてよくお似合いです」
「!!ありがとうございます!あの、私……いいえ、私達、ユーリフィアン様に憧れて、自分達でデザインしたんです!」
「まあ……素敵ですわね」
それはすごいな。あたしは男子制服のデザインをそのまんま使っただけだ。素材だけ伸縮性があるものに変更したけども。
「ありがとうございます!」
「私の制服はいかがです!?」
「とても素敵。皆様、センスがおありですのね」
華美すぎず、可愛らしいもの、さりげなくレースを使った上品なもの。それぞれアレンジされていて、よく似合っている。これは、新たな流行になるんじゃないかな?女子達と楽しく話しながら、教室に向かった。なんか、こっちをガン見する王太子がいたけど無視した。相手したくない。幸い、寄っては来なかったというか、女子達がガードしてくれた。
皆、優しい。しかし、気にしない脳みそが筋肉製のバカは気にせず寄ってきた。流石はノウルキンス。空気が読めない男である。
「よう、ユーリフィアン!元気か!?元気そうだな!オコシャス殿から相当具合が悪いから『遊びに来るな、見舞いにも来るな、バカがうつって悪化する』と言われていたから行かなかったが、治ったのだな!」
ナニソレ、初耳。ヤス兄の気遣いだな。まさか、魔族領にいるなんて言えないしね。というか、最後普通にディスられてるじゃないか。気がつけよ。
「ええ、おかげさまでゆっくり療養できましたわ」
面倒なので流したら、今度はモルヤシスが来た。モルヤシスは睨み付ける女子達にビビりつつも勇気を出して話しかけた感じだ。
「……あ、あの………お久しぶり、です」
「ごきげんよう、モルヤシス様」
ハキハキ喋らんかいと思わないでもないが、多分彼は元からこんなもんだろう。そういえば、モルヤシスはアリかも。珍しい魔族領の素材と引き換えに、デスクワークしてくれないかな?
「魔力、コントロールの調子は……どうです?魔具、問題ない、ですか?」
「ええ、おかげさまで」
かなりコントロールのコツを掴んできた気がする。とはいえ、微調整は苦手だからまだ彼から教わりたいな。肩には小さな針鼠。精霊さんと仲良くやっているようだ。デスクワークしてくれないかなー?
「なら、良かった」
彼らのしたことは、そう簡単に許せない。許せないが……すべてを否定しようとも思わない。特にモルヤシスは根っこがいいやつだしなー。
「ええ、ありがとうございます」
ノウルキンスとモルヤシスが驚愕の表情になった。なんで驚くんだ?あたしだって笑うぐらいするっつーの。とりあえず、モルヤシスとは今日も放課後魔力トレーニングするから後で話そう。
やはり王太子がこちらをじっと見ていたが、無視して教室に行くのだった。
さて、退屈なホームルームで予想外すぎる事件が起きた。見慣れた教室に、居るはずのない美女達がいるのである。
「今日からこのクラスで学ぶことになった特別編入生です。皆、仲良くしてくださいにぇ」
先生、動揺しすぎて噛んだよ!それもそのはず、前代未聞というか……年齢的一人アウトだよな!??
驚愕するあたしに、してやったりと微笑む美女達。昨日まで一緒にいた二人。
「わらわは白狐族のモクレン。人族である我が君にお仕えするため、人族と交流をはかるために来た。以後、よしなに」
「俺は銀狼族のシルビア!我が君にお仕えするために来たぜ!我が君に仇なす奴は、俺がブッ飛ばす!!」
いや、マジで?クラスメイトも困惑している。我が君って誰だって感じだわな。モクレンは年齢はさておき、人当たりがいいから上手くやるだろうがシルビアは色々アウトでは?仲良くする気がなくね?
「あの、はじめまして………」
二人のキャラが濃すぎて気がつかなかったが、もう一人小柄な女子もいた。可愛らしくて、誰かに似ているような?違和感があったが、それどころではなくなった。
「我が君、そんなわけでよろしくな」
「我が君、俺が来たからには安心だぞ!」
「ほ、ほほほほほほほほ…………」
当然、クラスメイトの視線があたしに集中する。休み時間に質問攻めは避けられないと思い……ひきつりながら笑うしかなかった。




