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二回もざまぁされる予定の中ボス魔王妃様は自由に生きたい  作者: 明。


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どちらにとっても予想外

 あれからモクレンの旦那様の見回りがだいぶ楽になったというか、村人だけで山賊に対処できるようになったそうな。よかったよかった。なので、モクレンの旦那様もご挨拶に来てくれた。モクレンの旦那様はなかなかのイケメンだったが……モクレンよりも尾が少なかった。後で聞いたが、尻尾は魔力の高さを示すらしく、九尾なオルネース様はすごいんだとか。ちなみにモクレンは五尾で旦那さんは四尾だ。

 普通は二尾、高くて三尾。つまり、オルネース様はすごいんだね。


「魔王妃殿下におかれましては、拝謁させていただき恐縮至極でございます」


 わりとこう……退廃的な美女であるモクレンと正反対のクソ真面目なお方であるらしい。挨拶が固い。


「まったく、リンドウ!我が君が困っておろう!我が君はこう……ふれんどりぃなのがお好きなのじゃ!」


「……そうですね。それに、モクレンはオルネース様の叔母……義理とはいえ姫は親戚となるわけですし………うーん……」


「……………はい?」


 え!?そーいや同じモフモフ狐さんだと思ったけど??確かによく見たら顔立ちが似てるかも。え?でも、モクレンっていったい何歳なんだ!?でも、納得した!だから魔王なのにオルネース様を呼びすてだったのか!


「言ってなかったかしら?モクレンはああ見えてかなり」

「オルネース?」

「…………ええと、アタシは魔力に目覚めて城をでてから、モクレンのとこに居たのよねー。コントロールできるようになるまで、だけど」


 後宮に居たのも、他家への牽制。お目付け役だったそうだ。ちなみに、モクレンには娘が五人もいるらしい。


「オルネースは可愛い我が妹……サラサの忘れ形見。わらわにとって、可愛い我が子同然じゃ。我が君……こんな男だか女だか中途半端でケバい残念な甥じゃが、よろしく頼む」


 とりあえず、これだけは言っておこう。


「オルネース様は素敵な美人さんです。ケバくありません。頼まれたので、生涯面倒を見ます」


「優音………今すぐ結婚しましょ!」


「いや、だからまだ無理だよ」


 さまざまなしがらみさえなければ、頷きたいところではあるけど。あたしも残念だ。

 てっきり王妃様の子かと思っていたが、オルネース様は側妃サラサ様の子だったそうだ。体が弱いサラサ様は出産に耐えきれずそのまま死去。王妃様は我が子同然にオルネース様を育てた………魔王として覚醒するまで。


「アタシもてっきり、王妃(アノヒト)が母親なのかと思ってたわ。ちゃんと平等に扱われていたの」


 側妃様の存在を隠したのは王妃様の配慮だろう。多分、オルネース様が魔族の子であると知られれば、心ない者からどんな扱いをされるかわからない。あくまでも彼は魔力がバカ高い人間としたのだろう。なんであの聡明な王妃様から王太子(バカ)が産まれたのか……生命の神秘だな。


「わかりますわ。あの方はわたくしにもとても優しくしてくださいました」


 王妃様だけでなく、国王陛下も優しかった。二人を思い出してほんわかしていたら、招待状が届いた。見た目から察するに、ドラゴン族かな?


「お茶会の招待状ですわね。今日の午後………うかがうわと伝えてくれる?」


「かしこまりました。必ずやお伝えいたします」


 そう言いながら、招待状を持ってきたメイドはあからさまに面倒そうだった。下に見てるのが丸わかり。なかなか楽しいお茶会になりそうだ。あたしはにっこりと笑った。

 オルネース様からは、いくらでもフォローするから好きにおやりと言われた。スゲーキレてた。解せぬ。





 お茶会には晶とモクレン、護衛にシルビアがついてきた。


「お招きにあずかり、ありがとうございます」


 流石に高位魔族ともなれば、幼稚な嫌がらせはしないようだ。ちゃんと席があったし、モクレンとシルビアの席も用意した。シルビアは護衛だから断ってたけどね。外で庭園を見ながらの茶会。なかなか趣味もいい。

 あたしの向かいに座るお茶会の主催者は、ドラゴンというか、竜人族(りゅうじんぞく)と言うらしい。人ベースにもなれるそうだが、基本は立って歩くでかい服着たコウモリっぽい羽根つきトカゲだ。

 竜人族は、性別がわかりにくいが美醜はわかりやすい。服で性別を判断するしかない。目の前の竜人はかなり美形なのだろう。見るからに綺麗なトカゲだ。


「単刀直入に言う。魔王妃に相応しいのはわらわだ。魔王妃候補を降りろ」

「お断りしますわ」


 ストレートなのは嫌いじゃないけどね。それとこれとはまた別だよ。


「……お前のようなか弱いサルでは、魔王様のお相手は務まらぬ。これは親切心で忠告してやっているのだ」

「ありがとうございます。精一杯お務めいたしますわ」


 モクレンとシルビアが暴れそうだ。はいはい、キレないキレない。あたしは見た目がか弱そうだから仕方ないって。


「………お前に何ができる」


「書類仕事と魔力譲渡、人族との架け橋になり………生意気な魔族をねじ伏せてみせますわ」


 血の気が多い竜人族の護衛が斬りかかってきたが、シルビアに蹴飛ばされて場外に吹っ飛んでいった。


「……できるものならやってみろ!」


 戦おうとしたら、予想外の相手が空から来た。


「ベイビーちゅあああああああん!パパ来ちゃった!!」


「oh…………」


 予想外の親バカドラゴンさんである。久しぶりだわ。こないだ晶たん、オルネース様に頼んで里帰りしたばっかなのになぁ……。


「ドラゴン様!」

「頭が高い!ひれ伏せ、サル娘!!ドラゴン様に無礼であろう!」


「…………ん?」


 よく見たら、モクレンとシルビアも平伏してる。


「ととちゃま!お久しぶりでちゅ!」


「………………ととちゃま?」


 美人トカゲが……いや、あたし以外がポカーンとしている。


「今日も晶たんはかわいいでちゅねー!あ、晶たんのご主人様、こちら手土産でございます。いきなり来訪してすいません。どうしても我が子に会いたくて会いたくて……お邪魔して申し訳ございません。本日は樹様はご不在なのでしょうか。できればアポイントメントも取らずに来たことを内密にしていただきたいです、はい」


 相変わらず樹たんがトラウマらしい。まあ、別にかまわない。


「ああ、ありがとう。ついでだから、おやつ持っていって。晶の兄弟達にも分けてあげてね」


「なんと寛大な……ありがとうございます!ありがとうございます!いつもおやつまで、ありがとうございます!!」


 お前、マジでどれだけ樹たんが怖いんだよ……。とりあえず適当に世間話をして、晶を乗っけてドラゴンは飛んだ。親子水いらずって奴だ。楽しんでおいでと晶を送り出した。


「ええと……中断して申し訳ないですわ。なんの話をしていたかしら?」


「ユーリフィアン姫様」


「はい?」


「姫様と先程のドラゴン様は、どういったご関係でございましょうか?さしつかえなければ是非とも教えていただきたいのですが……」


 なんで美人トカゲはガクブルしてるの??別に秘密にしてるわけではないから素直に教えた。


「わたくしが契約しているのは、緑と土の精霊です。先程のドラゴンは、土の精霊の親なのですわ。友好関係にありますの」


 おやつと引き換えに希少な鉱石貰ってるよ。頼めば宝石類なんかもたくさんくれるよ。


「ご無礼をお許しくださいいいいい!!」


「はい?」


「お詫びになんでもいたします!ひどい態度で本当に申し訳ありませんでしたああああああ!!」


「……………モクレン、どういうことですの?」


「竜人族はドラゴンを信仰しておる。神と親しい我が君は、竜人族にとって、神の次に偉い存在じゃな。流石は我が君!!わらわも鼻が高いぞ!!」


「えええ…………」


 大パニックとなった竜人族を落ち着かせるのが、とても大変だった。マジでこんなことあるんだなと思った。


 追伸・実はキレてた晶たんが竜人族の鱗を丸剥がした。鱗は石扱いらしい。説得により、鱗は戻ったが……なんか拝まれている気がするんだ。気のせいだと思いたい。

 ちなみに、ドラゴンからしたら亜種にあたる竜人族。わりとどうでもいいから気にしてないらしいです。崇められたり怖がられたりなんてドラゴン的には些事らしい。

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― 新着の感想 ―
[一言] パパ来ちゃったぁ!……来ちゃったのか…そう……晶たんが大喜びだし、まぁイイのか… これが反抗期真っ只中だったら、ちめた~く 「あんたナニしに来てんの?( `д´)」 とか言われちゃうんだぜ?…
[一言] どんなに両親が立派で良い教育を施しても、それを全て理解もせずに無駄足になる救いようもない資質の子もいますからねぇ。 どうやら魔族には「相手を調べる」という風習はないようですね。少し調べれば…
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