頼もしい配下?ができました??
とりあえず、腕が折れてしまったそうなので回復薬をシルビア様に渡した。クンクン匂いを嗅ぐシルビア様。
「それはわたくしが作った回復薬ですわ。骨折ぐらいでしたらすぐ治りますわよ」
そう説明すると、シルビア様は回復薬を一気に飲み干した。そーいや、これどんな味なんだろ。飲んだことないや。回復薬の見た目は透き通った緑色。そんなにまずくはないと思うが……苦いのだろうか。
「うまい!あ、治った!ユーリフィアン姫はすごいな!薬師だったのか!?こんな効き目がスゲー薬は初めてだ!」
回復薬は美味しいらしい。知らなかった。薬師ではないのだが……すごいのはスキルの錬金釜さんだし。治った腕をぐるぐる回すシルビア様。ううむ……いつ見てもすごい効き目だ。
モクレン様は呆然とそれを見ている。そして、何故かあたしにひざまづいた。
「ユーリフィアン様!そなたの薬師としての腕を見込んで頼みがある!我が妹を……否!我らが住む地を救ってはもらえぬか!?」
「話を伺いましょう」
モクレン様によれば、数ヶ月前からモクレン様の一族で病が流行しているのだとか。よくよく聞いてみたら、例の流行り病によく似た症状だ。ガンとかではなさそうだから、あたしの薬で治るだろう。あれは伝染性疾患ならばなんにでも効くはずだし、売りさばけないから在庫もたくさんある。モクレン様に究極万能特効薬がたくさん入った箱を渡した。
「この薬は伝染性疾患にならば効きますわ。さしあげます。予防効果もありますから、元気な方にも飲ませてくださいませ」
「こんなに………よいのか!?」
「はい。かまいませんわ。そもそも、民を救うのは王族や貴族の務めにございます。足りなければすぐ作り足しますし……とにかく早急に対処しましょう!オルネース様にお願いしますわ!」
オニキスちゃんを通じてオルネース様に連絡した。オルネース様は渋ったものの、人命救助優先!死んだら終わり!と説得したら渋々了承してくれた。
「さて、モクレン様の領地はここからどのくらいですの?」
「わらわの術ならばすぐじゃ!姫よ、この恩は忘れぬ」
「モクレン様の民を救えたらにしてください」
モクレン様は転移魔法が使えるらしく、本当に一瞬だった。あたし達が罹患しては元も子もないので、先ず自分達が薬を飲み、病人に薬をぶっかける。元気そうな元病人にも協力を依頼していったため………あっという間に病人がいなくなった。
しかし、ここで問題が発生した。
モクレン様の妹さんが鑑定スキル持ちだったため、薬がいかに貴重で高価なものかがバレてしまったのだ。すでに薬は湯水のごとく使用しまくった後。妹さんは真っ青だった。とりあえず有り金をかき集めましたお納めくださいと言われても困る。対価を求めてしたわけではないのだ。
喫茶店のレジでどっちが会計するか争うおばちゃん状態になってしまったわけだ。とはいえ、有り金全部巻き上げるわけにはいかない。お金には困ってないからいらないし。
結局、里の特産品を定期的に届けてもらうことで話はついたのだが………。
「米!味噌!醤油、みりん!鰹節、煮干し、豆腐、納豆まで!」
嬉しい誤算が発生した。なんと、モクレン様の里には和の食材がてんこ盛り!ああん、タケノコまであるぞ!
「おお……我が君は博識であるな。納豆までご存じとは。皆のもの、今宵は宴じゃ!我が君を盛大にもてなすのじゃ!」
「………ん?」
ワガキミって誰??聞こうと思ったら、モクレン様は猛ダッシュしていた。なんか、もてなしてくれるらしい。
ちゃんとオルネース様に連絡して夕飯をごちそうになったのだが………。
「納得がいかん!!」
完璧令嬢の猫が脱げるぐらいに納得がいかない。餅もあるのになんでパン!?いや、米粉パンうまいけどさあ!ここは米を炊こうよ!!え?米はパンか粥だと………?
「ふ………ふふふふ」
「わ、我が君?」
「米を炊く!鍋と水と米を持てえええ!あたしは海鮮丼が食いたい!刺身定食でも可!あと、焼おにぎり!!」
結局時短のために錬金釜さんで米を炊き、厨房で焼おにぎりを作った。醤油でこんがり………うまそう!
もちろん白米もある。気が利く錬金釜さんは、ちゃんとおひつとしゃもじとお茶碗までつけて炊きたてご飯を出してくれた。錬金釜さんがあればおかわりし放題である。なので、皆にも白米をふるまった。
「我が君………我が君はなんと博識なのじゃ!刺身にも煮物にも、すごーく合うのじゃ!」
モクレン様も大喜びでご飯を食べている。丁度いいから気になったことを聞いてみた。
「……モクレン様、ワガキミってどういう意味ですの?」
「わらわが仕える君……主君じゃな!」
わ、可愛い……ではなく。主君!??
「何故ですの!?」
「わらわは……いや、我らは我が君の寛大さ、優しさ、気高さに惚れたのじゃ!白狐族ならびに全ての獣人族は、我が君の配下となったのですじゃ!」
「へ?」
「そんなわけで、俺も我が君にお仕えするぞ!護衛としてな!明日には俺の側近たちも紹介するぜ!」
「ふぇい?」
白狐族は、獣人のトップに君臨しているので、白狐族が傘下となるなら他の獣人も芋づる式に傘下となるそうな。ついていけていないあたしに、モクレン様はとどめをさした。
「我が君が我らの主君となれば、これ以上ないほどにオルネースの力となるであろうな。末長く、よろしくお願いいたしますぞ、我が君」
「よ、よろしく?」
オルネース様の力になると言われてしまえば否やと言えず……とりあえずうなずくしかないあたしに、マスターは人たらしだからしかたがないっきゅという樹たんの声が聞こえた気がした。
なるべく最低週一更新はしたいですね……。
新作書きたい病がかなーり深刻でつらいです!




