表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二回もざまぁされる予定の中ボス魔王妃様は自由に生きたい  作者: 明。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/74

どこかで方向性を間違えた気がします。

 自分のスキルの強力さにビビっていたが、それを気取られてはならない。なぜなら、あたしは悪役魔王妃なのだから!


「無罪放免にはできそうもありませんわねぇ」


 あくまでも、冷酷無慈悲な魔王妃っぽく。じっとり嫌みな感じで!

 あくまでも、悪役らしく頬笑む。


「お願いいたします!なんでもいたします!どうか、妻の忘れ形見である娘の命だけはご容赦ください!!お願いいたしますぅぅ!!どうしてもお許しいただけぬのであれば、私の首で許していただけませんでしょうか!!」


 泣きながら地面に額を擦り付け、必死で土下座するトードス様。娘とそのメイドは毒で動けない。チラリとオルネース様を見る。視線に気がつき、オルネース様が頷いた。


「今、お前に死なれるのは都合が悪い。お前がうまく立ち回っているから、争いが減っている。脳みそまで筋肉で出来ている馬鹿共と違い、状況をある程度先読みして行動できる高位魔族は数が少ない………とはいえ、我が妻を狙った馬鹿を放置するわけにもいかない………悩ましいところだな」


 オルネース様はわざとあたしに情報をくれたのだろう。まだ結婚してはいないけど、嫁扱いしてくれるらしい。ちょっと嬉しい。

 それはさておき、状況はわかった。つまり、オルネース様的にトードス様が死んだら困るんだね?でも、あの娘とメイドは無罪放免にできないし、したくないと。


「では、ご息女の心に致命的な傷を作りましょう。二度とわたくしに逆らえないように。人間とわたくしと毒に恐怖するようにいたしましょう」


「どうするおつもりですか?」


「ひたすらに毒を摂取させ、解毒します。ありとあらゆる毒を、その身体で味わっていただきましょう。今まで、オルネース様の婚約者候補達にも同じことをしてきたのですから、仕方ありませんわよね?ああ、安心なさって。絶対に死なせませんわ。丁度いいから、解毒の新薬の実験もしようかしら。毒がいかに恐ろしいか、その身をもって味わうといいわ」


 にっこり笑うあたし。因果応報ってやつだよ。数倍になって返ってきただけだよ。細かいことは気にすんな。


「お、お許しください……」


 怯えながら許しを乞うトードス様の娘に、あたしは聞いてみた。あくまでも笑顔で。世間話をするかのように。




「貴女は、そう言ったご令嬢達に何をしましたか?一度でも許してあげましたの?」




 娘は、何も言えなかった。許すことなどなかったのだろう。圧倒的に優位な位置から、ご令嬢達に陰湿ないじめをしていたような女だ。その沈黙が答えだった。


「楽しかったですか?か弱いご令嬢達をいじめるのは。弱者をいたぶるのは。しかし、貴女も運がありませんわね。猫の子と獅子の子を間違えるようなものですわ。見た目こそ似ていても、その本質は別物ですのに」


 ふわりと冷気が漂う。こいつが何をしたのか、あたしはちゃんと知っている。


「ご、ご慈悲を………」


 震えながら言ってきた娘に、笑顔で返事をしてあげた。


「ですから、貴女はそう言われて今までなんとおっしゃいましたの?わたくしの返答は貴女と同じでしてよ。ああ、それから………わたくし猫は少しばかり苦手ですが、気持ちがわかってしまいましたわ」


「ねこの、きもち……ですか?」


「ええ、猫は獲物をいたぶって遊びますのよ。貴女、本当に運がないわ。それから、頭もあまりよくないわね。良いことを教えてあげる」


 絶望した娘に、教えてあげた。


「真の悪役は、自分の手を汚さないものよ。欲しい物も、自分の手を汚さずに手に入れるの。こんな弱いものいじめをして満足するなんて、三下以下だわ」


「さんしたいか………………」


「真の悪役は、その魅力で他者を動かすの。真の強者は、弱いものを庇護するのよ。よく覚えておきなさい。今後もその立ち位置にいたいなら、ね。貴女、自分の下で働きたい?わたくしはごめんですわ。こんなに醜悪な心根の上司、蹴落としてわたくしがトップになります。さて………では、時間もあまりありませんし、じゃんじゃん行きましょうか」


『はい、お嬢様!!』


 うちの子達が超ヤル気だー。あたしが話してる最中、樹たんも交えてどの毒がどぎついか検討してたもんなあ。うちの子達は本当に有能だわぁ。笑顔で毒を用意してくれたよ。


「うちのお嬢様は、最高の上司なんですよ」

「お嬢様のためなら、笑顔で死ねます」

「お嬢様は、私達を人にしてくださいました。お嬢様のために生きていたいと思います。ですから……お嬢様に仇なす輩は……」


「「「消去します」」」


「死んではダメよ。それから、消すのもダメ」


 うちの子達、何故こうなったのだろうか。おかしいなぁ……あたしは普通に接しただけなんだが。元は暗殺者な子達もいるので、多少物騒なのはご愛嬌。慣れない職だろうに、よくやっている。


「お任せください。加減は心得ております」

「切り刻んでもいい?大丈夫!回復薬があるから、痕も残らず治るよ!」

「いいわね!ちょっと裂く?」

「ゲコオオオ!!裂かないで!ちょ、うちの娘よりよほど危険じゃありませんか!?」


 頼もしすぎるうちの子達。トードス様が泣きながらドン引きしている。


「仕方ありません」

「縦に四分割」

「横に二分割で我慢します」


「八つ裂きじゃないかあああああああああ!!」


「あらあら、仕方ない子達ですわねぇ」


 トードス様をなだめるのが大変だった。面倒なので娘達は別室で教育していただいた。あたしだけをターゲットにするならどうとでもなるが、なんの罪もないご令嬢を傷つけられたら、確実に外交問題だ。見せしめも兼ねて、ド派手にいっていただこう。


 解放された娘達は、生きてるって素晴らしいとか人間こわいとかブツブツ言っていた。いい塩梅だね。


「首尾は?」


「魔王妃様、最高!」

「魔王妃様、素晴らしい!!」


「……………………」


 予想外の方向に矯正されたようだ。修正したいが、これ以上負荷をかけるのは……無理だろうな。虚ろな瞳であたしに賛辞を贈る娘達を見て……仕方がないから諦めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 因果応報ってやつだよ。数倍になって帰ってきただけだよ。細かいことは気にすんな。 うん…数倍は細かくはないと思う… が、しかし因果応報、自業自得!! 父は働き者だからいいとして、三下以下は問…
[一言] これある意味一番の被害者はトードス卿なのでは…w まぁ娘のしていることに気付けず放置していたことになるから、仕方ないっちゃ仕方ないけど…可哀想にw
[一言] ?方向性?間違ってないよ、だいじょぶだいじょぶ!!オルさんも止めてないしネっ!!Σd(・∀・´) ゴーですわ優音!皆さんの調教はハイレベル過ぎて、ワタシ……っ!勉強させてくださいっ!極めて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ