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二回もざまぁされる予定の中ボス魔王妃様は自由に生きたい  作者: 明。


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売られたケンカは買う主義です

 待ちに待った剣術の授業。特別製の体操服に着替えたよ。流石は金持ち学校。体操服もオシャレだよね~。汗くさくなると嫌だから、ミントフレグランスウォーターをシュッシュした。


「それ、なんですか?爽やかな香りですね」


 同じクラスの……名前はなんだっけ?結構ユーリフィアン、名前覚えてない人が多いんだよな。他人の名前を覚えるのが苦手だったのかもな。


「ああ、うちの領地で売り出し予定の消臭剤ですわ。汗臭くなっては嫌でしょう?よければお試しになりますか?」


「それが噂の!?」

「お金なら払うんで、売ってもらえませんか!?」


 特に騎士志望の生徒が集まってきてしまった。すでに噂になっているらしい。


「申し訳ありませんが、今はわたくしが使う分しか持っておりませんの。興味がおありでしたら、試してみますか?気に入ったら兄に言ってくださいまし。そちらは兄の管轄ですので」


 さりげなく兄に仕事を押し付け、興味津々な生徒達にもシュッシュしてあげた。皆、授業で臭くなった簡易防具が汗臭くなくなったって喜んでた。あたし、良いことしたね!因みに王太子と丸ハゲ取巻きーずは来なかったよ。来ても使ってやらんから、正しい判断だな!ん?なんか王太子、めっちゃこっち見てるな。無視しよっと。




 軽くウォーミングアップしてから、班に別れて訓練開始。班は生徒のレベルによって分けられているんだって。そりゃ、騎士志望と形式的にやっときたい貴族が一緒の授業を受けられないよね。

 あたしは初回なんで、簡単なテストをされた。女だからと強制的に貴族組へ入れられるかと思いきや、キチンと評価されて騎士組に入れられた。


「かなり型が身に付いているな」


「あ、はい。お兄様に習いましたし……幼い頃は殿下と一緒に訓練していた事もありましたから」

「お遊びで来られて、こちらは迷惑だがな!」


 あたしを睨みつけてきたのは、丸ハゲ取巻きーずの騎士。こいつ騎士団長の息子なんだよね。そして、攻略対象なんだよね。名前はノウルキンス=ホルソマッチョ。ユーリフィアンと王太子の幼馴染でもある。とりあえず関わりたくないから、無視しよっと。


「ですので、基礎は問題ないかと思います」

「無視すんな!」


 無視すんなと言うから、仕方なく相手をしてあげることにした。


「汗臭いので、あまり近寄らないでいただけます?しかも、ツバが飛びましてよ?品がないですわ。教官と話しているのに割り込むなんて、どんな教育を受けておられますの?我が家は貴方の家より格上ですのよ?」


「だ、だが……学園では校則で平等であると決まっている!」


「それでも、していいこととダメなことはございます」


 こいつ、本気で馬鹿だからユーリフィアンにも口で勝てた事がない。悪意があるあたしに勝てるはずもない。それでも絡んでくるあたり、本物の馬鹿だな。

 そんな感じで一瞬意識を飛ばしたが、何かを投げつけられたので反射的にキャッチして顔面に投げ返してしまった。完全に無意識だった。


 あや?


 投げ返してしまったモノは手袋だったらしい。本来ならば、手袋投げる→落ちる→拾う→決闘じゃああああい!!となるのだが………これってどうなるの?馬鹿、顔を真っ赤にしてるし。


「ええと……すいません。投げつけられたので、つい。でも、武人なのですから避けるとか受けとるとか………」


「この、クソ女「はいはーい、じゃあ模擬戦で決着つけろ」


 教官が笑いながら暴れだそうとした馬鹿の首根っこを掴んで持ち上げた。スゴいな。でかくてゴツい男を、身長はともかく細身な教官が片手………教官、首が絞まってますぞ。あ、わざとならいいです。よく絞めといてください。


「丁度模擬戦やるつもりだったしな。で、ヒール嬢。得意武器は剣じゃないね?」


「はい」


「じゃあ、変則ルールを適用しようか。君はかなり強いが、剣術は明らかに修練が足りない。ただでさえ筋力差がある相手になんだ。互角に戦えるよう配慮すべき。そうだろう?ノウルキンス」


「もちろんだ!しかし、こんな女が俺と互角に戦えるわけがないがな!何で勝負する!?俺が勝ったら、皆の呪いを解除しろ!」


「わかりました。じゃあ、計算勝負で」




 皆が静かになった。ソレハナイヨって空気だね。いや、確実な勝利が欲しいじゃないか。




「それは……あまりにもノウルキンスが無惨に敗北するからやめてあげようよ。せっかく剣術の授業なんだから、せめて武術にしようよ!ね!?」


 教官はあたしの空手が見たいだけだな?ヤス兄、この人によろしく言ったらしいけど、余計なことをしゃべったに違いない。めっちゃ教官が必死だ。


「仕方ありませんね。ただ、骨を折っちゃうかもしれないのでホルソマッチョ様は簡易ではなくフルプレートメイルを装着してくださいませ」


「ハンディとして着てやろう!」


 まぁ、確かにフルプレートメイルはハンディになるだろうな。色んな意味で。念のため持ってきていた手甲と脛当を装備する。もちろん自作装備ですよ。



 あたしよりフルプレートメイルを着用するお馬鹿の方が支度に時間がかかった。もっと簡単に着脱できるよう改造してあげて、ヤス兄にプレゼントしよう。そうしよう。


「では、かまえ!」


 つか、実戦でいちいち武器を見せるような動作はいらないと思う。様式美ってやつかな?


「はじめ!」


 フルプレートメイルって、予想以上に動きにくいんだね。そして、中が暑いし臭いんだね。そこも改善してあげよう。そうしよう。

 考え事をしながらでも問題ない。この程度じゃ、当たらないな。ヤス兄より動きが遅いし、直線的で読みやすい。だから全然怖くない。


「はははははは、逃げてばかりでは勝てないぞ!?まあ、泣いて許しを乞うなら許してやらんこともない!!」


 お馬鹿さんだから、あたしが防戦一方だと思ったらしい。さて、反撃するかな~。


 脛当のエフェクトが作動した。エフェクトは高速移動。一瞬で背後に移動、何度も繰り返した一撃。体重を乗せ、手甲のエフェクトも作動させる。手甲のエフェクトは、威力増大。






 お馬鹿さんは綺麗に校庭の端まで飛んでいった。






 そのまま外壁に激突。壁を破壊したお馬鹿さんを見て、流石にやりすぎたと反省した。あ、皆ビックリしてる。あたしもビックリだよ。そういや、手甲は本気だして使ったことがなかったと思ったのだった。


「フルプレートメイル、着ておいてもらって正解でしたわ」


「………最近のノウルキンスは慢心しているから、いい薬かなと思ったけど………ちょっとこれは刺激的すぎるかな」


 教官及びクラスメイト全員がひきつっていた。わざとではないんだよ。特製武器の用法には注意が必要だと思った。

そもそも、攻撃力二倍の武器を持ったらこうなると思うんですよね。いきなり速くなったら対応できないだろうし。加速はまぁ、加速すると思っていたら大丈夫でしょうけども。

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