表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お狐様スローライフ  作者: くるみざわ
狐っ娘、キャンプライフ
46/144

P46 皆を誘いに行く

 完成させた翌日、皆を誘う為にわたしは皆の所を訪れた。

 ルルの場合は訪れたというよりは、一緒に住んでいるから普通に声をかけるだけだけどね。


「っという事で! 明日キャンプするから準備しておいてね! じゃ! そういう事だから!」


「どういう事で、そういう事なのか全く分からないですよ!」


 ルルとの付き合いも長くなってきていると思うけど、どうやらルルには伝わらなかったらしい。


「だから、キャンプだよ! 街の外でキャンプするんだよ!」


「それは分かりますけど、どうしてそうなったんですか?」


「どうしてって、そりゃあ折角キャンプ地を作ったから皆で遊ぼうかなって……。あっ違う。ルルとリリナが友達になったから懇親会的な事をしようと思ったんだった!」


 ツズリランドが完成したのを早く誰かに見せたくて当初の目的を忘れてしまっていた。

 そうだった。懇親会の為のキャンプ地だったんだったよ。すっかり目的がすれ変わっていたね。


「懇親会ですか。それは嬉しいですけど……忘れて違う事を考えてましたよね!」


「ま、まぁそんな事もあるよね。でもちゃんと懇親会にはするから!」


「まぁいいですけど。キャンプ地を作ったって言ってましたけど、最近何処かに出かけていた所ですか?」


「そうそう。綺麗に出来たし広いし渾身の出来だよ! 楽しみにしててね!」


 丹精込めて作り上げた最高のセーブデータじゃなくて、ツズリランドだ。シミュレーションゲーム感覚だったからついついデータ化してしまった。

 作った感想は、久々にやったゲームは面白かった!

 ……魔法が関わると、どうしてもゲームをしている感覚になってしまう。ゲームって魔法みたいなものだし仕方ないね。


「それは楽しみです! でも、ツズリの事だから何かしらやらかしているのでそれが心配です」


 ルルは直ぐにわたしが何かしでかしていると疑うようになってしまっているね。このわたしが何かをしでかした事なんてないだろうに。

 全く、失礼しちゃうなぁ。


「大丈夫だよ。何もやらかしてないから。本当に綺麗な場所ってだけだよ。万が一のことがあってもわたしという護衛もいるからね!」


 ドラゴンと間違われるくらい大きいムカデが出て来たりしたっていう経歴がある曰く付きの土地って事に目を瞑れば、安心安全のツズリランドだよ。


「そうですね! ツズリがいれば安全面は安心ですね! 街の外に出るのにはお父様の許可が必要ですけど、ツズリがいれば許可も取れると思います!」


 仮にもわたしは女神だからね。女神が付いているなら世界で一番安全と言ってもいい。ハセンさんも何の心配もなく許可を出してくれるだろうね。




 ルルを誘った次はリリナを誘いに行く。

 正面から入ると「女神様が来たー!」っと騒がれるので最近は従業員が使う裏口から入っている。

 従業員。そう、ついにこの宿にもリリナとリリナの母親以外の働き手が増えたんだよ。借金が無くなって、尚且つ女神様が通っているというステータスも付いているから、雇える余裕が出来たみたいだ。


 わたしとしても定員が増えたのは助かる。リリナを連れていけるからね。

 前のままだったらリリナが離れると誰も接客する人がいなくなってしまうから、連れ出す訳にはいかなかったんだよね。


「っという事で! 明日キャンプするから準備しといてね!」


「いきなり来てキャンプするって言われても、どういう事なのかさっぱり分からない」


 リリナが半目で怪訝な表情をしている。

 ほぼ毎日通い詰めて仲良くなったと思ったけど、どうやらリリナにも伝わらなかったらしい。

 全く、皆察しが悪いなぁ。


「皆で懇親会をする為に、わたしがキャンプする所を作ったから、明日そこでキャンプしようって事だよ!」


「なるほど。それならそうと初めからそう言って。明日キャンプするだけじゃ分からない。ツズリは説明を省く癖がある」


 女神、子供に注意され怒られる。

 結果だけ伝えた方が簡潔で良いと思うんだけどなぁ。

 ゲームのチュートリアルもわたしは飛ばしている。プレイしてたらそのうち覚えるでしょ精神でゲームを始めるからね。

 だからだろうか。説明とかを省く癖っていうのは。


「ごめんごめん、今度からは善処するよ」


「善処する。その言葉はお客様からの苦情が来た時に母さんも良く使っている。全く謝る気がない時によく使われる言葉」


 良く分かってるじゃないか。相変わらずリリナは辛辣だね。

 女神って分かって尚、前と変わらない態度って言うのは凄く嬉しいからいいんだけどね。


「まぁそういう事だから、街の外に出かける事を母親に伝えといてね。護衛わたしでキャンプ地も安全だから心配はいらないって事もね」


「分かった。街の外に出るのは初めてだから楽しみ。ツズリが一緒って事なら容易く許可は得られると思う。何たって女神だから」


「女神と一緒なら世界一安全だからね! 任せといてよ!」


「うん。任せた! 懇親会楽しみにしとく!」


 よし、これでリリナも誘えたから次は王都だね。

 ラライア姫とコタビにもちゃんと事前に言っておかないとね。

 コタビは兎も角としても、ラライア姫は一国のお姫様だから当日勝手に連れ出す訳にはいかない。

 ルルもリリナも当日に言ったとしても許可は出ると思う。コタビは何があってもホイホイとわたしに付いてくるだろう。

 けど、姫の場合はそうはいかない。国のトップの王族だからね。街から連れ出すとなると、それなりの手続きとか必要なんじゃないかなって思っている。




 王都に向けて絨毯でパパッと飛んでいく。

 馬車だと三日四日掛かる所を絨毯だと三十分くらいで着いてしまう。馬も真っ青になる速度だ。


 城のラライア姫がいる部屋の開いている窓に絨毯を横付けして勝手に中に入る。

 姫にとても失礼な気がするけど、ルル同様にわたしとラライア姫は仲良いし、女神だと思われているから不敬罪にはならないだろう。

 わたしは癒しの他に身勝手も司ってる女神だから、自由に行動するのだ。


 中に入るとラライア姫だけではなく、コタビも一緒に居た。

 二人でリバーシをしてたみたいだ。リバーシだけって言うのも飽きるだろうし、そのうち他のゲームも用意してあげないとね。


「ぃやっすー! 二人とも!」


 声をかけると「ツズリ様ですわ!」「ツズリ様なの!」っと二人ともがわたしに気づく。

 そりゃ窓から誰か来ると思ってもいないだろうし、リバーシに集中しているから直ぐには気づかないよね。


「この前の王城ドラゴン襲撃騒ぎの時に会えていなかったから寂しかったの!」


「えっ!? 王城ドラゴン襲撃騒ぎ!? ドラゴンに襲われたの!?」


「この前ツズリ様が置いて行ったドラゴンの事ですわ。急に現れたから騎士達が慌てたんですの。お父様も襲撃だーって騒いで説明するのが大変でしたわ」


「あー、そんな事もあったね」


 そう言えば、城から色々と持って行った時にムカデと交換って事で置いて行ったんだった。

 漁ってる時になんか騒がしいなーって思っていたけど、そんな大事になっていたなんて思わなかったな。まぁラライア姫が説明はしてくれたみたいだし、いっか。


「ドラゴンよりツズリ様に会いたかったの。ラライア様だけずるいの」


「仕方ないですわ。ツズリ様は何の連絡も無しにいきなり来るんですもの」


「なんかごめんね……」


 だってこの世界にはスマホもPCも電話も何もないんだもの。連絡手段が何もないんだから、そりゃ突然にもなるよ。

 手紙はあるだろうけど、時間が掛かり過ぎる。返信も待たないといけないと考えると途方に暮れてしまうよ。


「ツズリ様ならいつ来て下さっても構いませんわ!」


「そうなの! いつでも来て良いの! いつ来ても会えるようにコタビもここで暮らす事にしたから大丈夫なの!」


 コタビがわたしに会う為だけにラライア姫の部屋に居候する事になったらしい。

 わたしもルルの屋敷に居候させてもらっている身だから強くは言えないけど、そんな理由で居候するってどうなんだ……。

 この二人は昔から仲良いみたいだから、良いのかな。ラライア姫も一人でいるよりは気の知れたコタビと一緒なら楽しいだろうし良いか。


「それで、今日はどんな御用で来られたんですの?」


「今日来たのは明日キャンプするから準備しといてねって伝えに来たんだよ」


「ツズリ様とキャンプ! 了解したの!」


 流石コタビ即断即決!

 わたしが言う事は何の疑問にも思わず従う忠犬なだけあるね!

 忠誠心が高すぎて怖い時があるけど、今はその事については目を瞑ろう。


「わたくしも勿論行きますわ!」


 ラライア姫も嬉しそうな笑顔で行くと言ってくれた。けど、姫が勝手に決めて良いものなのだろうか。


「姫がそんな簡単に決めて大丈夫なの? キャンプって城でやる訳じゃなくて王都の外に出るよ?」


「構いませんわ! お父様とお母様に、ツズリ様とは仲良くしろと言われているのでツズリ様優先で決めていいのですわ!」


 うーん、なんだろう。あの王と王妃に仲良くしろって言われてるってなると何か裏があるような気がしてくる。勿論、ラライア姫みたいな純粋な子が裏があるような事は考えないだろうけどね。

 王と王妃はわたしを取り込もうとする節があるから、あまり信用出来ない。けど、ラライア姫とは普通に仲良くしたいから、王と王妃がどう関わってこようと結果は変わらない。


「それならまぁいいんだけど。誘拐とか思われて騒がれるといけないから、ちゃんと伝えといてね?」


 女神が姫を誘拐した何て騒がれたら大変だ。

 国対女神ってなっても、わたしは負けるつもりはないけどね。この前のムカデと騎士の戦いを見るに、仏恩で強そうな人とかいなかったし。


「分かりましたわ!」


「ラライア様が行くとなると、準備が大変なの。護衛に馬車に準備する事が沢山なの」


「それは心配いらないよ。馬車は空飛んでいけば必要ないからね。護衛もわたし一人で十分だし、そもそも空を飛んでいれば盗賊も魔物も狙ってこないよ」


 という騎士とかに付いて来てほしくない。ツズリランドは男子禁制だ。わたし含め美少女しか入れないのだ。

 わたし含めってとこは超重要である。


「そうですわ! ドラゴンを倒せるツズリ様がいれば騎士の護衛なんて必要ないですわ!」


「確かにそうなの! ツズリ様が守ってくださるの!」


「もし襲われたら女神として友達として絶対守ってみせるよ」


 女神としては正直どうでもいいけど、友達としてなら絶対に守り通さなければならない。

 女神の名なんて別に地に落ちても一向にかまわないからね。困る事なんて何もないし。でも、友達として守れなかったらわたしの後悔が凄まじいよ。


「ところでキャンプする場所はどうするんですの? わたくしこのお城の外には出た事もないですから、キャンプが出来るような場所を知りませんわ」


「コタビもキャンプが出来るような安全な場所は知らないの」


 ラライア姫は病弱だったから、そりゃ城の外には出れていなかっただろうね。王都の外なんて尚更だ。城は高いから外の景色は見れるだろうけど、見てるだけじゃ場所なんて分からない。

 コタビもワーウルフ討伐の時が遠征が初めてって言っていた。流石にあの魔物だらけの森でキャンプなんて出来ないのでキャンプ出来る場所は分からない。


「大丈夫、大丈夫。無いなら作ればいいんだよ! って事で作ってるよ!」


「おー! 流石ツズリ様なの!」


「ツズリ様が作られた土地。つまり聖なる土地ですわね! 今から行くのが楽しみですわ!」


 聖なる土地って……。神が住んでる聖域みたいな感じの土地処か、ムカデが出てきた土地だよ。

 流石に二匹倒して、子供っぽいのも倒してるからもう大丈夫だと思うけどね。出て来たとしても攻略済みなので何匹出てこようがパパッと倒すだけだ。


「っという事で! 明日迎えに来るからよろしくね!」


「はいなの!」


「はいですわ!」


 これで王都勢にもちゃんと誘う事が出来た。

 わたしが出来るキャンプの準備は万端だし明日が待ち遠しいね!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ