あの日、死にたくなった。そして私は分裂した
時系列順ではなく、思い出したインパクト順で投稿します。
まだ、表現力がないので、私の父の人物像がはっきりしませんので連載小説として長い目で見てくれたら嬉しいです。
あの日、普通にご飯を食べてた。
私は学校には行ってなくて、いつもご飯は一日一食。多くて二食。三食なんて食べられない。
確かあの日、お母さんも一緒にいたから時間的には夕飯であり私的には昼食。
その数日前から、私はお父さんからの存在の否定を正気では受け入れられなくて、痛みで忘れようとしてた。ネットサーフィンしてリストカットの記事を見つけたとき、「ああ、これいいな」と思ってた。
でも、親にばれるのはとても怖かったけど、 私が暑がりであることが周知されているので、あの真夏のその日長袖を着ることができなかった。手首にいつも付けていた髪留めでカモフラージュしていた。
私は両利きだからどちらの手首を切る事ができたけど、ご飯の時は左利きで、親は左側に座るので右手で左手首を切ってて、トイレに逃げ込めばすぐに痛みで忘れられるように、トイレにカッターを隠してた。
だから、半ソデで下に落ちたものを取ろうとしたら丸見え。あの日それが起こった。
ティッシュだったかな、髪留めだったかな、何かが床に落ちてそれをかがんで取ろうとしたら、ちょうどかさぶたになってた切り傷だらけの手首がされけだされて、それが父親に見えてしまう。
「…それなに?引っ掻いたの?」
バレた、と正直に思った。
「いや、そうじゃな…」
「何が『いや』だ!何が『そうじゃなくて』だ!何構って貰おうとしてんだ!」
ああ、ただの録音機のように聞き流したい。父は私が構った貰うためだけに切ったと思ってる。確かに切る事で苦しみを忘れ、構ってもらえたら一石二鳥だな、とは思ってたけども。
「えと、ごめん、どうしたらいい?」
「ああ!?謝ったら俺がお前を躾けなきゃいけなくなるだろ!どうしたらもなにも自分で考えろや!こっちがしんどいのはバカのお前でも分かるだろ!」
「大声出したらしんどいよね」
こっちだってしんどい、と思ったら負けだと思ってた。多分こんな言葉は付け焼き刃にもならない。
「ああ!?認めたらいいってもんじゃないんだぞ!」
「うん…」
多分こんな相槌はもっと怒られる。でも、それ以外の言葉が浮かばない。
「俺を『うん』で済ませられると思ってんのか?ほうらやっぱりお前は人を物のように扱って相槌で済ます悪魔だ、詐欺師だ!」
「そうだね、悪魔だね…」
「何認めてんだ!お前がやった事だろ?」
ああ、どんどん自分が遠くなっていく。相槌しか喋れない、だってあなたの言ってる事が分からないから。
「あとこの傷。何か言い訳してみろや!お前の十八番やろ?こんの詐欺師!どうせこの傷も構って貰おうとしてんだろ?」
「これは少し色々本音を言えなくて辛くてやったんだけど、あの、」
よし、やっと大声を怖がらずに本音を言えた。でも、伝わらないだろうな。
「ああ、そうだろうな!お前らのようなウソつきはウソがつけなくなったら苦しいだろうからな」
実際に親の顔色を伺い過ぎてストレスでウソついたことがあるから反論出来ない。
「手首切るなら顔面切れや!」
「○○(私の名前)は顔より髪の毛の方が大事そうだからそっちを切らせれば?」
母親が入ってきた。
痛みのない髪の方を選ぶ事で助け船を出したつもりなのか、それとも髪を大事にしてる私への追い討ちなのかわからないが、自分の意識がどんどん奥深くに音を立てて沈んで行くのが自分でもわかる。
「髪を自分で切れ、そんで『私は父さんを憎んでいる』って言え。本当のことだろ?」
泣いちゃダメだ。涙を押し殺せ。
「…私は父さんを憎んでいる」
なんでこんな事を言わなきゃいけないんだろう。
『お前が父さんを憎んでるからこんな事になったんだ!今までたくさん口答えしただろう』
『だってこの人は大切なものをどんどん奪っていく。夢、友人、髪、自由、勉強、私が一瞬でも幸せになりそうなものを先回りして奪っていく』
この時、私は「自分を殺す私」と「父さんと戦う私」に分裂した。
「じゃあ今すぐ洗面所で髪切ってこい」
「わかった…」
父の目が届かない部屋に行くとだんだん分裂した心が重なっていき、奥に押し込めていた心もだんだん浮き上がる。でも、同時に今まで押し込めていた涙も溢れ出してくる。
大好きだった父さんに言葉の攻撃受けて悲しい「自分を殺す私」の涙と、心のプライドを言葉でズタズタされて悔しい「父さんと戦う私」の涙。
ーー喉を抉られたように苦しい。また痛みで忘れたい
どうしよう、この腰まで伸ばした長い髪はまだ父さんのことが大好きだった思い出も入っている宝物で、今は1人も友達がいない私にとっては友達のようなものだ。それを軽々と切りたくない。
私はとても変わった髪型をしている。肩ぐらいの長さのボブカットに後頭部だけ超ロングの付け毛を付けたような髪型だ。もちろん地毛だけど。
後ろの長い髪だけ帽子に入れたら完全に腰まで髪が長いとはほぼ絶対に気付かない。これは確認済み。
このまま切らずに長い髪を隠す後ろだけのカツラでも作る?もっこりしないようにピンで留めて、カツラは表面だけ自分の髪を使って、内側は黒い細い糸で作れば、毛先を2〜30㎝切るだけで済む。
いや学校にもいかず四六時中一緒にいる家族の目は厳しい。風呂の時は取らないとだし、自室とかはないから、3人一緒に寝るし、やっぱり切るしかない。
じゃあ、もし肩まで切ったとしてまた腰まで伸びるのに何ヶ月掛かる?肩から腰まで5〜60㎝はあるとして、一ヶ月に1㎝ほど伸びると言われてて、私はもうちょい早いから毎月1.5㎝伸びるとすると、40ヶ月(←暗算得意)。
40ヶ月=三年四ヶ月!
え?三年?嫌ーーー!
三年も寂しいのが続くの?その間に死にそうなんだけど?
うううぅ…
でも長いままなのがバレてハゲにされたらもっと嫌だし、やっぱり切るしかないか…。
頭を使う事で現実逃避していたが、その時まだ涙が出っぱなしだった事に気付いた。
ーー例え今髪を切って今回の話が解決しても、また私の感情が緩むたびに、もしくは私が苦しみの通りに行動するたびにこういう事が起こるんだよな
ついさっきまで起こっていた事を思い返す。
ーーあれ?私狂ってきてる?そういえばさっきは苦しすぎて気づかなかったけど、私精神分裂してなかった?っていうかリストカットする時点で少しは狂ってるだろうけど
今更だけど、自分が完全に普通ではない事を実感した。
『私が狂ってておかしい奴だから、父さんは起こったのかな?』
また分裂しだした。「自分を殺す私」が出て来た。
『違う!今まで言われた言葉の酷さを思い出してよ!あんな事毎日朝から晩まで言われ続けておかしくならない方がおかしいよ?悔しくないの!?』
『そんな風に人のせいにしてる所が父さんに嫌われるんだ。やっぱり私が悪いんじゃないか』
『こんな生活続けてたらおかしくなるよ?医者になるっていう将来の夢だって、先回りして壊されたじゃないか!』
『いいや!父さんの言った通り人助けを好むなんて偽善的で自己満足だらけだ!こんな苦しくて辛い1日なのも私が狂ってるせいだ。やっぱりこんな狂ってる自分なんていらない!』
『私だってこんな狂った生活の中で、夢も叶えられず、人と話したり、人を助けたり、趣味も壊され続け、勉強も出来ず、髪もきられ、こんな狂わされ続ける人生は嫌だ!』
『『もう死にたい』』
最悪な方向に二つの人格が重なった。
「○○(私の名前)!何してる?」
向こうの部屋から父の声が聞こえてきた。
早く髪切らないと…いや、死ねばいいんじゃない?
もういい、これ以上生きたくない。
ーー確か薬指には動脈があるよね。カッターで切れるかな?
この後のことははっきりとは覚えていない。今考えると自分でもとんでもない事考えたなぁと思う。
たしか、静脈は切れたけど、動脈までは痛くてなかなか切れなくて、ただタクタクと少しづつ流れる血を見て開放感があって、途中で家を出れば自由って事に気付いて、死ぬのをやめたと思う。髪は結局切ったけどね。なんとか。
あの後一ヶ月くらい廃人化して、なんとか伸びた髪と、家を出る自由と、将来の夢というギリギリの支えで夜中勉強したり、傷心を癒すためにsnsを始めたりしました。
今もこのままですが、今思えば、私も父も元から結構変わってて、しかも性格が合わないのかも、とも思います。特に父は典型的な毒両親(バカで人を思い通りにしたい凶暴な子供っぽい大人)持ちなので、その反面教師で、賢く人を信じない大人っぽい毒親になったのだと思います。私もその反面教師で人を信じたり人を助けたりする事に飢えてるのだと。
他にも色々客観的なコメント下さると嬉しいです。