表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
光と闇のファンタジア
3/135

1ー2 光と闇の対峙の先は

二章 闇に溶ける真夜中の王子



王子は、佇んでいた。

一人で、ひっそりと

仮面を外し、床に落として。


父から知らされた。

婚約者は光の国の第二王女ルナ・ブルームーン・S

「呪い」を持つ王女であると。


王子は一度だけ見たことがあった。

天上の国のお姫様。

銀髪の髪と青紫色をした瞳。

それは美しい姫だった。

白いバルコニーで泣いていた。

自分のことではなく、誰かのために悲しんでいるように見えた。



「光の国の王女か…」


ぼそりと、誰にも聞こえないように呟いた。

その一言は、闇にかき消えていく。


ガラス張りのドームのようなところ

光の国が見える。天上の国。

闇と対峙する、闇を打ち消す光の国。


『昔むかしの物語───』

幼いころに従者が語ってくれた話。

エアリアルのはじまりと光と闇の戦争が描かれる。

でもそれよりも王子は、今自分が感じとれる景色が好きだった。


だから王子はその眺めも好きだった。

闇にはない輝きがあるから。

美しく儚い人の心を動かせる力を光は持っているから。


「お前には、約束された将来がある

 闇の王としての努めを果たせるよう、日々学べ。」


「はい、父上。」


でも自分にはなにもない。

王として学んだ帝王学と、その生まれながらの地位しか。


将来を約束されてしまった王女を、王子は可哀想と思った。


好きでもない人の妻となり、愛されず死んでゆくのかと。


従者の話はそのあとも続いていた。

『全てを持つ少女は、何も持たない少年に恋をしました。

 そして、少年もまた少女を愛していました───』

昔の物語は、もう神話の世界の話。


まるで、今の自分たちを語られている気分になった。



「ならオレは…お前を妻として愛し

 お前を幸せにすると誓う

 何があっても。」



そう呟いた時、声が聞こえた気がした。

ソプラノのように澄んだ高く綺麗な声で。



「ならわたしは、何も持たないあなたを愛します。

 それが間違っていたとしても、

 わたしは決して後悔をしません。

 あなたがわたしを愛してくれるのなら。」


「…あぁ…」



そう言って王子は仮面を付けた。

姫だけには外そうと思って。姫だけに見せたかった。

あの時から王子は、姫に恋をしていたのかもしれない。


『でも、全てを持つ少女には一つだけ

 持っていないものがありました───』



持っていないものは、姫にはあるのだろうか。

光に包まれて育った姫にそんなものは


『それは、記憶───』


ハッとなって思い出した。

光の王族は、生まれるときにそれまでの記憶を失う。戻ることは二度とない。

普通の人は、生まれる前の記憶は持たない。

だが、光の王族は前世の記憶を持つ。

でもそれは危険だから、と生まれたときに封印される。




♢♢♢




「…それは、まるで…」



それは一生思い出すことはない。

光の王族は、知らない記憶。

宰相が代々伝え行うものだから、

このことが女王に知られれば、

王族は封印を解いてしまうから。


でも確か、その封印はささいなことで解かれてしまう。

まだそれは、ずっと先のことだけれど。

それは───。

二人は運命に導かれていきます。

二人が行く先には、

何が待ち受けているのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ