管理番号22番:被虐的な彼女 ②
「……クソッ……クソッ……!」
俺は朝からひたすら壁を殴り続けていた。ひたすらに……怒りが抑えられないのである。
とにかく、何かを破壊したい……そんな異常な衝動に俺は支配されていた。
「管理番号1番。点検行為の時間……何をしているのですか?」
ライナは部屋に入ってくると同時に目を丸くする。
「あ、ああ……ライナか。アイツは……まだ生きているのか?」
俺は怒りを抑えながら、なんとかそう言う。
アイツ……自分でも一体誰のことを言っているのかわからなかった。
「そんなことより……大丈夫ですか? その手」
言われて俺は気付いた。既に拳は血だらけである。
しかし……大して気にならなかった。むしろ、怒りが抑えられない。
アイツを……管理番号22番を殴ってやらないと気が済まないのだ。
「俺は大丈夫だから……さっさと、管理番号22番に会わせてくれ!」
俺がそう言うとライナは少し怯えた顔をした。その瞬間、俺の心の中でものすごい高ぶりがあった。
ライナも殴ってやりたい……俺はそう思った。
「だ、ダメだ!」
俺は思わず叫んでしまった。それと同時に、今一度壁を殴る。壁には拳型の血の跡が付く。
「か、管理番号1番……大丈夫ですか?」
「大丈夫だから! は、早く管理番号22番をころ……違う! 会わせてくれ!」
俺がそう怒鳴ると、ライナは怯えた顔で自分についてくるように言った。
益々ライナを殴ってやりたい気持ちが強くなる。
ダメだ、ライナは殴ってはいけない……そんな正反対の気持ちが頭の中を駆け巡り、気が狂いそうになりながらも、俺はライナに付いて行ったのだった。




